アダー
あだー
CV:佐藤正治
黒いローブを羽織り、赤く発光した杖を持った妖精の老人。
主人公ポポの宿敵で、「甲虫王者ムシキング」におけるヴィラン。
過去に森を追放された事を恨み、森を我が物にしようと改造した赤い目の外国甲虫を操り攻撃を仕掛けてくる。
彼の悪事は「森に火を放つ(2005ファースト、アダー登場編)」「コーカサスオオカブトを蛹の段階から改造する(2005セカンド、復活の森編)」「熱帯の森の暑さを利用し巨大工場を作り、大量の蛹を一気に改造する(2006ファースト、アダーの計画編)」「日本の甲虫をも改造しようとする(アダー完結編)」など。
初期では純粋な悪人といった描写だったが、ストーリーが進むにつれて意味深な発言をするようになり、ステージの変遷もあってプレイヤーに環境問題を提起するような側面もみせる。
ある理由から人間を嫌っている。
実はアダーは昔、傷付いた昆虫や妖精の治療をする、森で一番の医者だった。
ある時彼は「ムシ達が強ければ傷つかぬ」と考え、ムシの改造の研究を始めた。
そうして最初に誕生した赤い体のカブトムシがこの森の王者「ムシキング」だった。
しかし、そうして生まれたムシ達のあまりの強さに、他の妖精から恐れられたアダーは森を追放されてしまう。
その後、アダーはごみだらけの森で人間が捨てた外国甲虫と出会う。「ヘルクレスエクアトリアヌスブルー」をはじめとする外国甲虫達は自分を捨てた人間を憎んでいた。
アダーもかつて人間の起こした事故で自分の息子を亡くしていた。ちなみにアダーの息子はポポに似ている。
最終章となるアダー完結編では、そのヘルクレスエクアトリアヌスブルーを使ってポポとムシキングを倒そうとするも敗北。
アダーはエクアトリアヌスをたたき起こすが、「私に命令するな!私はもう戦いたくない!」と暴走してしまう。この時彼が近くにあった岩を粉砕、岩のつぶてがポポに迫るが、アダーはそれを庇って岩を受けてしまう。ムシキングは暴走するエクアトリアヌスに全身全霊を込めた一撃を叩き込み、エクアトリアヌスは活動を停止、正気に戻った。
そしてアダーはポポの腕に抱かれながら自らの過去を明かし、「お前なら息子の愛した森を作る事が出来るじゃろう… 世界は広い…もっと色んな事を知って強くなるのじゃ… ポポよ、さらばじゃ」と言い残し、光となって消滅していった。その姿にはこれまでの凶行を悔いていた事が窺える。
その後、森に再び平和が戻った。人間に捨てられ、アダーに改造された外国甲虫たちは、皆それぞれ本来の居場所に帰っていった。ポポはアダーの遺言を胸に、ムシキングと共に自分を鍛える旅に出た。
参考動画
そして時は流れ…(新甲虫王者ムシキングのネタバレ注意)
2018年稼働の新甲虫王者ムシキング超神化4弾では黒幕にブラック甲虫を生み出した者の悪意「ブラックカナト」が登場する。
「ブラック甲虫」とはアダーに改造された甲虫のように赤い目をした甲虫であり、2017年稼働の激闘6弾にて「森を守るため生み出された」と始祖たる存在が語っている。
さらに先述の通りアダーの息子はポポに容姿が似ている上、人間によって命を落としている。
以上のことから2作は関連付けて考えられるとする意見もある。
なお、新ムシキング公式Twitterによるとムシキング研究所の石動マリアはカナトを研究する事でオオツノ市民のルーツを調べていたとのこと。
容姿や声優の他、甲虫たちを改造しているという点は同じだが、諸設定が異なる。
配下には故郷を滅ぼされたパサー(CV:チョー)、かつては森を救おうとしたが、力を追い求める余りに欲望に呑まれたデューク(CV:五代高之)、デュークやソーマに関係があると思しき謎の女性チョーク(CV:木内レイコ)、虫を心から愛する巨漢のグルム(CV:上別府仁資)がいる。
こちらでは別の星からの来訪者である事が示唆されている。
物語開始から遥か昔にテラフォーミングに適した星を探して旅をしていたが、アニメ版の舞台である星に不時着。船に乗せていた生命(のちの森の民など)を一旦繁栄させてから、森を破壊し、生命エネルギーを再び集めた上で別の星へ旅立つ事を目論んでいたが、データ収集のために生み出された端末のパムや森の民を導く存在であるセランに離反されて計画は瓦解した。
別の星がどこなのかは定かではないが、地球ではないかと考えられる(アニメ版の舞台がのちの地球とも考えられない事もないが…)。
甲虫王者ムシキング 甲虫王者ムシキングの登場人物一覧 闇堕ち 哀しき悪役 改造コーカサスオオカブト ヘルクレスエクアトリアヌスブルー
動物虐待:本編では完全に兵力として運用していた改造ムシも、元々は医者の腕を生かして「彼らが傷つかないように」という善意で施していたもの。しかし「はやすぎたうか」で育ちきっていないサナギを強制的に羽化させたり、その影響で苦しむムシが「苦しい…アダー様、お許しください…」と呻くのを一蹴してけしかけたり、パラワンオオヒラタクワガタに対する言動などは大人でも目を背けたくなる惨さ。
後期シーズンの環境問題を提起するような描写の他、少年兵問題の暗喩ではないかと見るファンもいる模様。
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