概要
PHASE-08『ジャンクション』にて、3年振りにオーブ連合首長国に帰郷したシン・アスカ。
オーブの戦没者慰霊碑にて、シンはキラ・ヤマトと互いに素性を知らぬまま出会う。
シン「慰霊碑……ですか?」
キラ「うん。そうみたいだね。よくは知らないんだ。僕も此処へは初めてだから。自分でちゃんと来るのは……」
「せっかく花が咲いたのに、波を被ったからまた枯れちゃうね」と、どこか寂しげに呟くキラ。
そんなキラに対して、シンはこう返した。
シン「誤魔化せないって事かも」
キラ「ん?」
シン「いくら綺麗に花が咲いても、人はまた吹き飛ばす……」
キラ「君……?」
シンから2年前の大戦時下、精神的に危うかった頃の自分と同じ空気を感じ取ったキラは困惑する。
シンは「すいません。変なこと言って」と謝るや、慰霊碑を去って行った。
2度目の大戦が終結した後、キラはルナマリア・ホークと共にオーブを訪れたシンに対して、
キラ「……いくら吹き飛ばされても 僕らはまた花を植えるよ……きっと」
と、あの時シンが口にした言葉に対する自分なりの答えを返して、シンと和解した。
しかし……2024年に劇場公開された『機動戦士ガンダムSEEDFREEDOM』ではPVの時点で、吹き飛ばされる花のカットが描かれている。
そして、彼らはもう2度と人が花を吹き飛ばす時代が来ないよう、平和への道標になろうと奔走するのだった。
スパロボでは
『スーパーロボット大戦L』では、キラが戦没者慰霊碑で初めてシンと会う場面で、シンの「幾ら綺麗に花が咲いても人はまた吹き飛ばす」発言に対して、
「いや、変じゃない。人はもう過ちを繰り返しちゃいけないんだ」
「いつまでも花がきれいに咲き続ける世界を作らなくちゃ…」
と返した(何気に「何度でも花を植える」ではない)。
シンはこの言葉に共感し、キラもまた戦争で深い傷を負った事情を察した(キラが第1次連合・プラント大戦当時、ストライクガンダムとフリーダムガンダムのパイロットだったとは、この時のシンは知る由もなかったが)。
その後、シンはベルリン市街の戦いにおいて、ミネルバ隊を始めとした自軍部隊やキラが駆るフリーダムの助勢もあって、原作とは違い初恋の少女であるステラ・ルーシェの救出に成功し、ストーリーも原作とは異なる方向へシフトするのだった。
余談
この言葉を呟いたシンもその後の展開を踏まえると、オーブ攻防戦で花を吹き飛ばす側になったと評価できる。
また、「デスティニープラン」が施行された世界は「花は咲き続けるが、全ての花は管理され野に咲く花は雑草として摘み取られてしまう世界」であると言えよう。(皮肉にも、ギルバート・デュランダルの政敵ロード・ジブリールは「コーディネイターに好き勝手はさせない」ための持論を『花の管理』に例えている。)
関連タグ
アスタロス:本来は食糧需給問題の解決のため、スペースコロニーでも十分に繁殖・生育できる植物 に過ぎなかったが、研究の過程で繁殖力が異常強化された株が誕生、最終的に〈地球の生態系を破壊する生物兵器〉として変更・運用されると、端的には花(=植物)が人(の生存圏)を吹き飛ばそうとした。