概要
マーク・トウェインが出版したアメリカ合衆国の小説。『トム・ソーヤーの冒険』の登場人物ハックルベリー・フィンを主役とした続編(スピンオフ)だが、人種差別問題等も扱っており高い評価を得ている。
あらすじ
『トム・ソーヤーの冒険』の結末で、盗賊の金貨を発見したハックとトム。発見した金貨は二人で折半ということになり、ハックの取り分はサッチャー判事の預かりとなった。宿無しの浮浪児であったハックは、金貨の管理人となったダグラス夫人の養子として、屋敷に住むことになった。
しかし、これまで自由に生きてきた宿無しハックは学校に行かされ礼儀作法を学ばされる生活を息苦しく思う。
そんな折に行方をくらましていたアル中の彼の父がセント・ピーターズバーグに現れ、強引にハックを連れ去ってしまう。折を見て自らの死を偽装し、首尾よく父親の元から逃げだしたハックは、ワトソン家の使用人である黒人のジムと再会する。ジムは、ワトソン家の主人が彼を南部に売ろうと計画していたのを立ち聞きし、逃走してきたのだった。
奴隷制を廃止した自由州(北部)へ向かうというジムと共に、イカダでミシシッピー川を下り始めるハック。当時、アメリカで奴隷は白人の所有物とされており、その逃亡を助ける行為は犯罪とされていた。
浮浪児でありながらも白人の子どもであったハックはジムの行いに疑問を感じていたが(これはいくらか奴隷容認派が流したデマを信じていた面が大きい)、イカダに乗り込んできた公爵とルイ17世を騙るペテン師二人組に振り回される中、ジムの人間性と「非道な父から逃げる自分と奴隷商人から逃げるジムに何の違いがあるのか」と自分達の境遇を思い直し、彼はジムを救おうと奔走する。