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尖閣問題

せんかくしょとうもんだい

国際法に従い日本が実効支配している日本固有の領土・沖縄県石垣市尖閣諸島を巡る領土問題。
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概要編集

日本の固有領土・沖縄県石垣市尖閣諸島に対する、中華人民共和国中華民国(台湾)が1971年以降から同地(釣魚島)を自国領として主張する領土問題

中国公船は尖閣諸島に付属する領海侵犯を頻繁に行なっている。


ちなみに日本政府は、「尖閣諸島は歴史的及び国際法上日本の領土である事実は明らかであるため、解決すべき領有権の問題は存在していない」としている。


尖閣諸島及びその周辺地域を巡る年表編集

  • 1845年頃:イギリスが、中国領に近付かないように徹底しつつ、尖閣諸島などの周辺の島々を調査。その際、清国(当時の中国)はイギリスに対して抗議をしなかった(要するに、当時の尖閣諸島はどの国の支配も及んでいなかった)。
  • 1895年:1月、日本政府が尖閣諸島を慎重に調査し、いずれの国の支配にも及んでいない事実を確認した上で、国際法に基づき沖縄県に編入
  • 1896年:古賀辰四郎が、日本政府から尖閣諸島の一部を借りて、鰹節工場などの事業を開始。
  • 1919・20年:中華民国福建省漁民の男女31人(子供を含む)魚釣島付近で遭難し、同島へ避難。古賀善次(辰四郎の長男)が彼らを救出し、長崎駐在中華民国領事は石垣村長の豊川善佐玉代勢孫伴らに7通もの感謝状を送った。この感謝状では、尖閣諸島は「日本帝国沖縄県八重山郡尖閣列島」と明記されている。
  • 1945年:太平洋戦争における日本の敗戦後、アメリカ軍を中心としたGHQが日本を統治し、尖閣諸島を含む南西諸島を直接管理下に置いた。
  • 1949年:国共内戦において中国共産党が、(中国国民党率いる)中華民国を台湾へと追い出した。その後、共産党は中国大陸において中華人民共和国の建国を宣言した。
  • 1951年:サンフランシスコ平和条約が発行され、日本は主権を回復。この条約において、尖閣諸島を含む沖縄県はアメリカ合衆国の施政下に置かれるようになった。
  • 1952年:日本政府と中華民国(台湾)政府の間に「日華平和条約」が締結。この条約により、日本は正式に「台湾及び澎湖諸島ならびに新南群島及び西沙群島における日本のすべての権利、権原及び請求権の放棄」をした。この条約で日本が放棄した地域に尖閣諸島は含まれていない
  • 1960年:中華人民共和国「世界地図集」において、尖閣諸島を(日本の名称である)「尖閣群島」「魚釣島」と表記。
  • 1965年:中華民国(台湾)「世界地図集第一冊東亜諸国」において、尖閣諸島を(日本の名称である)「尖閣群島」と表記。
  • 1968年:国連機関による調査の結果、尖閣諸島を含む東シナ海石油埋蔵の可能性があると指摘。
  • 1969年:中華人民共和国政府が出版した地図において、尖閣諸島を(日本の名称である)「尖閣群島」「魚釣島」と表記。
  • 1970年:中華民国(台湾)政府が作成した教科書における地図において、尖閣諸島を(日本の名称である)「尖閣群島」と表記。
  • 1971年:前述した、尖閣諸島における石油埋蔵の可能性を知った中華民国(台湾)政府が6月に突如、尖閣諸島の領有権を主張し始める。同月、日本とアメリカの間に沖縄返還協定が締結され、(尖閣諸島を含む)沖縄の施政権がアメリカから日本に返還された。日米同盟に基づき、在日米軍は日本を防衛するために沖縄への駐屯を継続。12月、中華人民共和国政府が突如尖閣諸島の領有権を主張し始める。
  • 1972年:日本と中華人民共和国の間で、「日中共同声明」が合意される。この交渉過程で、中華人民共和国代表・周恩来は、(尖閣諸島問題について)「石油が出るから,これが問題になった。石油が出なければ,台湾も米国も問題にしない。」と発言(要するに、中華人民共和国と中華民国(台湾)が尖閣諸島の領有権を主張し始めたのは埋蔵されている可能性の高い石油の獲得が目的という意味)。
  • 1978年:日本と中華人民共和国の間で、「日中平和友好条約」が締結される。
  • 2008年:中国公船による領海侵犯が始まる。
  • 2010年:9月、中華人民共和国の漁船が尖閣諸島付近で領海侵犯を犯し、日本の海上保安庁の巡視船を襲撃するという事件が発生。10月、アメリカ国務次官補・フィリップ・クローリーが「尖閣諸島は日本の施政下にある」「日米安全保障条約5条は、日本の施政下にある領域に適用される」としたうえで、「条約が尖閣諸島に適用されるかと問われれば、そうだ」と発表。
  • 2012年:日本政府が、私有地であった尖閣諸島を20億5000万円で購入して国有化。
  • 2014年:4月24日、アメリカ大統領バラク・オバマは、「沖縄県尖閣諸島が日米安全保障条約第5条の適用範囲内にある」事実を表明。9月30日、アメリカ国防副長官ロバート・ワークは、「(もし、中国による)尖閣奪取の企てがあれば対応し、同盟国の日本を支援する」と発表。
  • 2015年:9月に実施された法改正により、日米安全保障条約によって集団的自衛権が行使されることが決定した。
  • 2016年:アメリカインド太平洋軍司令官・ハリー・ハリスが、「中国からの攻撃があれば、我々は必ず(日米安全保障条約に基づき尖閣諸島を)防衛する」と米軍が日本の尖閣防衛を支持するために軍事的支援をする事を表明。
  • 2021年:日本政府は、もし中国が尖閣諸島に上陸したら(国防のために)射撃を加えると発表した。

