概要
ベネズエラ、ガイアナ、スリナム、フランス領ギアナ、ブラジル、コロンビア、エクアドル、ペルーに分布するゾウカブトの一種。アクタエオンゾウカブトとも。
学名は「Megasoma actaeon」。
種小名はギリシャ神話の鹿に変えられた狩人、アクタイオンに由来する。
最大133mmの個体が記録されている真っ黒で体毛が生えないタイプのゾウカブト(以下無毛種ゾウカブト)の最大種で、無毛種ゾウカブトの代表格として扱われることが多い。
成虫の体重は約50gで、あのヘラクレスオオカブトをも凌ぐ。(ちなみにヘラクレスの体重は約40g)
2024年現在250gの幼虫が確認されており、ゴライアスオオツノハナムグリを抜き世界最大質量の昆虫となっている。ただし成虫の体重はゴライアスオオツノハナムグリの方が重い。
雌雄共に体色は艶のない黒色〜小豆色。
頭角や前胸背板前縁の左右から生える胸角は太く長い。
雄の前胸背板の中央はコブ状に隆起する。
艶のない黒い丸々とした大きな体と、前胸両横から前方に伸びる太いツノが特徴。
雌の上翅には横皺があり、全体的にゴジラのようなゴツゴツした印象が見受けられる。
ゾウカブトの例に漏れず幼虫期間が長く、成虫になるまでにおよそ3年近くを有する。また、幼虫の体重は成虫のそれよりさらに重く、200gを超える。
本種の大型になる西側の個体群をレックスゾウカブト(M rex)という別種として分類する説もある。(後述)
なお、同じく無毛種ゾウカブトはマルスゾウカブトやヤヌスゾウカブト等が存在する。
レックスゾウカブト(M rex)
2018年9月にプランディ氏により、本種の分布域において西側の個体群と東側の個体群に分けられた際に、基本となる標本が属する東側の個体群がアクティオンゾウカブトとなり、日本国内に多く流通するペルー産やエクアドル産などの西側の個体群はレックスゾウカブトとして別種扱いするという説が発表された。
雑誌『ビー・クワ70号』によると以下のような差異があるとされる。
- レックスの方がアクティオンよりも大型になり、胸角も長く伸びる。
- 頭角の根本付近にある突起がレックスの方がより平たくなる。
- アクティオンは前脚の脛節の先がV字状に抉れるのに対し、レックスは平らになる。
仮にこの説が認められた場合、無毛種ゾウカブトの最大種はレックスということになる。
なお、この説の発表より少し前の2018年6月にコロンビア産の個体を基準に亜種ヨハンナエ(ssp.johannae)が記載されており、2020年現在、あくまでも“説”のため、完全に別種として分けられた訳ではないので注意。
レックス(ヨハンナエ)がアクティオンの亜種に収まる可能性も十分にある。
戦闘能力
本種は同属のエレファスゾウカブトと並ぶ、世界最重量のカブトムシである。
その巨体故に、生み出されるパワーももちろん強く、 現地では光につられたこいつに体当たりされた電球やガラスが割れるなどの事故も起こっている、とのこと。
- 電球にはカブトムシ対策の為に金網をつけているそうだ。
カブトムシ同士が戦う動画などでもそれを遺憾無く発揮し、時には重戦車のように相手を蹂躙し、時には動かざる山の如く鉄壁の防御を誇る。
あのヘラクレスオオカブトでさえ、アクティオンには苦戦を強いられることも少なくない。
また巨体の割に身軽であり、戦う時は素早く動く。またよく飛ぶ。
ムシキングカードの説明によれば「その迫力にジャングルの動物たちも逃げ出す」とある。実際リスザル等の小型の猿は大型のカブトムシに怯える。
カブトムシ界の横綱、朝青龍とも言うべき存在であり、スピードを除けば単純な戦闘能力は、全てのカブトムシの中でもヘラクレスやコーカサスと並び最強クラスである。
加えて、勘違いされがちだが後述するムシキングにてアタックタイプとして登場しており、ゾウカブトにしては珍しく気性が荒いとされるマルスゾウカブトに匹敵する闘争心の強さはあり、個体差はあれどエレファスのように決して温和ではない。(だからこそムシキングのゲームでは強さ200に設定されたのかもしれないが)
特にこちらの企画においてはあのコーカサス相手に正面から互角に戦った上で後半は戦意を喪失させてしまい一方的に押し切って勝利している。(一応フォローを加えると、このコーカサスはアクティオンとギラファ以外に対しては全て勝ち星を得ており、ヘラクレスを倒す程に強い個体である。)
甲虫王者ムシキングシリーズでのアクティオンゾウカブト
初期シリーズより登場。肩書きは「南米の巨人」。つよさ200、バランスタイプ。必殺わざはグー。
超必殺わざは2003秋までは「ガンガンスマッシュ」、2005ファーストプラス以降は「サマーソルトプレス」。
超必殺技が「ガンガンスマッシュ」のアクティオンは排出期間が短いため貴重。
2006セカンド~ダイヤモンドブルーまで、強さ200のムシとしては珍しくアダーコレクションが登場していた。
またムシキングチームのブラック博士が愛用するムシでもある。「対戦バトラーズターミナル」においてもブラック博士専用アクティオンが排出されていた。
