定義
最寒月の平均気温が-3℃未満かつ最暖月の平均気温が10℃以上、かつ乾燥帯ではない事が条件で、植生は針葉樹林(タイガ)を形成し、四季の変化がある。
分類
区分①
Dw(亜寒帯冬季少雨気候)
アジア北東部に分布。
最多雨月が夏にあり、10×最少雨月降水量<最多雨月降水量が条件。
アジアは中国南部~インドの高い山に寒気が堰き止められる影響で、冬は継続的にシベリア気団(冷たく乾燥した高気圧)が形成され、日本海方面に抜ける。
その為、大陸側は乾燥、日本には海と暖流の影響を受けて雪を降らせ、大陸側は放射冷却の影響で寒さに拍車が掛かる。
日本国内の亜寒帯は殆ど、後述するDfであるが、雪の影響を受けにくい北海道釧路町の気候はDwbとなる。
(ただし、根雪となる為、同町は豪雪地帯に分類される。)
Ds(高地地中海性気候)
亜寒帯の条件を満たし、最多雨月が冬にあり、3×最少雨月降水量<最多雨月降水量かつ最少雨月降水量が30mm未満が条件。
一般的に地中海性気候(Cs)は中緯度高圧帯に分布し、冬は温暖である事が多いが、Dsは北米西岸のカナダ~アラスカの北極圏まで分散して分布する。
アラスカ州ホーマーなどの高緯度地域は、日本とは反対に白夜となる6月の降水量が最も少なく、冷涼で乾燥したものとなっており、実質的には限りなくDfに近いと言える。
Df(亜寒帯湿潤気候)
Dw,Dsのどちらにも分類されない気候帯。
大陸東岸または北緯50度~70度付近の高緯度低圧帯に分布する。
北海道の大部分、長野県軽井沢町がDfに属し、東日本では標高1,000m以上がこの気候帯となる。
区分②
さらに、最寒月・最暖月平均気温によって次の4つに分けることができる。
以下は、DsもDwも条件は同じ。
- Dfa
最暖月が22℃以上。冬は寒いが、夏は暑い。
- Dfb
最暖月が22℃未満かつ月平均気温10℃以上の月が4か月以上。夏は比較的冷涼で、より寒い地域は冬の平均気温が-15℃を下回る事がある。
- Dfc
Dfbの条件を満たしつつ、月平均気温10℃以上の月が3か月以下かつ最寒月が-38℃以上で、長い冬と短い夏がある。
- Dfd
Dfcの条件を満たしつつ、最寒月が-38℃未満。植生は限りなくツンドラに近く、最寒・最暖月の気温差が約50℃に達する。
余談
日本では、富士山山頂の1月の平均気温は約-18℃と、非常に寒さが厳しいが、夏でも月平均気温が10℃以上にならない為、ツンドラに分類され、永久凍土に覆われる。
Dfc,Dfdは北緯60度以上(高緯度)で見られ、日本列島のような中緯度では、高山地帯を除いて見られない。
また、南半球に亜寒帯は存在せず、チリ最南端のプンタ・アレーナスは寒流の影響で夏でも平均気温が10℃程度だが、海洋性気候である為、冬でも亜寒帯に分類されるほど気温は下がらない。