概要
自分が所有・管理するインターネット上のサービス(サイトやブログなど)に設置された広告により、収入・ショッピングポイントのような各種利益を得ること。略称は「アフィ」。
無料で各種サービスの提供を受けること(例:Webサイトや電子掲示板のレンタル、アプリの利用)が可能となるのも、この仕組みがあるためである。地方の民放が事業継続のため、番組の制作資金や広告料を「提供」してもらう見返りに、テレビショッピングやコマーシャル(スポットCM)を放送することに近いといえる。
アフィリエイトは、狭義では成功報酬型広告によるものを指す。「広告をクリックし、リンク先のサイトから商品やサービスを購入」することで報酬を得るものである。
アフィリエイトシステムの一つに、自己アフィリエイト(別名「セルフバック」)がある。
これは、自ら閲覧や購入・申込みを行うことで、成果報酬を得ることができるサービスをいう。
システムの例
- 広告主がポイントサイトにある金額で広告を依頼
- ポイントサイトが会員に「広告を見るだけで~円のポイント、商品購入でさらに~%ポイントバック!」などとメールやwebサイトなどで宣伝を行う。
- 会員はポイントサイト内の広告を見たりすることでポイントを入手。このポイントは換金可能であり「自分で自分に宣伝した」(=自己アフィリエイト)という扱いになる。
- ある金額以下に設定された所定の金額を達成したところで広告終了、残額はポイントサイトの収入に(当然、サーバ維持管理や各種宣伝にかかる経費が存在するため全額利益とはならない)
少し手が込んだものだと、アンケートやリサーチを装い、広告を行うものも存在する(この種の行為を行うサイトの場合、本物のアンケートなども存在する )。
問題点
これ自体は正当な商行為であるが、一部ではシステムを悪用・乱用する者がいるなどの問題が生じている。また、アフィリエイトシステムは全般的に未熟な点があり、閲覧者が様々な不利益を被ることがある。
システムの悪用
- 閲覧者の時間を奪うだけの無意味な記事を作成する
- 炎上などを狙った記事を作成する(参考記事:「まとめブログ」)
- 他人の文章や画像を無断で使用する(Twitterにおけるパクツイbotなど)
- 偽装クリックを行う
- 本来、二次創作では広告が掲載されないというシステムなのだが、許諾外二次創作を投稿して広告を表示し、アフィリエイト収入を得ようとする(※カクヨムで、稀に実在するケース)。仕様を分からずに投稿している場合は仕方がないといえるが、中には……。
広告収入を得たいがために、上記のような行為を行う者がいる。
モラルに反する方法で報酬を得ようとする者は、忌み嫌われ「アフィカス」という蔑称で呼ばれることがある。
中には、「商品紹介をアフィリエイトのリンクに書き換える」などの手口を用いるサイトがあるため、注意が必要。
他のサイトへの迷惑行為
掲示板・動画サイトなどのサービスに偽装したURLを貼られるなど、無関係なサイトの利用者を困らせるような事例があった。
審査の不徹底
比較的メジャーなサイトなどでも、広告主を適切に審査しているか否かについて疑問がある。
高い報酬を出す業者を優先して、マルチ商法的システムの情報商材に関する宣伝や、優良な商品に見せかけた粗悪品を紹介する詐欺的な広告、アダルト系広告などが掲載されていることも多い。
実際に、「インターネット上の詐欺を警告しているサイトにネット詐欺の広告が載っている」ケースもある。と言うか、詐欺師自身が自分の信憑性緒を上げる為に別の詐欺師を出汁にしているケースも多い。
そして2020年代に入ると審査の不徹底さがさらに響く形となり、インパクト重視でグロ画像を多用する美容系広告があらゆるサイトで急増。2021年8月1日に薬機法が改正され以前よりかは減ったものの、完全には防ぎきれていない現状にある。
余談だが、当時はこのブームを受けてか「毛穴をほじくるゲーム」なんてのが多数登場する始末であった。
ちなみに、pixivやピクシブ百科事典の広告であっても、低確率ながらこれらの広告が表示されることがある。なぜ確率が低いかというと、受託している業者が広告の有効性を向上させるため、「サイト閲覧者(の趣味)に合わせた広告を掲載するシステム」を構築しており、pixivおよび関連サービス内ではオタク系広告が優先されてしまうからと言われている(言い換えると、オタク向けの詐欺が増えればそうも言ってられなくなる)。
また、システムによっては「ユーザー側の閲覧履歴に合わせて広告を表示」するタイプものも存在し、その場合は自分の責任と言えなくもないかもしれない。ブラウザの閲覧履歴を消去すればリセットされるので気になるなら試してみると良いだろう。一方、アフィリエイトの成果確認にも閲覧履歴やCookieが使われているので、ポイントサイト利用中に消去するとポイントがもらえなくなる可能性が高い点には注意したい。
対策
最も確実な対策は、バナーやテキストリンクの広告を絶対にクリックしないことにつきる。ただでさえバナー広告だらけでブラウザの読み込みが遅くなるのだから、Adblockなどの拡張機能で広告を(極力)読み込ませないようにするのが効果的なので、(特にFirefoxのユーザーは)「Adblock Plus」と「Element Hiding Helper for Adblock Plus」を忘れずにインストールしておこう。
その一方で、一部のブラウザゲームではAdblockを入れていると正常に機能しないもの(チート対策や、そもそもアフィリエイトで稼いでいるゲーム等)も存在するので、その辺りは各ブラウザゲームのFAQや注意書きなどを確認し、プレイするときは解除するなどの対応が望ましい。
関連項目
デベロッパー:広告が家賃収入に変わっただけで原理はほぼ同じ。近年のタワーマンション(≒まとめブログ)乱立がこれにあたる。