概要
飼育下にて94.5mmの個体が記録されているアフリカ大陸最大のクワガタムシ。タランドスオオツヤクワガタ、タランドゥスツヤクワガタ、アフリカクロツヤクワガタとも。
和名にツヤクワガタと付いているがツヤクワガタ属とは近縁ではなく、本種のみでオオツヤクワガタ属(Mesotopus)を形成している。
雌の大顎の形状や幼虫の食性からオウゴンオニクワガタ属と近縁とされている。
学名は「Mesotopus tarandus」。
種小名はトナカイ座を意味する。
基準産地はアフリカ西部・シオラレオネだが日本ではコンゴ民主共和国のものが飼育品として流通している。
横幅のあるがっちりとした体型と大きく湾曲した大顎、漆塗りやエナメルに形容される「全身が黒光り」している体色が特徴。
この光沢は周囲の物が映り込んでしまう位ピカピカで、周囲の景色を鏡の様に映す事で景色に溶け込み姿を隠す保護色であると考えられている。
また、天敵の鳥類が光の反射を嫌うため防衛も兼ねているとも推測されている。
興奮すると頭を揺らし、携帯電話のバイブレーションの様な音を出す。
飼育は難しいとされていたが、オウゴンオニクワガタ同様カワラ菌糸により容易に繁殖出来る様になった。長生きな為オウゴンオニより飼いやすい。
スマトラオオヒラタクワガタやマンディブラリスフタマタクワガタなどといった他の凶暴な大型クワガタと異なり自分から相手を襲うことはあまり無いが、決して温和なわけではなく、身の危険を感じると即座に反応しカウンターをかます。これがタランドゥスの戦い方である。
レギウスオオツヤクワガタ(f.regius)
カメルーン、ギニア、ガボン、コンゴに分布。独立種や亜種とする文献やサイトあるが、現在のところはタランドゥスの地域差という意見が大方を占めている。
タランドゥスと比較して細身で、大あごが長く真っ直ぐに伸びる。
余談だがコンゴ、ルワンダ、ウガンダ、アンゴラのタランドゥスをインペラトールオオツヤクワガタ(M imperator)とする説もあるがこちらも否定的な意見が多い。
通称赤レギウスと呼ばれる赤みがかった個体やその体色を固定した血統も存在する。
この体色は、極低確率で起こる羽化直後の赤い体色が抜けないまま固まる現象によるものもしくは生まれつき体色を構成する色素が薄いものと推測されており、血統として固定されているように劣性遺伝ではあるものの遺伝することが確認されている。
なお黒いクワガタムシ全般に一定数このような個体は出現し、血統として出回っているものだとマンディブラリスフタマタクワガタ、ティモールギラファ(ギラファノコギリクワガタ東ティモール亜種)のそれが知られている。
しかし羽化して体が固まりきった個体は肉眼で見ても気持ち赤い程度でしかないため、このような体色になるレギウスやギラファなどの血統を出品しているブリーダーは羽化直後の内臓が完成しておらずストレスに非常に弱い状態の個体を売っていることやインターネット販売の場合画像加工をしていることもあるため注意が必要だ。
メディアでの扱い
メンタル、パワーともに強いため最強のクワガタの候補とされがち。
特に太短い大顎は強力なパワーを発揮することができ、とあるTwitterユーザーからはスマートフォンを挟ませたところ画面をバキバキに割ったというとの投稿も成されている。
世界最強虫王決定戦
肩書きは「アフリカの黒い宝石」。
大顎の力も強力だが、むしろ脚力や押す力に長けており、重心の重さもあり押し出す力で勝る相手やリーチがさほど劣らない相手には滅法強い。
甲虫王者ムシキングシリーズ
タランドゥスツヤクワガタを参照。なお『ムシキングバトル!合虫ガッツ!』ではタランドゥスオオツヤクワガタでの表記で登場している。
関連イラスト
関連タグ
オウゴンオニクワガタ:幼虫も同じ様にサルノコシカケ類に分解された木を好む
メンガタクワガタ : アフリカに生息する小型クワガタ
ケンタウルスオオカブト:アフリカ最大のカブトムシ