強さ100相当のヒメゾウカブトがゲーム内に登場しないため、タッグマッチでは相性◎になるペアが存在しないが、その代わり、マルスゾウカブトとのペアで「大型甲虫同士で相性◯」にできる。
なお、2003秋バージョンでは、むずかしいモードにて敵専用でディフェンスタイプのアクティオンゾウカブトが登場した。(※2003秋のむずかしいモードでは、敵の性格によってコンピュータのアルゴリズムが変化する仕組みになっており、難易度調整のための臨時的な措置と思われる。)
ムシキングバトル合虫ガッツ‼︎
オリジン属性としての登場は第2弾から。
第1弾では鎧属性では羽の代わりに大砲を装備した、鋼騎アクティオンとして登場し、クリスタル属性では宝石の原石がモチーフのクォーツアクティオンとしても登場した。
メカ属性では消防車がモチーフのファイアエンジン・アクティオンとして登場した。
新甲虫王者ムシキング
2016 2ndより登場。SSR。肩書き・必殺技は旧作(必殺技は変更後)と同じ。
旧作では最初期から登場していた割に同時期の強さ200は愚かタランドゥスに先を越されたりと登場は遅めだったものの、その甲斐あってかお助け相性にハンデを背負わされることの多いSSR甲虫としては異色とも言えるグー+チョキ+パーという柔軟な組み合わせとなっており、全ムシの中でも最強クラスの性能として実装された。
2016年11月1日より稼働する激闘3弾にておたすけ相性・ステータス・必殺技を一新して再登場。
新必殺技は「アクティオンボム」。
また激闘6弾においてはビンゴタイムにて無印のものが再録されており、無印シーズンが存在しない台湾版においても、激闘編環境において使用できるようになった。
超神化2弾においても再登場。無印のステータスと必殺わざに加え、新たにVブースターを得た上での再録がされる。
超神化4弾にてレア度SGRのブラック甲虫が参戦する。肩書きは「黒炎のオーディン」。必殺技は「ブラック・グングニール」。
後に登場するマジンフォームは攻撃が配布版スーパーアタックヘルクレスオキシデンタリスと同じ150に達し、また全盛期の無印SSRと同じグー+チョキ+パーのおたすけ相性を持つ。
ちなみにブラック甲虫のボスがGRカブトムシについて「ブラック甲虫に対抗するために生み出されたゴッドフォームをブラック甲虫が持つことは本来あり得ない」と説明していたが、アクティオンは特に説明もなくブラック甲虫でありながらゴッドフォームを持つ。しかもストーリー中にブラック甲虫でなくなるカブトムシと違って永続的に。
公式サイトの説明には「(彼のパートナーである)マスターブラックが長年手をかけて目覚めた」「同じ釜の飯を食べた仲」とあるので、ブラック甲虫を相棒とするマスターブラックとの絆の力のたまものということだろうか。
森の民の伝説
グルムの甲虫として登場。エレファスゾウカブトが改造から開放された後は彼の相棒として活躍し度々ポポ一行を襲撃する。
その強さはグルムの集大成とも言うべきなほどに圧倒的であり初登場時はムシキングの必殺技を耐えたあとにガンガンスマッシュで反撃し、ムシキングを戦闘不能にしている。
その後も初登場の回を含め、3週連続で登場しており持ち前の圧倒的な強さでムシキングを追い詰めたことの絶望感で印象に残っている視聴者も多いだろう。
しかし度超なる戦闘の結果、徐々に弱ってしまいついには死亡してしまう。
相棒の戦死によりグルムはアダー軍を離反、改心することになる。
今賀俊版
固有名詞付き甲虫の「ボッチ」が登場。
カクタスの元に幼虫の時にいたが、カラスに持ち去られた後に森に落ちたところをタンゴに見つかる。
毒の餌を食べていなかったため洗脳されておらず、カクタス軍団が連れ戻そうとしたが、アンバーの力で一時的に成虫になって退けた後、蛹化する。
その後、シャドウに操られてキングの前に立ちはだかるも、倒されて元に戻った。
- なお、キング(体長7.5cm)と比較すると体長50cm(ヤシガニでさえ体長は40cm程度)はありそうな陸生節足動物としては現実離れした体格で描かれている。巨体故に餌に困っている描写がある。
余談
ちなみに新旧とも生まれがペルー(アダー完結編EXノーマルのみエクアドル)なので、ムシキングにおけるアクティオンはいずれも分類上レックスということになる。
蟲神器にも抜擢されているが、ムシキングでは同時期に最高レアとして登場していたヘルクレス、ギラファよりもグレードが低い「R」となってしまっている。
関連タグ
カブトムシ ゾウカブト マルスゾウカブト エレファスゾウカブト
グランディスオオクワガタ…変更前の必殺技が同じ
グラントシロカブト…ムシキングチームのネブ博士が愛用するムシ。そのせいか新ムシキングにおける覚醒グラントシロカブトのお助け相性が激闘編以前のアクティオンと同じ。
アクティオンゾウカブト、タランドゥスオオツヤクワガタ、ギラファノコギリクワガタ、マンディブラリスフタマタクワガタ、ヘルクレスオオカブト、ヘルクレスリッキーブルー:旧ムシキングで最強の強さ200(金レア)だった甲虫たち。
インディ・ジョーンズ:2作目の「魔宮の伝説」にて、食材の一つとして抜擢された。