概要
中国北部を流れ渤海に注ぐ大河である。全長にして5464kmあり、長江に次ぐ中国第2の川である。名の由来は、その名の通り黄土(シルト)が混じっている影響で河川の色が黄土色だから。土砂堆積量は世界一といわれ、アマゾン川より多い。
解説
世界四大文明といわれた黄河文明の拠点であり、沿岸には1億人以上が住んでいる。主な都市として洛陽、鄭州、済南などがあるが長江と比較すると、洪水が頻繁に発生したためにそこまで目立って大規模な都市はない(長江沿岸には上流から重慶、武漢、南京、上海といった巨大都市がある)。
その割に、沿岸は至って降雨が少なくケッペンの気候区分ではBS(ステップ気候)に属する。そのため稲作が主流の揚子江沿岸に対し、小麦栽培が主流であり、麺料理が主流となった。ほかにも綿花、リンゴなどの栽培が盛んなのも、降水量の少なさを物語っている。
また南船北馬という言葉で知られるように、舟運が主流だった長江沿岸と比較すると、あくまで主流だったのは馬による陸運であった。
「河」とは黄河のことを指し河北省、河南省は黄河に由来する。また、日本でも漢字の「河」が大河を指すのも黄河に基づいている。