諸元
機体名 | ディン(DINN) |
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型式番号 | AMF-101 |
全高 | 18.93m |
重量 | 37.33t |
概要
第一次連合・プラント大戦(ヤキン・ドゥーエ戦役)時に開発された、ザフトの大気圏内用MS。
AMF(エアリアル・マニューバ・ファイター=空中機動戦闘機)にカテゴライズされる大気圏内を単独飛行可能な制空戦闘用MSとなる。
ジン以降の第二期機体に位置付けられる機体であり、開発はプラントのハインライン局が担当し、同局が開発したシグーとは基本構造を共有する。そのためか、シグーの系列に分類される。
飛行能力を高めるために機体に軽量化がなされている反面、防御力は低減している。機体の背部にはジン戦術航空偵察タイプで培われた特徴的なエアロシェルが導入されており、高速飛行時に頭部を覆って空気抵抗を低減、6枚の主翼による姿勢制御能力を生かしたドッグファイトを得意とする※1。最高速度こそ亜音速に達しないものの、低速域での運動性がずば抜けており、ニュートロンジャマー(Nジャマー)下において電波妨害された環境において地球連合軍の主力制空戦闘機スピアヘッドを圧倒する。
一次大戦期は洋上・高空を問わず地球の制空戦で大いに活躍し、ジンやシグーのような同年代の機体が新型に機種転換されていく中、二次大戦期でも現役な信頼性を持つ。同時代では、より高い推力と火力を充実させたAMA(エアリアル・マニューバ・アタッカー=空中機動攻撃機)となるバビが導入されている。
※1 ジェットエンジンが実装された現代戦闘機もその高速飛行能力はクルーズ時にしか用いておらず、実際の戦闘速度は亜音速以下が主流である(そもそも現代戦闘機戦はレーダーで捕捉した敵機をミサイル攻撃するスタイルが主流であり、戦闘速度が速すぎるとドッグファイトに突入した際の旋回半径が大ぶりになり過ぎる)。
C.E.では戦闘の大前提として電波妨害を行うNジャマーの存在が示唆されている(もっとも、プロセスの違いがあるだけで大抵のガンダム作品には同様の背景が用意されているが)長距離誘導ミサイルによる先制攻撃は行えない。このため、空中戦の基本はドッグファイトとなっており、機体の持つ旋回性・運動性のウェイトが増大している。
ただし、Nジャマーは電波しか妨害しないために目標に当てた光を頼りにミサイルを誘導する短距離のレーザー誘導は阻害しない。また、電波が距離に応じて減衰する以上はNジャマー下においても至近距離の電波通信は可能となってしまうため、MS各機には個別にECM、ECCM能力を付加し絶えず電子戦も行われている。
武装
MMI-M7S 76mm重突撃機銃
右手に携帯するアサルトライフル。シグーが使ってるものと同じタイプ。
普段は右腰にあるホルスターに入っている。
MMI-M1001 90mm対空散弾銃
左手に携帯するディン専用のショットガン。
普段は左腰にあるホルスターに入っている。
ストライクガンダムもこの武器を拾って使ったこともある。
6連装多目的ランチャー
胸部に内蔵されているマルチランチャー。ミサイルからチャフ・フレア、爆弾まで装填可能。
空中戦を主眼とするディンであるが、作中ではこの部位と両腕の火器で対地攻撃を行った場面も見られた。
バリエーション
クルーゼ専用ディン(指揮官用ディン)
アラスカ戦で登場したラウ・ル・クルーゼ専用機。シグーと同様のカラーとなっている。文献によってクルーゼ専用とするものと指揮官用機とするものがあり、イマイチ不明瞭である(同様の事例としてクルーゼ専用ゲイツが挙げられる)。
早期警戒・空中指揮型ディン特殊電子戦仕様
早期警戒や空中先導を担当する特殊電子装備搭載機。
両手にマルチフェーズ・レーダーと各種波長帯域光学センサーの複合システムを纏めた大型ディッシュアンテナを装備。
パイロットは3人で、内2人はオペレーターとなっている。
AWACSディン
「DESTINY」に登場した偵察型のディン。
青い機体色と大型レドームが特徴的で、多目的ランチャーにはミサイルの代わりに投光器が仕込まれている。
本体の電子戦機器が改良されており、高い作的能力を持つほか、ソナーも備えてるため水中探索も可能。
武装はミサイルを除けばディンと同等で、ある程度の戦闘は可能。
ディンレイヴン
「DESTINY ASTRAY」に登場した特殊部隊用のディン。
改良型のミラージュコロイドを搭載し、高いステルス性を誇る。
推力の向上や主翼の形状を変更した事で機動性が強化され、頭部やエアロシェルにアンテナを増設して索敵能力も高めてある。
機体名のレイヴンは「Reconnaissance Attack adVanced Electronic iNstllation」(特殊電子機材搭載・偵察・攻撃)の略称。
大戦末期に配備されたが、生産数が非常に少ない上に隠密性の高い特殊部隊専用機ということもあって、この機体の存在を知る者は非常に少ない。
また、カイト・マディガンが独自に調達した専用のディンレイヴンも存在し、こちらはマディガンのトレードマークである左胸部を中心点とする白い十字のペイントが施されており、腰部ウエポンラックがアーマー兼サブスラスターユニットに変更されている。
活躍
機動戦士ガンダムSEED
マルコ・モラシム率いるモラシム隊の機体として初登場。
インド洋を航海中のアークエンジェルの前にモラシム機が立ち塞がり、得意の空中戦で追い詰めるがモラシム隊が隊長のモラシムを残し壊滅した上に自身のディンもスカイグラスパーによって右の羽根を破壊されてしまい撤退を余儀なくされる。
その後もオペレーション・スピットブレイクなどの地上戦で多数投入された。
機動戦士ガンダムSEED_DESTINY
第1話では地上配備前と思われる機体がプラントの一つであるアーモリー・ワン内部に収容されており、ファントムペインによってガイア・カオス・アビスの三機が奪取された際には緊急出動している。
これ以降も、後継機のバビが配備されるまでは未だ現役で使用されていた。
立体物
ガンプラとしては1/144のコレクションシリーズの一つとして発売。
関節が可動しない分、プロポーションは比較的良好で後にHGで発売されたシグーに比べると劇中に近いスレンダーな体型をしている。
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