グラントシロカブト
ぐらんとしろかぶと
北米を代表するカブトムシで黄色〜灰色がかった白色の体色が特徴。ヘラクレスオオカブトなどと同じオオカブト属(ディナステス属)に分類される。
飼育個体にて記録されている最大体長は89.1mmの中型種で、本属の中では小さい部類に入る。
アメリカ合衆国のアリゾナ州、ユタ州、ニューメキシコ州に分布する。
学名は「Dynastes grantii」。
種小名の由来は、南北戦争で活躍したアメリカの第18代大統領ユリシーズ・S・グラントから取られたと記述されることもあるが、実際は基産地であるアリゾナ州の監獄フォート・グラントから取られているとの説が有力。
ただしフォート・グラントはグラント大統領に因んで付けられているためあながち間違っているとも言えない。
英名はWestern Hercules Beetle(西のヘラクレスオオカブト)。この英名からホワイトヘラクレスという通称で呼ばれることもある。
アメリカ最大のコガネムシ科およびカブトムシ亜科の昆虫で、シロカブトの和名通り全身灰色〜真っ白な体色をしている。
ちなみにこの白い体はヘラクレスオオカブト同様体の水分が増えると黒くなる。
なお、アメリカ合衆国には本種の他にもティティウスシロカブトやアロエウスミツノカブト等数種類のカブトムシが分布している。
雑誌『ビー・クワ18号』によるとアリゾナ州では雨が極端に少ない年を隔年に大発生するとされている。
また、トネリコの仲間の樹液に集まるとされる。
世界文化社の『外国産クワガタ・カブトムシ飼育大図鑑』によると本種の生息地は日中は25〜30℃まで上がるが、夜間は15〜18℃まで下がる地域であると記されており、本種が砂漠地帯の過酷な環境に適応したカブトムシであることが窺える。
ただし本種は限定的な広葉樹林に生息している。
同図鑑によれば現地ではガソリンスタンドの光に引き寄せられ、アスファルトの上に転がっているとのこと。
アメリカ人は一般的に日本人よりも虫嫌いの人が多く、特に甲虫類は忌避される傾向にあるとされる。
しかし本種は白い体色がゴキブリのような不快害虫を連想させないためか、例外的に子供たちに採集されたり遊び相手になっているようだ。
現地では採集が禁止されていると記述されている文献やサイトが多く見られるが、アメリカ合衆国では国立公園内では動植物の採集が禁じられていることや州ごとに法律が異なる点と混同したものと思われる。
飼育はそれほど難しくはないが、卵の期間が最長2ヶ月前後と大型カブト並に長い。幼虫期間は1年前後。
個体差はあるが、ヘラクレス等と比べると非好戦的とされる。が、小柄な体格の割には脚でしがみつく力や頭角と胸角で挟む力は強く、闘争心さえ発揮すれば日本産カブトムシくらいの相手なら余裕で挟んで投げ飛ばせるし、ごく稀にオスがメスを殺害してしまう危険性もある。交尾の際は念のため注意。
甲虫王者ムシキングでのグラントシロカブト
「栄光への道は決して平坦ではない!」
強さは最低ランクの100と控えめに設定されて登場。肩書きは「北米の将軍」。ムシキングに登場したカブトムシの中では数少ない北アメリカ産。
- 北アメリカ産のクワガタムシは登場しない。
必殺わざはパーで、超必殺わざはカブトムシと同じく「(スーパー)トルネードスロー」。
本作のデザイナーである根布谷朋範氏演じる「ネブ博士」が愛用するムシでもあり、旧作ゲーム内のネブ博士と戦えるモードでは先鋒を務めた。(ブラック博士の「南米の巨人」アクティオンゾウカブトとは対になっている)
そのため、GCへの道1の特典のライセンスカード「Dr.NEBUマスターズカード」をスキャンした上でこのムシカードをスキャンすると「行け!グラントシロカブト!」と登場時のネブ博士の台詞が変化するギミックがあった(これはアダーコレクションの赤目グラントシロカブトやネブ博士スペシャルのグラントシロカブトでも同様である)。
