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ノコギリクワガタ

のこぎりくわがた

ノコギリクワガタとは、クワガタムシの一種。また、「ノコギリクワガタ属(プロソポコイルス属)」に分類されるクワガタムシの仲間の総称。
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概要編集

名前の通り、大顎の内側にノコギリのような内歯(突起物)があるクワガタムシの仲間。およびそのうちの1種。

学名(Prosopocoilus)からプロソポコイルス属ともいう。

基準種はブッダノコギリクワガタ。

小型個体の大顎根本に内歯を揃えることと、前胸背板に竜骨状の突起を持つことがすべての種に共通する特徴である。


アジアからアフリカに広く分布する。

クワガタの中では長生きな部類に入るが、オオクワガタ属と比較すると寿命は短め。


近年、本属に分類されていた種の一部をシカノコギリクワガタ属(Kirchnerius)ノコギリヒラタクワガタ属(Epidorucus)として分ける研修者もいる。

分子系統解析ではこれらの2属はオオクワガタ属に比較的近縁で、対してノコギリクワガタ属はオオシカクワガタ属やフタマタクワガタ属に近いとされている。


種としてのノコギリクワガタ編集

日本を代表するクワガタムシの1種。大型個体は体長70mm程度になる。

学名はProsopocoilus inclinatus

種小名は「傾斜がある」という意味であり、その名の通り大型個体の大顎はその形状から水牛との別名があるほど大きく屈曲している。

逆に小型個体は直線的に伸び、文字通りノコギリのような形状になり、このような個体は「コンパス」、「ピンノコ(水ピン)」などとも呼ばれる。

カブトムシ同様気性が荒く、闘争本能も強いので他のクワガタムシやカブトムシに果敢に戦いを挑む。

飼育の際はケースに(特に雄を)複数飼いすると場合によっては殺し合いをしかねないので、基本的には個別に1つのケースに1頭で飼うのが望ましい。

特にオオクワガタとの同時飼育は厳禁で、気性は大人しいものの肉食傾向が強いオオクワガタにとって、好戦的で自分達より攻撃力も防御力も劣るノコギリクワガタの雄は餌が自分からやって来たも同然であり、オオクワガタ側が血肉を求める状況だとあっさり捕食されてしまう。


成虫寿命は1年~1年半程だが、そのうち大半は休眠期間を占めており、活動開始してからは3ヶ月程しか生きないとされる。


幼虫は菌糸とマット両方で育てることができる。


亜種編集

7亜種に分類される。


原名亜種(ssp.inclinatus)

北海道本州に分布。本土ノコギリクワガタとも。


ミヤケノコギリクワガタ(ssp.miyakejimaensis)

御蔵島を除く伊豆諸島(新島式根島神津島三宅島)に分布。


ミクラノコギリクワガタ(ssp.mikuraensis)

御蔵島に分布。ミヤケノコギリと同亜種とする説もある。

御蔵島での採集規制条例施工後に記載された亜種の為、入手は非常に困難。


クロシマノコギリクワガタ(ssp.kuroshimaensis)

鹿児島県(黒島)に分布。


ミシマイオウノコギリクワガタ(ssp.mishimaiouensis)

鹿児島県(硫黄島)に分布。

決して太平洋戦争自衛隊の基地があることで有名な方の硫黄島ではない。


クチノエラブノコギリクワガタ(ssp.kuchinoerabuensis)

鹿児島県(口之永良部島)に分布。


ヤクシマノコギリクワガタ(ssp.yakushimaensis)

鹿児島県(屋久島)に分布。

2014年に新亜種記載された。


その他の国産ノコギリクワガタ編集

リュウキュウノコギリクワガタ(P dissimilis)

奄美大島沖縄諸島に分布。7亜種に分類される。

詳細は当該記事参照。


ハチジョウノコギリクワガタ(P hachijoensis)

八丈島に分布。

あまり大型にならず、多くは先述の「コンパス」個体のような大顎をしている。

研究者によってはノコギリクワガタの1亜種として扱う見方もある。


ヤエヤマノコギリクワガタ(P pseudodissimilis)

八重山諸島に分布。

研究者によっては台湾に生息するタカサゴノコギリクワガタの1亜種とする説もある。


海外のノコギリクワガタ編集

ここでは代表的な種を挙げる。


ギラファノコギリクワガタ(P giraffa)

世界最大のノコギリクワガタ。詳細は当該記事参照。


コンフキウスノコギリクワガタ(P confucius)

インド北東部、ミャンマー北部、中国南部、ベトナム北部に分布。

種小名の由来は孔子から。

ギラファに次いで大きい種で、大顎もギラファの内歯を取り除いたような形状をしていることから近縁種と考えられている。

羽化後の休眠期間が長いとされる。


アスタコイデスノコギリクワガタ(P astacoides)

