概要
ブロードバンド普及前に主流だったネット(インターネット及びパソコン通信)接続方式。パソコンなどの端末をモデムを介して電話線に接続して使用する。
従来の電話回線をそのまま利用できるため手軽だが、回線速度10~20kbpsと非常に低速(2000年前後に主流となっていたV.92モデムの仕様上は56kbpsだが、実効速度はこの程度)なうえ、接続中は通話ができなくなる。またインターネットアクセスプロバイダ(ISP)接続料やパソコン通信の利用料とは別に、接続時間に比例してアクセスポイントまでの通話料がかかり、長時間利用ではコスパも悪い。そのため、ヘビーユーザーには基本的に定額制のISDNの方が好まれた。
ただ、賃貸暮らし等でISDNの回線の工事ができないユーザーはダイヤルアップに頼らざるを得ず、23時~翌8時の深夜~朝方に限りアクセスポイントまでの通話料が定額制になる「テレホーダイ」サービスを使っていた。そのため、当時の電子掲示板などでは23時になると急激に混み合い繋がりにくくなる現象が見られた。特に2chではそんなユーザー達を揶揄したテレホマンなるネタが生まれ、AAが作られる等して親しまれた。
「ブロードバンド元年」となった2001年以降、電話回線でブロードバンドを実現したADSLの普及によってISDNともども利用者が減少。ADSLの提供が遅れた地域や、出張先などADSLが使えない環境ではしばらく使われていたが、携帯電話のテザリングなどでネット接続が可能になると廃れた。
NTT東西が通信サービスを完全に廃止したISDNやADSLとは違い、ダイヤルアップ接続は電話回線が現役なためISPがサポートしている限りは利用可能である。とはいえダイヤルアップ接続のサポートを廃止するISPも相次いでおり、いずれはダイヤルアップでのネット接続が全く利用できなくなる日が来るだろう。