トム・ソーヤーの冒険
とむそーやのぼうけん
アメリカのミシシッピー川沿いの小さな田舎町を舞台に、主人公のトムは、親友のハックら仲間たちと共に冒険や珍騒動を繰り広げる。イカダで冒険に出て死んだと思われて行われた自分たちの葬式の最中に帰ってきたり、インチキ行商人が売る「病気にならない薬」を手に入れようとしたり、旅回りの劇団の芝居を見ようと死に物狂いになったり、村に不時着した気球に乗ろうと躍起になるなど、自分の欲望にとことんストレートなトムは、さまざまな冒険に挑む。
『トム・ソーヤーの冒険』の結末で、盗賊の金貨を発見したハックとトム。発見した金貨は二人で折半ということになり、ハックの取り分はサッチャー判事の預かりとなった。宿無しの浮浪児であったハックは、金貨の管理人となったダグラス夫人の養子として、屋敷に住むことになった。
しかし、自由に生きてきた宿無しハックは学校に行かされ礼儀作法を学ばされる生活を息苦しく思う。
そんな彼が主役の続編(スピンオフ)が『ハックルベリー・フィンの冒険』である。
この作品の中でもっぱら極悪人として描かれる『インジャン・ジョー』は正式名称ではない事に留意。本当の彼の名前は『インディアン・ジョー』。白人とネイティブアメリカンのハーフでこの『トム・ソーヤーの冒険』もあくまで白人の子供トムとその町の人々の目線から描かれたもの。そしてその原因は『「インディアンの血」「インディアンの暴力的な文化」「復讐心の強いインディアンの性質」』と何度も書かれている。インディアン戦争(民族浄化)の真っ最中に描かれた作品であり、当然ながらネイティブアメリカンの子孫達からは特に強い批判を受けているのは有名な話。『インジャン・ジョー』がトムに告げた最後のセリフがこれ。
『俺が君を殺すだって?まさか本気でそんなことを思っているんじゃないだろうな?なんで俺が君を殺さなきゃならないんだ?罪のない子供を…』
「世界名作劇場」の第6作目に当たる。1980年1月より放送された。