概要
鞘翅目(コウチュウ目)・コガネムシ上科・クワガタムシ科・クワガタムシ亜科の属のひとつ。
学名「Hexarthrius」からヘクサトゥリス属とも。
属名は「6つの関節を持つ」という意味であり、触角の先端が6節になる特徴を示している。
和名は本属の基準種パリーフタマタクワガタの大顎の先端が二股に分かれていることから由来している。
しかし大アゴが二股になっていない種類も多く、また本属特有の特徴でもなく、誤解を召しやすい名称である。
ノコギリクワガタ属やシカクワガタ属とは近縁と考えられている。
総じて非常に凶暴で、ケンカ好きな種が多い。しかし気が短く、激しい反撃を受けたり膠着状態になると戦意を喪失して退散する場面が多いため豆腐メンタルと呼ばれることもある。(ただし、これは個体差によるところも大きいようで、激しい戦いでも戦意が持続するものも普通にいる。また他の属のクワガタでも見られる行動のため本属特有の性質かは微妙。)
主な種
雑誌『ビー・クワ39号』では本属に属するクワガタは16種とされている。
ただし本誌には交雑種であるキルヒナーフタマタクワガタとアンドレアスフタマタクワガタが含まれており実質は14種である。
インド〜インドシナ、東南アジアに分布しており、日本に分布する種はいない。
パリーフタマタクワガタ(H parryi)
インド〜マレー半島、インドネシアに分布する本属の代表種。セアカフタマタクワガタとも。
詳細は当該記事参照。
ブケットフタマタクワガタ(H buqueti)
ジャワ島に分布。カニガタフタマタクワガタとも。
パリーフタマタを真っ黒にしたような種で、別名は大アゴの先端が綺麗に二叉になり、蟹の鋏のように見えることから名付けられた。
世界文化社の『外国産クワガタ・カブトムシ飼育大図鑑』によると2〜6月にダダップの木にてダイオウヒラタクワガタと共に得られるとされている。
安価で流通量は多い。
マンディブラリスフタマタクワガタ(H mandibularis)
本属最大種であり、クワガタ全体で見ても世界最大級である。
詳細は当該記事参照。
リノケロスフタマタクワガタ(H rhinoceros)
インドネシアに分布。詳細は当該記事参照。
ホーデンフタマタクワガタ(H howdeni)
本属中唯一フィリピン(ミンドロ島)に分布する種で、最大記録は63.0mmと小型。
大顎は短く、上翅には艶がある。
ハルコン山の標高1000m以上に生息し、珍品とされる。
ボーリンフタマタクワガタ(H bowringi)
本属中最も西北端に分布する種で、大顎基部(根本)が太く発達し、端が尖った四角い内歯を持つ。
体色は濃い赤茶〜ワインレッド。
標高1000〜1500mに生息するとされる。
インドのアルナーチャル州の個体は大顎がより直線的で、基部内歯が発達するため亜種バミノルム(ssp.baminorum)に分類される。
フォルスターフタマタクワガタ(H forsteri)
詳細は当該項目を参照。
メルキオリティスフタマタクワガタ(H melchioritis)
インド東部、ミャンマー北部に分布。
フォルスターに近いが鋸歯を持たず、一見するとマンディブラリスを小型にしたような姿をしている。
大顎の湾曲具合は真っ直ぐなものから強く湾曲するものまで個体差が大きい。
体色は黒褐色〜ワインレッド。
標高600〜1100mに生息するとされる。
ムニスゼッチフタマタクワガタ(H mniszechii)
インド東部、ミャンマー北西部に分布。
メルキオリティスの近縁種で姿も似ているが、大顎基部下側に下向きの内歯を持たない点と大顎が角ばっている点で判別できる。
体色は黒色。
標高600〜1100mに生息するとされる。
甲虫王者ムシキングシリーズでのフタマタクワガタ属
4種が登場している。
セアカフタマタクワガタ
最初期より登場。詳細は当該記事参照。
マンディブラリスフタマタクワガタ
2004ファーストより登場。詳細は当該記事参照。
フォルスターフタマタクワガタ
2006フォレストグリーンより登場。詳細は当該項目を参照。
リノケロスフタマタクワガタ
新甲虫王者ムシキング激闘6弾より登場。詳細は当該記事参照。