概要
メキシコからコロンビアに分布している大型のカブトムシ。ゾウカブト属の代表種。
学名は「Megasoma elephas」。
エレファスという種小名はゾウを意味し、単に「ゾウカブト」という時はこの種を指す。
世界一重いカブトムシとして知られており、体重は50gにもなる。雄の最大で体長144mmの個体が記録されている。
背面がビロード状の黄土色の体毛に覆われているのが特徴。なおこの体毛は擦れるとハゲてしまう。
頭角は長く、根元付近に先端が体毛に覆われたフック型の突起を持つ。
前胸背板の中央はコブ状に盛り上がり、左右の前縁部には丸みを帯びた胸角を有する。
大型個体になるほどコブの盛り上がりや胸角の膨らみは顕著となる。
前脚の脛節は弓のような形に湾曲し、棘は短い。
雌も上翅に体毛が生えている。
性格は非常に大人しく、昆虫相撲で明らかに体格やパワーに劣る相手に対しても闘うことはなく、逃げてしまうことも珍しくはない。しかし、本気で怒らせた場合は凄まじい強さを発揮し、重戦車のような巨体で簡単に相手を蹴散らしてしまう。
パワーも相当なモノで、足場さえ確保すればあのヘラクレスでも投げ飛ばすのを諦めるという。実際、虫王でもいきなり正面から角を挟んできた強豪クワガタのタランドゥスオオツヤクワガタの攻めにもビクともせず、逆にそのまま持ち上げて吹っ飛ばしている(ただし、その際に角を挟み折られてしまったが)。
現地では夜間に水銀灯の光に飛来し、水銀灯に衝突して割る事故が起こることがある。
ちなみに、有毛種のゾウカブトにはエレファスの他に、ギアスゾウカブトやアヌビスゾウカブトなどが存在する。
亜種
雑誌『ビー・クワ70号』では、タイプ標本(その種の基準となる個体の標本)が行方不明になっていることや、本種の記載文に「Guinea」と記載されていたこと(恐らくは当時ベネズエラ中部〜ブラジル北部が呼ばれていたギアナ地方のスペルミスであり、正しくは「Guiana/Guyana/Guayana」が正しい)、17世紀当時はベネズエラ産のものが多く採れており文献の描画も南米の個体群であることから、別種とされたオキシデンタリスを除き地域個体群扱いとされている。
原名亜種(ssp.elephas)
メキシコ西部、ベリーズ、グアテマラ、ホンジュラス、エルサルバドル、ニカラグア、コスタリカ、パナマ西部の個体群が含まれる。
コスタリカ産はメキシコ産よりも体毛の色が濃く、体高が出るため、分類が見直された際にそれぞれが亜種分けされる可能性がある。
ただし現在日本でメキシコ産として流通している個体の殆どがシルバータイプと呼ばれる色の薄い個体の血を引いているとされる。
コスタリカでは本種の角が幸運のお守りとしてアクセサリーに加工されているため、密猟が問題となっている。
亜種イイジマイ(ssp.iijimai)
パナマ、コロンビア北部、ベネズエラ、キュラソー島の個体群が含まれる。
亜種名は昆虫関連の書籍や雑誌を多数出版している会社、むし社の店長で甲虫王者ムシキングを監修したことで有名な飯島和彦氏に因む。
頭角が原名亜種よりも太く、強く上に湾曲する点と、胸角根本が膨らみ、内側に向かう点が特徴。
コスタリカ産と同様に地域個体群と見なされることもある。
亜種オキシデンタリス(ssp.occidentalis)
メキシコ西部に(原名亜種よりも北側)に分布。
亜種名は「西部の」という意味。
メキシコゾウカブトやキタゾウカブトとも呼ばれ、学者によっては別種とされることもある。
また、文献によってはオキシデンタレ(occidentale)と表記されていることもある。
エレファスとの違いは胸角が真横を向き、体毛の色が薄いこと。
また、最大125mm程度と本亜種(本種)の方が小さい。
雌はエレファスよりも上翅に艶がある。
甲虫王者ムシキングでのエレファスゾウカブト
初期シリーズより登場。肩書きは「ビロードの重戦車」。つよさ160、バランスタイプ。必殺技はグー。体長は132㎜と「必殺わざがグー」の中では最大だが、養殖個体でない限りここまで大きくならない。
超必殺技は「(スーパー)ドラゴンアタック」。
強さ160以上のムシとしては珍しく、3億枚突破記念~2005セカンドプラスまでアダーコレクションが排出されていた。その後2006ファーストで排出停止、フォレストグリーンで究極必殺わざ「スーパードラゴンアタック」を引っさげ復活。また、最大・最強甲虫の集うアダー完結編第5弾では同属のアクティオンやマルスの代わりに参戦するなど、中型甲虫としては中々に待遇が良い。
- 強さ160の中では唯一「アダーコレクション」と「究極必殺わざ」の両立が出来る。
- ちなみに2006夏ネイチャーまでのオオクワガタもスーパードラゴンアタックを使用できる。
なおゲーム内での中型甲虫とは強さ160または140のムシのことであり、実際のエレファスは体格で言えば間違いなく大型甲虫である
- これは強さ160で登場した甲虫のほぼ全種に言える事である。
ちなみに、必殺わざがグーである強さ160の甲虫にMAXカスタマイズをさせた後のステータスは以下の通り。
ムシカード | グーの攻撃力 | チョキ、パー | 体力 |
---|---|---|---|
エレファスゾウカブト | 100 | 45 | 190 |
ギアスゾウカブト | 83 | 40 | 203 |
アルキデスオオヒラタクワガタ | 113 | 55 | 143 |
新甲虫王者ムシキング
2015年12月発売の「Vガジェ&カードセット」限定封入のEXカードとして先行登場、2016 3rdで正式に登場。階級はSR。
2016 3rdにおいては出現率が高めに調整されたピックアップステージが一つも用意されないという憂き目にあっており、入手難易度はやや高め。(その代わり、NPCの一人である君塚ユキヒコから確率で譲ってもらえるステージがある。)
激闘5弾でSSRに覚醒を果たす。覚醒後の肩書きは「ビロードの最終兵器(「最終兵器」の読み方:リーサルウェポン)」、必殺わざは新しいわざ「ドラゴニックブレイブ」。
メキシコゾウカブト
新甲虫王者ムシキング激闘6弾より参戦。
階級はSR、肩書きは「メキシカン・チャリオット」、必殺技はグー、「エレファンテ・アレルタ」。
関連タグ
オオクワガタ…甲虫王者ムシキングにて変更前の超必殺技が同じ。また、彼も復活と同時に究極必殺わざを習得した。
ムシキング、ホペイオオクワガタ、セアカフタマタクワガタ、ミヤマクワガタ…エレファスゾウカブト以外の、究極必殺わざを習得した甲虫たち。