中華人民共和国と中華民国(台湾)の主張の矛盾点編集

  • 中華人民共和国と中華民国(台湾)は、「日清戦争において勝利した日本が清国との間に締結した講和条約・下関条約(清国が遼東半島、台湾、澎湖諸島を日本に割譲した条約)によって、尖閣諸島が『台湾の付属島嶼』として日本に『割譲された』」と主張している。しかし、日清戦争の終結及び下関条約の締結は1895年4月であり、日本が尖閣諸島を公式に領土編入したのはその3ヶ月前の1895年1月であるため、尖閣諸島と下関条約には何の関係も無い
  • 前述したサンフランシスコ平和条約発行時、中華民国(台湾)は尖閣諸島がアメリカの施政下に置かれる決定に対して一切の異議を唱えていない中華人民共和国は、(尖閣諸島を含む)沖縄を日本に返還する事を支持し、アメリカが沖縄を施政下に置く決定には批判しても、(尖閣諸島を含む)沖縄が日本領である事実は疑問視していなかった。また、それ以降在日米軍は尖閣諸島の一部を訓練所として利用していたが、中華人民共和国も中華民国(台湾)もこれに対して一切の抗議をしていない
  • 中華人民共和国は、日中共同声明及び日中平和友好条約が締結されるまでの交渉の際に、日中両国がこの問題を「棚上げ」することに合意したと主張しているが、そのような事実はなく、条約発行後に中華人民共和国副総理・鄧小平が「こういう問題は一時タナ上げしても構わないと思う。十年タナ上げしても構わない。」と発言しただけだ。

第3国の立場編集

  • アメリカ合衆国

前述した通り、日本と同盟関係にあるアメリカ政府は「尖閣諸島は日本固有の領土であり、当諸島は日米同盟の適用範囲内にある。」という立場だ。


解説動画編集

日本語編集


英語編集


余談編集

前述した通り、中華民国(台湾)は中華人民共和国同様尖閣諸島の領有権を主張している。

しかし、台湾人の約8割は日本に対して好感情を持っている。台湾は経済・文化的に日本と交流が活発であるため、尖閣問題によって日本を敵視するようなことはしていない。むしろ台湾も日本も、中華人民共和国による軍事的脅威に晒されているため、日台両国はアメリカ、韓国インドなどと協力して中華人民共和国による脅威に対抗するというスタンスをとっているため、日本と台湾の関係は良好(日台友好である。


ちなみに、李登輝元台湾総統は尖閣諸島は日本領と発言している。


外部リンク編集

日本外務省によるウェブでの解説ドキュメントでの解説


関連タグ編集

  • 台湾:中華民国(台湾)政府が実効支配している地域だが、中華人民共和国が領有権を主張している。
  • 南沙諸島:東シナ海に浮かぶ100余りの島々。ベトナムフィリピンマレーシアブルネイ、中華民国(台湾)、中華人民共和国が領有権を主張。中華民国(台湾)、中華人民共和国(中国)、フィリピン、ベトナム、マレーシアが各島を実行支配している。オランダデン・ハーグにある[[常設仲裁裁判所]は、中華人民共和国の主張は国際法違反としている。
  • 西沙諸島:中華人民共和国が占領している地域。ベトナムと中華民国(台湾)が領有権を主張している。前述した常設仲裁裁判所は、中華人民共和国の占領は国際法違反としている。
  • 中沙諸島:中華人民共和国、中華民国(台湾)、フィリピンが領有権を主張。前述した常設仲裁裁判所は、中華人民共和国の主張は国際法違反としている。
  • カシミール地域:インド、パキスタンと中華人民共和国の3カ国が領有権を主張している紛争地域。
  • 蘇岩礁日向礁丁岩礁:大韓民国と中華人民共和国が領有権を主張している暗礁
  • チベットウイグル香港:中華人民共和国が占領しているが、独立を求める声が存在する。

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