概要
学名は「Prosopocoilus savagei」。
小種名は「野蛮、野生、残虐」を意味し、その名が示す通り気性が荒い種である。
正しい名称はサベッジノコギリクワガタ、サヴィッジノコギリクワガタだが、表記ゆれの方の名称が浸透している。
体長は最大で60mm程度となる中型種である。
頭部の中央、前胸の両脇、上翅には橙色の紋様が入り、脚も橙色を帯びる。
大顎は前方に伸びて先端で湾曲し、色は暗い赤褐色を帯びる。内歯は大小が乱雑に並び、本属のクワガタの中でも特に刺々しさを感じる外観となる。
メスにも同じように橙色が入り、艶を帯びる。
亜種についてはカメルーン南西の個体群を指してssp.surturと記載されているが、ビー・クワのノコギリクワガタ特集号や世界のクワガタムシ大図鑑では亜種分けされておらず、詳細は不明である。
羽化後の休眠期間は4〜6ヶ月と長めである。これは、生息地で羽化後の乾季をやり過ごして雨季に活動できるようにするためだと考えられている。(本種に限らず、アフリカ原産のクワガタは羽化後の休眠期間が長い。)
国内で流通する個体はカメルーン産がほとんどである。
先述の刺々しい見た目と派手な色合いから飼育人口は多く、タランドゥスオオツヤクワガタ、メンガタクワガタ、ミラビリスノコギリクワガタと合わせてアフリカを代表するクワガタとして扱われる。