アメリカ合衆国、中西部にある内陸の州。州都はサンタフェ、最大都市及び最大都市圏はアルバカーキ。人口は約211万人。メキシコに接し、古くからメキシコと深いかかわりを持つ州である。アメリカ合衆国47番目の州であり、アメリカ大陸ではアリゾナ州の次に新しい州でもある。
概要
人口の半分近くがヒスパニック系であり、ヌエボ・メヒコ(スペイン語でニューメキシコ)という通称を持つ。将来的にはヒスパニック系がヨーロッパ系及びアフリカ系を上回る最初の州になるだろうと見られている。州が指定している公用語はいちおうは英語だが、スペイン語しか喋れない人も少なくない。また、ナバホ族などのプエブロ(集落)も非常に多く、彼らの人口も30万人近くに上っている。
リオ・グランデ川が流れ、交易の拠点として重要視されたため、歴史的にはスペイン支配と原住民、ヒスパニック系開拓者、更にはアメリカ合衆国との衝突が繰り返された地であり、最終的にアメリカが大陸横断鉄道を敷設する目的で、土地を購入した。
「Land of Enchantment」(魅惑の土地)という愛称を持つ州であり、自然や遺跡に恵まれた州でもある。アステカ文明の遺跡からカールスバッド洞窟群、リオ・グランデ川渓谷、はたまたプエブロなどにも多くの観光客が訪れており、現地のナバホ族なども、観光収入が大きな資金になっている。また、フォー・コーナーズと呼ばれるコロラド州、アリゾナ州、ユタ州との緯度経度が十字で分断された境界線も名所である。アルバカーキは世界最大級のバルーンフェスタで名高い。
州を取り巻く問題
アメリカで初の核実験を行ったロスアラモスが存在する州でもあり、周辺のウラニウム鉱山やホワイトサンズ実験場(砂漠)の繰り返し行われた核実験による環境汚染が深刻化しているとともに、問題となって今に残っており、原住民らの健康被害、補償問題にも発展した(ちなみに、ここの研究所で作られた原子爆弾が、例のリトルボーイとファットマンである)。そんな歴史もあって、雨がほとんど降らない土地(1年のうち340日が晴れるという)であるゆえ太陽光発電といった次世代エネルギー開発も盛んになっている。また、原油、天然ガスの埋蔵資源も豊富に見つかっており、新たな産業創出となっている。
企業誘致が盛んな一方で、同じくメキシコ系移民が多いアリゾナ州と比較して不法移民が多い土地にもなっており、それが著しい治安悪化を招いている。最大都市アルバカーキは昨今では治安の悪い都市の上位にランクインすることも多く、そこは貧困層による窃盗、暴力犯罪が取り沙汰されており、市は対策に頭を悩ませている。