概要
マレー半島〜インドネシア、フィリピンに分布しているオオクワガタ属(ドルクス属)・オオクワガタ亜属のクワガタムシ。
学名は「Dorcus parry」。
…であったがLucanus parryとして記載されたネパレンシスコクワガタ(現Dorcus nepalensis)と被ってしまうため現在は「Dorucs ritsemae」が使用されている。
学名が変更されたため、現在は別名のリツセマオオクワガタと呼ばれることもあるが、昆虫業界ではこちらの和名が浸透してしまっている。
オオクワガタ亜属では南方一帯を制覇した種であり、隔絶された離島などに広く分布しているため、地域変異が大きい。
標高500〜1800mのブナ科の木の樹液に集まる。
流通量は多く、2022年現在コロナ禍で輸入がストップしてしまったことからのが同産地の他種の虫が高騰したり流通が激減しているフィリピン産のものでも安価に入手できる。
亜種
8亜種に分類される。(イラストはマレーパリー、スマトラパリー、ボルネオパリーのいずれかを描いたものと思われる。)
原名亜種(ssp.ritsemae)
ジャワ島東部に分布。
産地から東ジャワパリーとも。
体高が分厚く、全亜種中最も大顎が太短い。
内歯は大型個体でも横を向く。
カオヤイパリー/カンボジアパリー(ssp.khaoyaiensis)
顎が細く、大型個体でも内歯の発達も悪い。
産地によって名称が変わる。
マレーパリー/スマトラパリー/ボルネオパリー(ssp.volscens)
マレーシア、スマトラ島、ボルネオ島(カリマンタン島)に分布。
カオヤイパリーやカンボジアパリーに似るが大顎が太短く、中央内歯がやや発達する。
産地によって名称が変わる。
西ジャワパリー(ssp.kazuhisai)
ジャワ島西部に分布。
原名亜種と比較して大顎が長く、中央内歯も前方を向く。
2021年現在日本での流通は全亜種中一番少ない。
スラウェシパリー(ssp.astridae)
カオヤイパリーやカンボジアパリーに似るが身体がやや太く、大顎もより太く直線的。個体によっては大顎先端に出る小内歯と中央内歯の間に板状の膨らみが現れる。
南スラウェシパリー(ssp.ungaiae)
スラウェシ島南部に分布。
スラウェシパリーより小型で体表も艶消し状となる。
ミンダナオパリー(ssp.setsuroi)
ミンダナオ島に分布。
全亜種中もっとも大型になる亜種で、大顎も長く伸びる。
中央内歯も大顎先端に向かって良く発達する。
パラワンパリー(ssp.curvus)
パラワン島に分布。
中央内歯は根本に現れ、大型個体でも横向きに出る。
メディアでの扱い
甲虫王者ムシキングシリーズ
「パリーオオクワガタ」名義で5周年コレクションカード第2弾から参戦。
強さ120。オオクワガタとしては珍しいアタックタイプ。必殺わざはグー。肩書きは「勝利の貴公子」。超必殺わざは「(スーパー)ウイニングショット」。
ドルクス属だが2007夏シャイニングには登場しない。
新甲虫王者ムシキングでは第1期公式大会参加賞として先行参戦し、続く2015セカンドにて正式に参戦。階級はR。肩書きや必殺技などは旧作と同じ。
テレビ番組
めちゃイケ内のムシキングのパロディコーナーに登場していたことがある。
関連タグ
- コーカサスオオカブト:学名が変更された現在でも旧学名ベースの和名が浸透してしまっている種の代表。ただしこちらはどちらの学名が正しいのかは諸説ある。