概要
爆球連発!!スーパービーダマンで知られる今賀俊氏によるアーケードゲーム、甲虫王者ムシキングのコミカライズ作品。
小学館の学年誌(小学1〜4年生)にて2004年度〜2008年度に連載されていた。
正式タイトルは『甲虫王者ムシキング』であるが本家と区別するため森の救世主と呼ばれることが多い
コミカライズではあるものの他のムシキング派生作品同様世界観やキャラクターは完全オリジナルである。
掲載誌やポップな絵柄に見合わず、敵味方問わず重い過去を背負ったキャラクターが多いのが特徴。
見方によっては鬱アニメと称される森の民の伝説よりもハードな内容である。
単行本は全7巻。
低年齢層向けに全ページカラーに再編集されたぴっかぴかコミックス版『甲虫王者ムシキング バトルストーリー』が全2巻。『甲虫王者ムシキング 〜森の救世主〜』が全1巻刊行されている。
あらすじ
突然小人にされてしまったムシを愛する心優しい少年タンゴ。
彼を小さくしたのは、かつてタンゴに命を救われたカブトムシのキングだった。
キングは森の神様、木霊の命を受け森を救うためにタンゴを呼んだのだ。
外国産甲虫を操り、森の侵略行為を進めている謎の生命体カクタスを倒すために、タンゴは森の最後の武器アンバーを手にキングと森を救うための戦いに身を投じる…。
キャラクター
主要キャラクター
甲端五/タンゴ
ムシを愛する心優しい少年。木霊に選ばれ、森を救うため仲間のムシ達とカクタス軍団と奮戦する。
キング
カブトムシ。かつて角を折られ、重症を負っていたところをタンゴに救われ一命を取り止める。
タンゴの相棒として彼と共闘する。
ジョー
ノコギリクワガタ。お調子者なうえに勝気な性格でキングを一方的にライバルだと思っている。
ジャンボ
コクワガタ。日本一のクワガタになるために旅をしており、偶然出会ったキングを師匠と慕うようになる。
カクタス軍団
カクタス
外国のムシを使い、森の侵略を進める謎の知的生命体。
ニードル
カクタスが配下として生み出したサボテンの「バトルプランツ」。子供っぽい性格をしている。名前の由来はそのまま“針”を表す英単語、“needle”から。
パラ
カクタスが配下として生み出した寄生キノコ(おそらくモチーフはタイワンアリタケ)の「バトルプランツ」。キノコをムシに寄生させ洗脳することができる。名前の由来は“寄生”を意味する英単語、“parasite”から。
イータ
カクタスが配下として生み出した食虫植物(おそらくモチーフはウツボカズラ)の「バトルプランツ」。メンバーの中で唯一女性と思しき外見、口調をしている。タンゴとキングを地下迷宮に閉じ込める。名前の由来は“食べる(或いは食らう)”を意味する英単語、“eat”から。
マティ
ギラファノコギリクワガタ。かつてキングの角を折った。欠陥品として自身を捨てた過去から人間を憎んでいる。
ヴィータ
ヘルクレスオオカブト。カクタスを野に放ってしまったことを悔いており、軍団を裏切る。
ボッチ
アクティオンゾウカブトの幼虫。好き嫌いが激しく、カクタスが洗脳用に食べさせようとした毒餌が口に合わず軍団を脱走する。
ギャルソン
アトラスオオカブト。ボッチの子守をしており、カクタスから開放された後も共に暮らしている。
1巻から要所要所でアトラスオオカブトが登場しているが同一個体かは不明。
アルマ
ヘルクレスリッキーブルー。カクタス軍団のリーダー(隊長)。カクタスの言うことを信じており、タンゴとキングは人間に捨てられた外国ムシを迫害する悪者だと思っている。
フラッグ
ノコギリタテヅノカブト。アルマの親友。病弱なためカクタスに殺処分される予定だったがタンゴとキングに救われる。
パンプキン
パプアキンイロクワガタ。ニードルの甲虫。
純粋で後輩気質な性格。カクタスの「ムシ食いカビ」に冒されてしまう。
バトルシーズ
カクタスの種から生まれた知的植物達。
その他
カマじい
カマキリ(モチーフはおそらくオオカマキリ)。拳法家の老人で、タンゴに技のすくみについて教える。
マダムセラピー
アゲハチョウ。傷を癒やす力を持っている。
木霊
森の神様。タンゴを森の救世主に選んだ。
乱人
番外編に登場するもうひとりのアンバー使いの人間の少年。無鉄砲な性格。
似た性格のジョーと凸凹コンビを結成する。
用語
アンバー
木霊によってタンゴへ託された森の最後の武器。名前の意味は琥珀から。
虫眼鏡のような形状をしており、森の命の力を使い木の葉をカードに変化させる。
このカードは「トルネードスロー」や「ランニングカッター」といった技をムシに出させる能力を持つ。
カクタスの策略によりサラセニアの消化液で溶かされ、アルキデスオオヒラタクワガタにより粉砕されてしまうが、タンゴの涙によりスーパーアンバーへと再生、強化される。
ダークアンバー
カクタスがコガシラクワガタを使い、奪い取ったアンバーの欠片を元に精製した闇のアンバー。
基本的な能力は変わらないが、アンバーが森のパワーを少しずつ分けてもらいながらカードを作るのに対し、こちらは無理矢理なうえに根こそぎ奪ってしまうため、周辺の草木は枯れ果ててしまう。
余談
氏のツイートにより、甲虫のキャラクターデザインは当時発売されていたムシキングの玩具をベースにしたことが明かされた。
- おそらくBANDAIより発売されていた食玩、ムシキング甲虫図鑑シリーズと思われる。