概要
2005年4月から2006年3月までテレビ東京系列にて放送された、ゲーム『甲虫王者ムシキング』を原作としたTVアニメ。
原作の要素は「ポポとアダーが登場する(名前と容姿以外は全く別のキャラクターとなっている)」「国産甲虫と外国産甲虫の戦い」の2点に留められており、完全オリジナルの展開となっている(後述)。
キャラクターデザインは目が大きく、可愛らしいものになっている。これはキャラデザ担当の馬越嘉彦によるもので、『おジャ魔女どれみ』『ハートキャッチプリキュア!』『聖闘士星矢Ω』など数多くの子供向けアニメを手掛けている彼らしい仕上がりになっている。
OPであるkiroroの『生きてこそ』は初見で絶対に昆虫プロレスアニメの主題歌とは思えない程穏やかな曲調と歌詞であり、今なお名曲として語り継がれている。
2023年8月にブルーレイボックスが発売。発売元はハピネット。
あらすじ
森の民の少年ポポは、平和な森に異変が起きた原因を調べるため旅立った父ペレの帰りを待ちわびていた。
しかし森の異変は、ポポの母まで変えてしまう。
父ならば母を助ける手がかりが分かるかもしれない。ポポは父に託されたドングリ型のペンダント「守護者の証」を胸に、父を追って旅立つ。
旅の途中、ポポが持つ「守護者の証」を狙って、森の破滅を願うアダーと手下たちが、赤い目の甲虫を操りポポを襲撃するが、そのたびに何処からともなく巨大なカブトムシ「ムシキング」が現れポポを護る。
作風
概要で記した通り完全オリジナルとなっており、子供向けとは思えないハード・陰惨な展開が特徴で鬱アニメと評価する声が多い。
一方でストーリーの大半が人間(作中では森の民と呼称される種族)同士の戦いにフォーカスが当てられており、原作でプレイアブルキャラクターとして登場していたカブトムシ・クワガタムシ達は他作品で言う戦闘メカのような扱いであるため、原作ファンからは否定的に見られることもある。
しかしセリフなど要所では原作を意識したと思われるものも見られ、完全に原作を無視している訳では無いと窺える。
主な登場人物
主要人物
声 - 宮原永海
本作の主人公。心優しい性格で正義感が強い森の妖精の少年。母を助けるため、森を旅立ちサーカス団と出会う。旅のなかで森や昆虫の異変、さまざまな人々との邂逅を得、成長していき森を救おうとする。
- チビキング
声 - TARAKO
お調子者の言葉を話す小さなカブトムシ。ムシキングを自称している。これでも立派な成虫。
ムシキングの戦闘中には彼がいなくなり、ポポに弱虫とからかわれた際には澄ました表情で「だってオレ、"ムシ"だもーん」と意味深な発言をしたり、ポポの父であるペレの事を知っているかのような発言をするなど謎が多いが…
声 - 宍戸留美
ポポが最初に出会ったサーカス団の少女。無口無感情の機械的で時折謎の言葉を発し、森や昆虫の異変を感知する不思議な力を持つ。記憶力がよく博識で、一度見聞きしたことは絶対に忘れないことから、一行の知恵袋的な存在でもある。
- ソーマ
金髪で旅人風のマントを身に着けた森の民の少年。行方不明になった両親を探している。ポポたちと出会い、共通の目的を持つポポに親近感を覚え行動を共にするようになる。
アダーの手下であるチョークとデュークに何かしら関係が…?
- ビビ
声 - 高木渉
パムを護衛するサーカス団のリーダー格。正義感が強く、おおらかで機転がきき、リーダーシップに優れる。武器はズボンの中に仕込んだお手玉爆弾。黒のビキニパンツを愛用している。
- バビ
声 - 荘真由美
サーカス団の紅一点。ピンク色のレオタードを身に着け、鮮やかな身のこなしと体に巻きつけた蔓のムチで戦う。芸では笛を吹くことが多い。美人だが、少々口が悪い。性格は気が短く、サバサバとしている一方で執念深かったりとやや気まぐれ。
- ブー
声 - 楠見尚己
サーカス団の一員。巨体の大男。怪力を武器に戦い、一行の荷物持ちを担当。よくパムを肩に乗せている。
- セラン
声 - 皆口裕子
星の代行者である木から生まれた妖精。空が飛べるほか、様々な不思議な力を持ち、森の民を導く使命を帯びている。
森の破壊者
声 - 佐藤正治
赤い目の甲虫を生み出している張本人。森を襲い民の命を奪い取り光へ変えていく。
どうやら森の民では無いようだが…
- デューク
声 - 五代高之
顔を覆い隠す、クワガタを模した巨大な二本の角のついた兜を被ったアダーの腹心。
- パサー
痩せた体躯の不気味な男。最初に守護者の証を狙ってポポやポポ一行を襲撃した幹部。コーカサスオオカブトを操る。
- グルム
声 - 上別府仁資
太った体格の男性。虫を愛する心優しき青年であったが、蝶を害虫扱いし敵視していた村人達から迫害され、飼育していたアゲハの蛹達を焼き払われた怒りと悲しみから森の民に絶望し、アダー一味となった。相棒はエレファスゾウカブト→アクティオンゾウカブト。
- チョーク
声 - 木内レイコ
アダー一派の紅一点。ハイレグ姿の衣装が特徴の女幹部。無数の蝶に変身し、他者の心を読み取って操ったり、他の人物の姿に変身して相手を幻惑させる等の能力を持つ。相棒はセアカフタマタクワガタ→ブルマイスターツヤクワガタ。