アカノコギリクワガタとも。

体長80~90mm程度。東アジア~東南アジアに広く分布。体は美しい朱色をしているが、死ぬと黒ずむ。オスは非常に凶暴。


ファブリースノコギリクワガタ(P fabricei)

インドネシアペレン島スーラ諸島に分布。上翅の美しい模様が特徴。

詳細は当該記事参照。


ハスタートノコギリクワガタ(P hasterti)

ソロモン諸島に分布。ノコギリクワガタの仲間にしては大あごが短く、ガッチリした体型が特徴。

詳細は当該記事を参照。


ウォレスノコギリクワガタ(P wallacei)

インドネシアのハルマヘラ島セラム島に分布。上翅には光沢があり、クリーム色の帯が入る。ハスタート同様ノコギリクワガタとしてはガッシリとしたヒラタクワガタにも似た体型をしている。


サバゲノコギリクワガタ(P savagei)

アフリカ大陸中部~東部に分布。大顎が赤く、前胸背板を中心に体の中央に赤い模様がある。種小名は「野蛮、野生」を意味し、その名のとおり凶暴な性格。


甲虫王者ムシキングシリーズにおけるノコギリクワガタ属編集

8種が登場している。


ノコギリクワガタ編集

初期シリーズより登場。

強さは120。性格はアタックタイプ。必殺技はチョキ。

肩書きは「ノコを持つサムライ」。

超必殺わざは突進してきた相手をアゴではじき、ひるんだ隙に横から挟み、引きずった後にジャンプして地面に叩きつける「ランニングカッター」。

究極必殺わざ「スーパーランニングカッター」は相手をはじき、横から挟んだ後、徐々に加速しながら引きずりまわし、相手が完全に弱ったところでジャンプして地面に叩きつける。


タッグマッチで『ファブリースノコギリクワガタ』と組むとタッグ名「120SAWS」が表示され、ランニングカッターをした後、叩きつけた反動で吹っ飛ぶ相手をファブリースノコギリクワガタが掴み、後方に叩きつける合体超必殺技「ランニング・ハヤブサ」と、2匹で走りながら相手をラグビーボールのように投げ合い、地面に叩きつける合体技「ビクトリートライ」が使用できるようになる。

ちなみに、ノコギリクワガタのつよさが120であるからこのタッグ名であろうことが推測できるが、ファブリースノコギリクワガタはつよさ100である

なお、上記の合体超必殺わざ、合体技はアダー完結編ではノコギリクワガタにファブリースをカスタマイズすると発動した

新甲虫王者ムシキングでは2015 1stから登場。カブトムシなどと並んで1st、2nd両方に登場する数少ないムシである。階級はR。

とあるカップで優勝するとSRに覚醒し、肩書きが「わざを極めし武士(もののふ)」、技も「スーパーランニングカッター」になる。

残念ながら技のシステムが旧版と異なるため究極必殺技という括りではないが。

またマスコットキャラクター「コジロー(CV:小西克幸)」のモデル。

激闘6弾ではついにコジローがムシカードとして参戦。レアリティはN。

超神化1弾では新レアリティ「GR」が登場。肩書きは「荒ぶるセイリュウ」、必殺技は「アオキセンプウ」。青色の紋章をまとう。


ギラファノコギリクワガタ編集

最初期から登場。詳細は当該記事参照。


ジョー編集

学年誌の付録カードになった固有名詞付きノコギリクワガタ。詳細は当該記事参照。


ファブリースノコギリクワガタ編集

2004セカンドプラスから登場。詳細は当該記事参照。


ハスタートノコギリクワガタ編集

2005ファーストから登場。詳細は当該記事参照。


ウォレスノコギリクワガタ編集

2006ファーストから登場。詳細は当該記事を参照。


サバゲノコギリクワガタ編集

アダー完結編から登場。新ムシキングには未登場。必殺技は「(スーパー)ギコギコスラッシュ」。


アスタコイデスノコギリクワガタ編集

アダー完結編から登場。新ムシキングには未登場。必殺技は「(スーパー)180-180(ワンエイティトゥワンエイティ)」。


ギラファケイスケレッド編集

新ムシキングより登場。詳細は当該記事参照。


関連タグ編集

クワガタムシ亜科

クワガタムシ ギラファノコギリクワガタ

カブトムシ:ライバル


マンディブラリスフタマタクワガタ:「水牛の角のような大アゴ」という意味の名をもつクワガタムシ。ちなみにフタマタクワガタ属は比較的ノコギリクワガタ属に近い仲間である。

シカクワガタ属:こちらもノコギリクワガタ属に近縁な仲間。またシカクワガタの一種「スペキオシスシカクワガタ」は旧ムシキング(5周年コレクションカードまで)で必殺技が同じ。


外部リンク編集

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クワガタムシ亜科 くわがたむしあか

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