概要
オオクワガタ属(ドルクス属)・オオクワガタ亜属に分類されるクワガタの総称。及びそのうちの1種。
全種に共通し、真っ黒で横幅が広いガッチリとした体型が特徴。
雄は中央に1対の大きな内歯(突起)があるカーブした大顎を持ち、頭盾は幅広い。
雌や小型個体の雄の上翅には筋が入る種が多い。
かつてのクワガタブームを巻き起こした立役者とされており、その姿から今も昔も愛好家も多く、昆虫業界の中心にいる亜属と言っても過言ではない。
ヒラタクワガタやコクワガタ、アカアシクワガタなども亜属は別だがオオクワガタ属に分類されている。
種としてのオオクワガタ
日本を代表するクワガタムシの1種。
学名は「Dorcus hopei binodulosus」。
ホペイオオクワガタの日本・朝鮮半島亜種で、亜種名は二つの隆起を持つという意味。
原名亜種(ホペイ)と比較して内歯が横向きになる。
- 後述の甲虫王者ムシキングの学名でもわかる通り、生物学上の階級が「種」になったり「亜種」になったりしている。
日本以外では朝鮮半島と中国の黄河周辺以北に分布しているとされる。
ちなみに朝鮮半島の個体群は日本産よりもやや小さいとのこと。
生息地域はブナ帯の原生林やクヌギの台木(台場クヌギ)林に集中し局所的。主に大木の樹洞などに隠れている。ガッシリとした体つきで力も強いが、臆病で大人しい(大型クワガタは気の荒い種類が多くこの性質はかなり珍しい)性格で、危険を感じるとすぐに隠れてしまう。体が丈夫で非常に成虫寿命が長い(2~4年ほど。飼育下では5年以上生きる個体もいる)。
※ちなみにオオクワガタ亜属でもグランディスオオクワガタなど外国産の種は気性が荒い個体が少なくない。
意外にもクワガタムシの中では肉食傾向が強い種であり、飼育下ではラードのような動物性の脂肪やタンパク質を食べる他、相対的に戦闘力が低い割に好戦的なノコギリクワガタなどの他種のクワガタムシを捕食する事も有る。
大人しいとは言え、手頃な餌と判断されれば容赦無く捕食してしまうのだ。
バブル景気の頃にクワガタブームに火をつけたのはこの種。当時は"黒いダイヤ"などともてはやされたが、現在は飼育下繁殖技術が確立され、養殖も盛んに行われている事からサイズにこだわりがなければ低価格で購入でき、飼育も容易な身近なクワガタとなっている。
一方、野生のオオクワガタは乱獲や生息環境の破壊により、現在は絶滅危惧種Ⅱ類に設定されている。
またヒラタクワガタ同様近縁種が多く、交雑に伴う遺伝子汚染が多い。
自然下ではコクワガタとの交雑個体(通称オオコクワガタ)も時々見つかっている。
この交雑種は繁殖能力を持つものの幼虫死亡率が高い上に性別が極端に♂に偏る。
他の主な種
ホペイオオクワガタ(D hopei)
中国に分布。日本のオオクワガタは本種の亜種。詳細は当該記事参照。
グランディスオオクワガタ(D grandis)
ヒマラヤ山脈西部〜インドシナ中央部、台湾に分布。世界最大のオオクワガタ。台湾のものは亜種タイワンオオクワガタ(ssp.formosanus)に分類される。詳細は当該記事参照。
クルビデンスオオクワガタ(D curuvidens)
ヒマラヤ山脈西端〜インドシナ中央部にかけて分布。
詳細は当該項目を参照。
パリーオオクワガタ(D ritsemae/parryi)
マレー半島~インドネシア、フィリピンに分布。現在の学名からリツセマオオクワガタとも。詳細は当該記事を参照。
アンタエウスオオクワガタ(D antaeus)
主にヒマラヤ西端〜インドシナ中央部、マレー半島にかけて分布。詳細は当該記事を参照。
シェンクリングオオクワガタ(D schenklingi)
台湾に分布。シェンクリンオオクワガタとも。
細くて鋭い大アゴが特徴で、コクワガタを大きくしたような見た目をしている。オオクワガタの仲間としては比較的気性が荒く、性質はむしろヒラタクワガタに近い。
6〜9月ごろに主に標高1000〜2000mのブナ科の木の樹液に集まるとされる。
生息域を共有するタイワンオオクワよりも優位な力関係にあるとされ、両種ともに台湾の天然記念物に指定されている。
甲虫王者ムシキングシリーズでのオオクワガタ
5種類が参戦している。
オオクワガタ
最初期より参戦。つよさ140のディフェンスタイプ。必殺わざはグー。
体長75mm(天然個体のギネス記録!)
