ディン(MS)
でぃん
ラウ・ル・クルーゼ「さて…この舞台の主役、どれほどの大物か見せてもらうさ」
第1次連合・プラント大戦(ヤキン・ドゥーエ戦役)時に開発された、ザフトの大気圏内用MS。
AMF(エアリアル・マニューバ・ファイター=空中機動戦闘機)にカテゴライズされる、大気圏内を単独飛行可能な制空戦闘用MSの一機。
ジン以降の第二期MSに位置付けられる機体で在り、開発はザフトの主力量産機を主に扱うハインライン設計局が担当した。同局が開発したシグーとは基本構造を共有する為か、シグーの系列「シグー目」に分類される。
飛行能力を高める為に機体に軽量化が施されている反面、防御力は低い。
機体の背部にはジン戦術航空偵察タイプで培われた特徴的なエアロシェルが導入されており、高速飛行時に頭部を覆って空気抵抗を低減、6枚の主翼による姿勢制御能力を生かしたドッグファイトを得意とする※1。
最高速度こそ亜音速に達しないものの、低速域での運動性がずば抜けており、ニュートロンジャマー(Nジャマー)下において電波妨害された環境において地球連合軍の主力制空戦闘機スピアヘッドを圧倒する。
一次大戦期は洋上・高空を問わず地球の制空戦で大いに活躍し、第一期MSのジンや同じ第二期MSのシグーが新型に機種転換されていく中、二次大戦期でも現役な信頼性を持つ。
同時代では、より高い推力と火力を充実させたAMA(エアリアル・マニューバ・アタッカー=空中機動攻撃機)のMSバビが導入されている。
※1 ジェットエンジンが実装された現代戦闘機もその高速飛行能力はクルーズ時にしか用いておらず、実際の戦闘速度は亜音速以下が主流である(そもそも現代戦闘機戦はレーダーで捕捉した敵機をミサイル攻撃するスタイルが主流で在り、戦闘速度が速過ぎるとドッグファイトに突入した際の旋回半径が大ぶりに成り過ぎる)。
C.E.では戦闘の大前提として電波妨害を行うNジャマーの存在が示唆されている(尤も、プロセスの違いがあるだけで大抵のガンダム作品には同様の背景が用意されているが)長距離誘導ミサイルによる先制攻撃は行えない。
この為、空中戦の基本はドッグファイトであり、機体の持つ旋回性・運動性のウェイトが増大している。
但し、Nジャマーは電波しか妨害しない為に目標に当てた光を頼りにミサイルを誘導する短距離のレーザー誘導は阻害しない。
また、電波が距離に応じて減衰する以上はNジャマー下においても至近距離の電波通信は可能と為ってしまう為、MS各機には個別にECM、ECCM能力を付加し絶えず電子戦も行われている。
なお、有機的なウイングのデザインをしている故か、ウイングを展開・減速して降下するモーションはフリーダムのそれに酷似している。
機動戦士ガンダムSEED
マルコ・モラシム率いるモラシム隊の機体として初登場。
インド洋を航海中のアークエンジェルの前にモラシム機が立ち塞がり、得意の空中戦で追い詰めるがモラシム隊が隊長のモラシムを残し壊滅した上に自身のディンもスカイグラスパーによって右の羽根を破壊されてしまい撤退を余儀無くされる。
その後もオペレーション・スピットブレイク等の地上戦で多数投入された。
機動戦士ガンダムSEED DESTINY
第1話では地上配備前と思われる機体がプラントの一つであるアーモリー・ワン内部に収容されており、ファントムペインによってガイア・カオス・アビスの三機が奪取された際には緊急出動している。
これ以降も、後継機のバビが配備されるまでは未だ現役で使用されていた。