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優性遺伝

ゆうせいいでん

遺伝形式のひとつ。遺伝の際に、劣性遺伝の形質よりも出現しやすい形質のことをさす。

概要編集

有性生殖では、親から子に、髪色の色、身長、各部位の形…等さまざまな形質が遺伝する。

この際、一つの形質に異なる二つの遺伝子が共存した場合、表に現れやすい方を優性、現れにくい方を劣性といい、実際に子に優性の形質が現れた場合を優性遺伝という。


中学校理科生物)の授業でメンデルえんどう豆の実験を知った人も多いだろう。

えんどう豆の場合、丸型が優性、しわ型が劣性となっており、丸型としわ型を掛け合わせると次世代は全て丸型になる。これが優性遺伝である。

人間の場合、例えば髪の色は黒髪が優性、金髪赤毛など薄い色は劣性となっている。この他、髪質やえくぼそばかす耳垢のタイプなどさまざまな形質に優性と劣性がある。

詳しくは→メンデルの法則


誤解されやすいが、この「優性」「劣性」というのは形質そのものの優劣ではない

そのため例えば黒髪がすぐれた遺伝子で金髪は劣った遺伝子、ということは全くなく、単に遺伝の際の出現しやすさとしにくさを表したものである。

字面のせいで誤用される事例が多かったためか、現在は顕性遺伝潜性遺伝という言葉に変更されており、2021年より教科書もそのように変更されている。

また、「何故、この形質(表現型)は顕性/潜性になるのか?」という細かな理由も、各遺伝子や形質(表現型)によって細かな違いが有り、顕性/潜性の形質でも、実際にはメンデルの法則の元となった実験のような綺麗な結果が出ない場合の方が多い。

例えば、一般的には(いわゆる「稀血」を除いて)、片方の親からA型またはB型の遺伝子を、もう片方の親からO型の遺伝子を受け継いだ人は、絶対にO型にはならず、このような現象を古い呼び方では「A型・B型は優性、O型は劣性」と言っていたが、実際には血液型そのものには何の優劣も無いようなものである。(話がややこしくなるので、血液型占いのような迷信を信じている方々の存在は無視させていただきます)


なお、英語では優性・劣性は、それぞれ「dominant(支配的な)」「recessive(引っ込んだ/退いた)」であり、問題は皆無とは言えないまでも、日本における古い呼び方である「優性」「劣性」よりは実態を正しく表わした誤解の余地が小さいものと言える。


関連タグ編集

遺伝 遺伝子 劣性遺伝 メンデルの法則

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