カードにネブ博士のイラストが描かれた、やや青白い色のグラフィックで肩書きが「ネブ博士スペシャル」の、ネブ博士専用の特別なグラントシロカブトが雑誌付録などで出たこともある。
アダー完結編ではこのグラントシロカブト専用のスペシャルステージがあった。ただし、アダー完結編ではルールの大幅変更によりそれまでのカードが事実上弱体化しており、小型甲虫は到底戦力にならなくなってしまっており、日本にもオセアニアにもいないためライセンスカードでの強化も出来ないため、難易度は高い。
- 「GCへの道」に付属していた「ドクターネブマスターズカード」で強化できるようにしてもよかったはずだが…
なお、ゲーム内では体長62mmと小さめで(角も短め)、超必殺わざを共有するカブトムシよりも強さが低かったが、大型個体であればカブトムシと同格以上でもおかしくないだろう。
- つよさ120であれば後に登場するティティウスシロカブトと差別化できたし、ロケテストで「ティティウスシロカブトを強さ100で登場させて、こちらはロケテスト終了後に強さ120で登場させた方が良かった」という意見もある。
- 20周年アニバーサリーブックによるとネブ博士が「3DGCの資料を探している時に死後直後ではあるものの対面して驚いて気に入った」「強さの高いカードがなくても工夫次第で勝てるという事を伝えたかった」と話している事を考えると、意図的に低くしたのかもしれない。
新甲虫王者ムシキング
2016 1stから参戦。レアリティはR(旧作のつよさ120~140相当)で、カブトムシと同格にまで出世した。(その代わり元つよさ120だったサンボンヅノカブトが入れ替わりでNに降格した。)
必殺わざが「ジェネラルストーム」という全く新しいわざに変更された。
2016 2ndにて4月6日よりSRに覚醒できるようになり、肩書きが「北米の元帥」、必殺わざが「スーパージェネラルストーム」に変わる。
あるイベントで配布された覚醒個体は旧ムシキング準拠のデザインと「スーパートルネードスロー」が使える特別仕様だった。
そして、超神化3弾でSGRが登場。肩書きは「翠嵐のガイア」。必殺技は「ソウセイノカゼ」。
木をモチーフにしたような緑色の紋章が体に入り、紋章や頭上に浮かぶ光の輪には「MYSTIC」という文字が刻まれている。
使用者はカナトで、キラカードには彼のイラストが描かれている。
バランスの良い能力値に加えてお助け相性がグー+チョキ+パーと扱いやすく、ゴールドバトルを中心に比較的入手が容易だったために大会では高い使用率を誇る。
超神化4弾ではマジンフォームが実装。バランスの良いゴッドフォーム時とは対照的に体力と攻撃が非常に高い代わりにテクニックは壊滅的に低く、お助け相性もパー一色と非常に癖の強い性能へと変化した。
なお旧作におけるグラントシロカブトは小型甲虫というのもあり高いテクニックを武器に立ち回るスタイルが基本だったのだが、新ムシキングにおいてはどのシーズン、形態においてもテクニックが最も低く設定されており、旧作とは真逆の性能となっている。
本種がネブ博士が愛用するムシなのは旧作の項目で示した通りだが、激闘4弾にて、ライバルの一人「五十嵐ジョー」に勝利すると一定の確率で「SR 覚醒グラントシロカブト」がもらえるイベントが登場。
このイベント3戦目のジョーの台詞がネブ博士の存在を匂わせるものであると話題になった。
カブトムシ-旧ムシキングで必殺技が同じ
アクティオンゾウカブト…ムシキングチーム兼ネブ博士のライバル「ブラック博士」が愛用するムシ。そのせいか新ムシキングにおけるアクティオンゾウカブトのお助け相性が覚醒グラントと同じ。