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パリーフタマタクワガタ

ぱりーふたまたくわがた

鞘翅目(コウチュウ目)・コガネムシ上科・クワガタムシ科・フタマタクワガタ属の昆虫。フタマタクワガタ属の基準種にして代表種。
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概要編集

フタマタクワガタ属の代表種にして基準種。南アジア東南アジアに分布。セアカフタマタクワガタとも。昔の図鑑ではカドアゴミヤマクワガタという名称が使われていたこともあったが、本属はミヤマクワガタと近縁というわけでもない。

学名はHexathrius parryi


雄は頭部に2つの隆起を持つのと大顎が太短く強く湾曲するのが特徴で、和名のセアカにあるように上翅の後ろ半分が赤褐色になり美しい。一方雌は全身黒一色。

フタマタの名が示す二つに分かれた大顎の先端は大型個体ほど太く、鋭利に湾曲する。小型の雄は頭部の隆起や先端の二股が小さくなる。

雄は喧嘩の際に大きく二つに分かれた大顎の先端で相手をがっしりと掴み、投げ落とす戦法を得意とする。

そのがっしりとした無骨な体格と美しい模様から外国産クワガタとして人気が高く、インドネシアから大量に輸入されるためスマトラ島産のものは安価で流通している。

雑誌『ビー・クワ39号』では現地では3月〜10月頃が成虫発生時期で、標高1000m前後に生息するとされている。


気性は非常に荒く、雌でもよく喧嘩するほか、雄が雌を殺すこともあるため、飼育の時は注意が必要。一方でフタマタクワガタの例に漏れず豆腐メンタルな一面も。

フタマタクワガタの中ではブリードもしやすく、入門種とも言われる。

幼虫は菌糸ビンでも発酵マットでも問題なく成長するが、雄はやや容量依存の傾向があるため大型の容器を用意すると大きく育つ。また、フタマタクワガタの例に漏れず蛹の時期に高温環境下だと死亡する場合が稀にあるので、やや低温での飼育が望ましいとされる。


同じフタマタクワガタの仲間であるマンディブラリスフタマタクワガタとは分布域が近く、セアカマンディ(セアカマンディブ)あるいはキルヒナーフタマタクワガタと呼ばれる雑種が生じることもある。

分布域が重なるマンディブラリスやリノケロスフタマタクワガタの雌は同定がやや難しく、野外品の(ワイルドと呼ばれる)本種として売られているペアの雌が間違って別種のフタマタクワガタの雌になっていることもある。


亜種編集

4亜種に分類される。


原名亜種(ssp.parryi)

中国南西部〜インド北東部に分布。野外最大記録は85.0mm。

大顎が全亜種中最も太短く、上翅の模様が広い。日本での生体流通は皆無。


亜種ディロレイ(ssp.deyrollei)

タイ北部、ミャンマー南東部に分布。最大記録は86.5mm。

上翅の模様が透明感のあるクリーム色をしている。最大でも84mm程度と本種の中では小型。日本でも生体が流通している。


亜種パラドクサス(ssp.paradoxus)

マレーシアインドネシア(スマトラ島)に分布。最大記録は96.0mm。

最も大型になる亜種で頭部の隆起も大きい。

特にスマトラ島の個体は顕著に隆起する。

現地ではクスノキ科の木に集まり、枝先によく止まっているとされる。

スマトラ島産が大量に輸入されるため安価に入手できる。


亜種エロンガトゥス(ssp.elongatus)

ボルネオ島に分布。最大記録は93.0mm。

脚や裏側が赤くなる傾向にある。ディロレイやパラドスサスと比較して流通は少なく、日本で流通している亜種のなかでは最も高価である。

野外での最大サイズは91mm。飼育個体は93mmのものが記録されているが、大顎や頭盾の形状からマンディブラリスとの交雑個体(キルヒナー)との疑惑が持たれている。


甲虫王者ムシキングシリーズでのパリーフタマタクワガタ編集

セアカフタマタクワガタを参照。


その他編集

世界最強虫王決定戦シリーズ編集

和名の「セアカフタマタクワガタ」でパラドクサス亜種が参戦。リングネームは「マレーの殺し屋」。

初期から88mmと比較的大型の個体が登場しており、相手を真正面から掴んで持ち上げ、そのまま投げ飛ばす派手な戦法をよく披露する。

気性も荒く、中にはコーカサスオオカブト相手に一歩も引かずに持ち上げて同体落ちした個体も。


関連項目編集

クワガタムシ

フタマタクワガタ属

マンディブラリスフタマタクワガタ


外部リンク編集

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