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曖昧さ回避編集


概要編集

 中国古代の王朝。元々に仕える西国の王だったが、殷王朝を倒して王朝を開いた。

 また、時代の名前にも使い、「周代(西周、英語:Western Zhou)」と言えば、紀元前1046年頃から、雒邑(洛陽)に遷都して東周となるまでの紀元前771年の間のことを指す。遷都以後は春秋戦国を参照。国姓は姫(き)。周代においていわゆる中国高文明が成立したとみられる。



歴史と伝承編集

 『詩経』には周の祖先についての神話がある。上帝の足跡を踏んで妊娠した姜嫄という女から産まれた后稷は、長じて人々に農業を教えた。その子孫は今の陝西省に当たる地域に後に周と呼ばれる国を建てたという。吉本道雅(『中国史 上』)によれば、1976年に陝西省岐山県鳳雛村で当時の宮殿遺跡が見つかり多数の甲骨文が発見されたとのこと。周は殷王朝に従っていたが、姫発の代に反乱を起こし、殷最後の王・紂王を倒して中原を制覇したとされる。武王と名乗った姫発が築いた都を鎬京(宗周、後の長安)と呼ぶが、現在の陝西省西安市西南の灃河両岸にあたり、1955年以来建築の遺跡などが発掘されている。(吉本道雅「先秦」富谷至・森田憲司編『中国史 上 古代ー中世』)。


 殷朝までの水田は、ちいさい経営面積と「余剰ってなんですか」レヴェルの生産力しかない(現代の水田よりさらに水利に左右されやすい)ので、すぐぐだぐだになってしまった。その点、ど田舎のど辺境で発生した周王朝は、二次元の「水田」で栽培し「方荒し(お休み畑)」を採用した、二圃式という耕法でもって、おまけ 余剰というものをひり出さしめ、一次元の田圃しか持たない旧王朝を粉砕し得る程度の生産力を持った。


 吉本(『中国史 上』)によれば、周は武王の父に当たる姫昌文王)の代に天命を受けたから天下の支配権を得たとした。周人は「」を崇拝し、王は民意を感じ取った天の命によりその支配を正当化される「天子」であるとしてきた(吉本、前掲書)。周は封建制を取り、各地に諸侯を置いて土地と民を分割支配した。諸侯は自らの領国を支配するばかりか王を補佐して中央の政治にも参与した。特に武王の弟であり周公旦と尊称された姫旦は二代目の武王の子・成王をよく支え、後世の儒学者によって理想の統治者、聖人と見なされている。


 周(西周)の滅亡は幽王の時である。幽王は太子の宜臼を廃して伯服を太子としたため、宜臼の母の実家である申等の諸侯が宜臼を奉じて叛く。そして幽王は犬戎に攻撃されて敗死した。(吉本、前掲書)。吉本によれば、この後に雒邑(洛陽)で宜臼が東周を立てるまでの過程は錯綜しているらしいが、結局一族間の争いを勝ち抜いた宜臼が王となり平王と呼ばれる。しかし、周王家の支配地は雒邑周辺の狭い地域に限られ、諸侯が実権を握って天下の覇を競う春秋戦国時代へと歴史は移り変わっていく。


なお、東周において周王朝の血筋は続き、がいよいよ天下を取り戦国が終わろうかという時代に滅びた。西周の武王から東周最後の赧王までに37代・800年近くに渡って続いた中国史上最長の王朝であった。

東周王が最後まで保持していた古代中国王朝のレガリアである「九鼎」は伝承では夏王朝から受け継がれてきたものであったとされるが、秦はこれを奪還しようとして結局川底に沈めてしまったという。

九鼎は祭器としての役割を有していたとされる青銅器で、祭祀をよく執り行った古代三王朝の象徴としても特徴的であった。失われた九鼎に代わって、秦は玉璽である「伝国璽」を生成、これ本体や喪失後の模造品を含め、以後の歴代王朝は伝国璽を以て王位(帝位)継承のレガリアとした。

これは中国王朝が祭祀を重んじる神官的な役割を有した上古の時代から、法規と行政によって人を統治する時代に移り変わっていったことを表しているとも言える。


文献編集

吉本道雅. 2016.「先秦」富谷至・森田憲司編『中国史 上 古代ー中世』昭和堂。


姓が周の人物編集


名前が周の人物編集

この場合、読みは「しゅう」のほか、「あまね」もある

実在編集

架空編集


関連タグ編集

中国 中国王朝  春秋戦国

周王家: 文王(西伯公、姫昌) 武王姫発) 穆王

周公旦 伯邑考 邑姜 太公望

封神演義 封神演义

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