概要
ヒマラヤ西部〜インドシナ中央部、マレー半島を主な分布域とするオオクワガタ属のクワガタムシ。
最大90mmを超えるグランディスオオクワガタと並ぶ世界最大級のオオクワガタ。
かつてはミナミオオクワガタとも呼ばれていた。
学名は「Dorcus antaeus」。
1995年前後から始まったクワガタブームの立役者となった種で、その無骨な外見から今もなお根強い人気を持つ。
愛好家の間では通称アンテと呼ばれ産地によって大アゴの形が異なるため細かく区別されている。
オスの大顎は太く強く湾曲し、オオクワガタのなかでも特に体の横幅が広くガッチリしている。
上翅には他のオオクワガタのようなスジは目立たず、体全体に光沢を持つ。
オオクワガタ(というより原名亜種のホペイオオクワガタ)やグランディスオオクワガタとは遠いグループに属し、ミトコンドリアDNAの調査からシェンクリングオオクワガタ(シェンクリンオオクワガタ)やカミジョウオオクワガタ、ツノボソオオクワガタ、カンボジアオオクワガタ(通称カンボジアドルクスsp.)に近縁ということが判明している。
標高1000m以上の涼しい環境に生息し、カシやナラといったブナ科の木の樹液に集まる。
また、グランディスオオクワガタやクルビデンスオオクワガタと分布域が重なっている地域では同じ場所で採れることも多いそうだ。
飼育、繁殖は極端な高温や乾燥には弱いため25℃以下に保つ必要がある点以外は他のクワガタに準ずる。
発酵マットと産卵木の両方に産卵し、幼虫もマットと菌糸両方で飼育可能。
ただし菌糸の方が発育が良いとされる。
オオクワガタの仲間のため成虫が完全に成熟しきるまで半年程度かかる。
亜種
3亜種に分類される。
原名亜種(ssp.antaeus)
ネパール、インド北部、ブータン、ミャンマー北西部、中華人民共和国(チベット自治区南西部)、パキスタンに分布。
飼育個体で最大93mmのものが記録されている最大亜種。
大顎内歯が最も前方を向き、体表の光沢が強い。
インドシナ亜種(ssp.miyashitai)
ミャンマー北西部、タイ北部、ラオス、ベトナム北部〜中部、中華人民共和国(チベット自治区南東部、雲南省南部、広西壮族自治区、海南島)に分布。
最大85mmのものが記録されている。
原名亜種と比較して大顎の湾曲が強く、内歯が横向きになる。
体表の光沢は鈍い。
亜種名は標本商パイネ社のオーナーである宮下哲夫氏に因む。
マレー半島亜種(ssp.datei)
マレー半島、ベトナム南部に分布。
飼育個体で最大83mmのものが記録されている。
大顎内歯の根本が幅広く、水かきのような形状をしている。
亜種名は経済学者の伊達邦春氏に因む。
甲虫王者ムシキングシリーズでのアンタエウスオオクワガタ
新甲虫王者ムシキング激闘1弾より参戦。階級はSR(旧作の強さ160~180相当)、肩書きは「無限力(むげんりょく)の巨人」。必殺技はグー、「アンタエウスインパクト」。
激闘2弾で覚醒できるようになった。覚醒後の階級はSSR(旧作の強さ200相当)、肩書きは「永久機関の大巨人」、必殺技は「アンリミテッドインパクト」に変わる。
なお、アンタエウスが覚醒できるようになったことにより、一時期グランディスオオクワガタが最強のオオクワではなくなってしまった。
超神化1弾では再登場を果たすが、お助け相性共に完全上位互換に当たるムシが登場してしまった。