肩書きは「日本(にっぽん)の英雄(ヒーロー)」と日本代表のクワガタムシ扱いされており、英語版では「Japanese stag beetle」
超必殺わざは2006夏ネイチャーまでとフィギュア付属品と3Ⅾキャンペーンカードでは「ドラゴンアタック」。「2006ダイナミックスタンド」で一旦排出を停止、その後「フォレストグリーン」で超必殺わざが「タツマキ」に変更されており、究極必殺わざ「スーパータツマキ」も同時に登場した。
※なお旧バージョンのカードであれば、エレファスゾウカブトの復活と当時に登場した「スーパードラゴンアタック」を究極必殺わざとして使用することも可能。
- アダー完結編以前ではバーコードの種類が最多。
なお、カードに表記される学名が、2004ファースト拡張パックまで(フィギュア付属品含む)は「Dorcus curvidens hopei」→2004セカンドからフォレストグリーンまで(20063Dキャンペーンカード含む)は「Dorcus curvidens」→2007夏シャイニングから以降「Dorcus hopei binodulosus」と、分類が見直されるに従って変わっている。
- ホペイオオクワガタが登場するまでは「亜種だけ登場している」甲虫と言えた。
新甲虫王者ムシキングでは2015 2ndより参戦。階級はR、肩書きは「日本(にほん)の英雄(えいゆう)」と読み方が微妙に変更されている。必殺技は「タツマキ」だが旧作とは全く違うわざになっている。
2015 3rdではコーカサスオオカブトと共にイベントバトルでSRに覚醒できるようになり、肩書きが「漆黒の顎(あぎと)」、必殺わざも「スーパータツマキ」に変わる。
残念ながら技のシステムが旧版と異なるため究極必殺わざという括りではないが。
そしてやはり旧作とは全く違うわざになっている。
次世代WHFにて中学生以下限定で先行覚醒ができ、2016年2月15日をもって筐体で覚醒できるようになった。
超神化1弾では新レアリティ「GR」が登場。肩書きは「目覚めるガイア」、必殺技は「ガイアブレス」。緑色の紋章をまとう。
コロツアーで配布されるプロモカードは筐体排出のものとおたすけ相性およびステータスが違う。
グランディスオオクワガタ
最初期より登場。詳細は当該記事参照。
パリーオオクワガタ
5周年コレクションカードにて登場。詳細は当該記事参照。
ホペイオオクワガタ
2007年発売のDSソフト「甲虫王者ムシキング スーパーコレクション」にて特典カード7枚のうちの1枚として登場。詳細は当該記事参照。
- ステータスは「オオクワガタ」と全く同じ。
アンタエウスオオクワガタ
新甲虫王者ムシキング 激闘1弾にて登場。詳細は当該記事参照。
関連項目
ヒラタクワガタ/コクワガタ/アカアシクワガタ…同属(ドルクス属)
ヒメオオクワガタ…同属。なおオオクワガタよりも、むしろアカアシクワガタに近い仲間である。
エレファスゾウカブト…旧ムシキングで変更前の必殺技が同じ
ムシキング、ミヤマクワガタ、セアカフタマタクワガタ…オオクワガタと同様に、究極必殺わざが使える中型甲虫たち。