その他
- ピア
声 - 詩乃優花
ポポの母。住んでいた森の異変により、花と一体化した姿に変わってしまう。
- ペレ
声 - 五代高之
ポポの父。数年前、輝きの森に異変を感じ、旅立って以来、消息不明。
- プゥとデー
プゥ:声 - 金丸淳一 サーカス団の一員でカード裁きと水芸が得意な青年。
デー:声 - 西川幾雄 サーカス団の一員で玉乗りが得意な老人。
- ビック団長
声 - 緒方賢一
ビビ達と一緒に旅はしていないが、サーカス団に戦う術などを与えた団長兼師匠。素手で虫と張り合える実力の持ち主で「虫の動きを取り入れた地上最強の格闘術・甲虫拳法」の達人。
主な登場甲虫
- ムシキング(カブトムシ)
ポポが窮地に陥るとどこからともなく飛んでくる巨大なカブトムシ。
第1話にてパサーの配下のコーカサスオオカブトに襲われたポポを助けるため、守護者の証の力(厳密にはポポとの絆)で召喚された。
超必殺わざ・トルネードスロー(モーション的にはキングトルネードスローに近い)が使える強力なカブトムシだが、コーカサスオオカブトなど体格差のある甲虫相手には苦戦を強いられ、ポポ達のサポートや機転を利かせて勝利する事も少なくない。
グルムのアクティオンゾウカブトとの戦闘時に地下洞窟の遺跡のパワーで覚醒、技も究極必殺わざ・スーパートルネードスローへと進化する。
キャラクターグッズ内では、ネタバレ対策のためか「カブトムシ」名義が使われていた。
赤目甲虫
パサーが操るアジア最大・最強のカブトムシ。
パサー曰く、一度暴れ出すと手がつけられない凶暴な性格をしているとのこと。
作中で最初に登場した赤目甲虫で、第1話にて輝きの森へ向かう旅へ出たポポを襲撃した。
使用技は超必殺わざ・ローリングドライバー。
コーカサス同様パサーの甲虫。クリーム色の上翅と長い前脚が特徴の異形のカブトムシ。
原作では日本のカブトムシより小型の甲虫として描写されていたが、本作ではムシキングより一回り大柄な体格で描かれている。
使用技は超必殺わざ・サイドロックボム。
村人達に友達のアゲハを虐殺され、森の民に絶望したグルムが召喚した重量級のカブトムシ。
その後しばらくはグルムの相棒として登場する。
使用技は超必殺わざ・ドラゴンアタック。
ポポ達を裏切ったソーマが母親のチョークから渡された世界最長のクワガタムシ。
以後度々ポポやムシキングを襲撃する。
使用技は超必殺わざ・ブルロック。
デュークが使役する真っ直ぐに伸びた3本の鋭利な角が特徴のカブトムシ。
使用技は超必殺わざ・サイクロンホイップ・ダイシャリン。
デュークの切り札である三大甲虫。
使用技はそれぞれ超必殺わざ・ガンガンスマッシュ・超必殺わざ・クロスダイブ・超必殺わざ・ヒャクレツケン。
ヘルクレスオオカブト
アダーが使う最強の甲虫。強さの理由はアダー本人が自らの手で幼虫から育て上げたためとのこと。
なお本編でのCGは、角の形状を除き旧グラフィック寄りになっている。
使用技はスーパーダンガン・アースクエイクスロー・スーパーローリングスマッシュ(ただしかなりアレンジが施されている。
各話リスト
話数 | サブタイトル |
---|---|
第1話 | ポポの旅立ち |
第2話 | サーカス団の少女 |
第3話 | 魂の行方 |
第4話 | 生命の輝き |
第5話 | 果実の里 |
第6話 | 希望の実 |
第7話 | 使命と宿命 |
第8話 | のこされた言葉 |
第9話 | なまけ者の森 |
第10話 | 少女と魔女 |
第11話 | 愛の力 |
第12話 | もう一人の少年 |
第13話 | しのびよる影 |
第14話 | 遭遇 |
第15話 | 沈まぬ太陽 |
第16話 | 発明王 |
第17話 | 琥珀の砦 |
第18話 | 子供達の王国 |
第19話 | 母なる河 |
第20話 | 甲虫コレクター |
第21話 | 黒い森 |
第22話 | 星の記憶 |
第23話 | 生命のはじまり |
第24話 | 旅の終わり |
第25話 | 揺れる絆 |
第26話 | 夕日の輝き |
第27話 | 刻まれた紋章 |
第28話 | 嵐の中 |
第29話 | 野イバラの墓 |
第30話 | 理想の森 |
第31話 | 伝わる痛み |
第32話 | 青い絆 |
第33話 | 本当の自分 |
第34話 | 森の守護者 |
第35話 | 修行の谷 |
第36話 | 虫男の涙 |
第37話 | ちいさな王者 |
第38話 | 抜け殻の都 |
第39話 | 守護者の証 |
第40話 | 甲虫王者の村 |
第41話 | 進むべき道 |
第42話 | 再生の時 |
第43話 | 甲虫の墓場 |
第44話 | 父と子 |
第45話 | 約束 |
第46話 | 凍える命 |
第47話 | 二匹の王 |
第48話 | 輝きの森 |
第49話 | 戦いの果て |
第50話 | 森の夢 |
第51話 | 生きてこそ |
第52話 | 森の民の伝説 |
関連イラスト
関連動画