概要
代表的なクワガタムシの属の一つ。一般的にはオオクワガタ属とも呼ばれる。ラテン語表記では「Dorcus」。
アジアに158種、ヨーロッパに6種、オセアニアに3種、北アメリカに2種が分布している。アジアに大半の種がいるものの南アメリカを除く世界的に広く分布していることから、本属の起源は北アメリカ大陸とユーラシア大陸が分かれる1億年以上前に遡ると考えられている。
1819年にイギリスの昆虫学者、ウィリアム・シャープ・マクレイ氏が パラレリピペドゥスオオクワガタ(ヨーロッパオオクワガタ)を基準種に分類した属だが、ヒラタクワガタ系といったかつては別属だった属を統合したり、分子系統樹等新しい研究方法によって分類が見直されたりしたため本属に共通する外見的な特徴は一概には言えないごった煮状態となっている。
本属に分類される代表的な亜属、種はガッシリとした体格のクワガタが多く、挟む力も強い。体の色は黒一色~茶色のものがほとんど。
成虫幼虫共に丈夫で比較的長生きする種が多いため、飼育(ブリード)しやすい種が多く、クワガタ飼育の入門に向いていると言われる。ただしオオクワガタ系は季節の概念を持つものが多いため温度管理が重要であり、ヒラタクワガタ系は気性が荒くオスがメスを殺してしまうことも多いためオスの大顎を結束バンド等で縛る必要がある。
日本のクワガタムシの中で知名度の高い種はこの属のものが多い。甲虫王者ムシキングでは強さ140以下の外国産クワガタムシはホペイオオクワガタとパリーオオクワガタだけだった。
- アローコクワガタやタイワンヒラタクワガタなどの外国産の小型甲虫は登場しなかった。
有名なクワガタムシや大型のクワガタムシが多いものの、アニマルカイザーには1種も登場しなかった。
亜属
7亜属に分類される。
オオクワガタ亜属(Dorcus)
代表的な種
オオクワガタ、グランディスオオクワガタ、アンタエウスオオクワガタ、クルビデンスオオクワガタ、パリーオオクワガタ等
ヒラタクワガタ亜属(Serrognathus)
代表的な種
ヒラタクワガタ、ライヒヒラタクワガタ、タウルスヒラタクワガタ、アルキデスオオヒラタクワガタ等
コクワガタ亜属(Macrodorcus)
代表的な種
コクワガタ、アマミコクワガタ、エレガントゥルスコクワガタ等
アカアシクワガタ亜属(Nipponodorcus)
代表的な種
アローコクワガタ亜属(Hemisodorcus)
代表的な種
アローコクワガタ、ネパレンシスコクワガタ、ドンキエルコクワガタ等
サビクワガタ亜属(Velutinodorcus)
代表的な種
ヤマトサビクワガタ、タイワンサビクワガタ、ルゴススサビクワガタ等
ヒメヒラタクワガタ亜属(Metallactulus)
代表的な種
ヒメヒラタクワガタ等
関連タグ
ディナステス属 : アメリカ大陸に広く分布するカブトムシのグループで甲虫王者ムシキングの中では最も種が多いカブトムシの属。甲虫王者ムシキング「2007夏シャイニング」ではディナステス属とドルクス属の甲虫だけが登場した。