概要
南アジアに分布する、野外で最大97.1mmの個体が確認されている大型のクワガタの一種。和名はオオシカクワガタ、ウエストウッドオオシカクワガタ及びウエストウッディオオシカクワガタ。
当記事ではpixivのタグで使われている通称を使用している。
学名は「Rhaetus westwoodi」。
シカクワガタと付いているがシカクワガタ属(Rhaetulus)ではなく一属一種のオオシカクワガタ属(Rhaetus)に属している。
なお、記載当初はフタマタクワガタ属(Hexathrius)で記載されたが、その後オオシカクワガタ属が新設され分けられた。
雄は光沢のある黒色の体と、大きく湾曲した長い大顎が特徴。
雌はボーリンフタマタクワガタやフォルスターフタマタクワガタといった南アジアに分布するフタマタクワガタのそれに近い外見をしているが、触角の片状節の数で容易に見分けられる。
雑誌『ビー・クワ31号』では標高1500m以上の山岳地帯に生息し、6〜8月にカシなどの樹液に集まることが記述されている。
その見た目と希少価値からクワガタの王様、クワガタの最高峰と呼ばれ、昆虫業界ではカブトムシのヘラクレスオオカブトと人気を二分し、20万円弱〜数十万円で取引されている。ヘラクレスの血統ものの個体が同程度の価格で取引されるため、まさしく業界トップの君臨する知名度、人気を誇っていることが窺える。
雄は最大100㎜を超える個体が野外で確認されているとの噂があるが、そのような個体には一体どれだけの値が付くのだろうか…
亜種
2亜種に分類される。
原名亜種(ssp.westwoodi)
大顎先端寄り1/3付近に大きな内歯(突起)を持ち、その前後に鋸歯(小さなギザギザした内歯)を有する。
大顎先端付近にも上方を向いた内歯を持つ。
亜種カズミアエ(ssp.kazumiae)
野外最大82.4mmと原名亜種と比較して小型。
大顎が細く、原名亜種よりも大きな内歯が長い。
大顎先端の内歯は持たない。
飼育
フタマタクワガタやシカクワガタと同じ材(朽木)に産卵するタイプのクワガタのため飼育にはベトナム材や砂埋め霊芝材など質の良い産卵材が不可欠。
幼虫期間は小型個体は1年、大型個体は2年。羽化後約1年休眠する。つまり幼虫が生まれてから産卵できるようになるまで計最長3年かかる。このことも価値に拍車をかけている。
雑誌『ビー・クワ60号』にて本種の飼育記事が載せられている。
ちなみにヘラクレスと何かと比較されがちなギラファノコギリクワガタは最大亜種のケイスケ亜種で数千円、最も貴重なニルギリ亜種ですら数万円のため本種の足元にも及ばない。これはギラファがインドネシア等で大量に採集、輸入されてくることや、甲虫王者ムシキングなどのエンターテイメント作品により一般知名度が高まった種であり外国産カブトムシクワガタの輸入解禁当初は業界的な需要があまり無かったためと思われる。
ただしギラファのケイスケ亜種でも115mmを超える特大サイズでは数万〜10万弱もの値が付くことがある。
飼育(繁殖)ではこちらの方がハードルが低く、大型個体を量産できればコスパ的にはギラファの方が安く済んだりする。
また、同様のことはパラワンオオヒラタクワガタやマンディブラリスフタマタクワガタといった同格の大型クワガタにも言えると思われる。
真のクワガタの王者はどいつだ!?
メディアでの扱い
新甲虫王者ムシキング
最初期の2015ファーストより「オオシカクワガタ」の名で登場。また「Vガジェ&カードセット水」封入。
旧作未参戦の甲虫としては初の新規参戦となった。
肩書きは「高層の支配者」、階級はSR。必殺技はチョキ、「オオシカスクリュー」。性格はディフェンス。
グラフィックのモデルになっているのは亜種カズミアエと思われるが、技術的な問題かあまり実物に似ていない。
激闘1弾以降は「ウエストウッドオオシカクワガタ」に名義が変更されるほか、同弾イベントでSSRに覚醒する。
覚醒後の肩書きは「ヒマラヤの覇王」、必殺技は「アヴァランチスクリュー」。
こむしちゃんのかんづめ
24弾にてウエストウッディクワガタという名称で登場。塗装無し(黒)と金メッキ、銀メッキカラーのものが収録された。