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アリアナ・ダンブルドア

ありあなだんぶるどあ

アリアナ・ダンブルドアとはアルバス・ダンブルドアの妹であり、今世紀最も偉大な魔法使いの知られざる過去に関わる少女である。
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概要編集

アリアナ・ダンブルドアとはアルバス・ダンブルドアの妹である。

14歳の若さで亡くなっており、その死は不世出の魔法使いであるダンブルドアの心に大きな傷を齎した。


病弱な少女編集

純血の魔法使いのパーシバル・ダンブルドアと、マグル生まれの魔女のケンドラとの間に生まれた三番目の子供で、唯一の娘。

四つ上の兄のアルバス・ダンブルドア、二つ上の兄のアバーフォース・ダンブルドアの妹。

モールド-オン-ザ-ウォルドという村で育つも、マグル嫌いの父親が村のマグルの少年たちを魔法で暴行をしてしまい、アズカバンに収容されてしまう。

残された家族はホグワーツの創設者の一人、ゴドリック・グリフィンドールゆかりの地であるゴドリックの谷に移り住み、母ケンドラは女手一つで子供たちを育てる。


病弱な少女であり、11歳になってもホグワーツ魔法魔術学校に通うことが叶わず、母親のケンドラの世話を受けて育つ。

だが、長兄のアルバスのホグワーツ卒業直前、アリアナが14歳の時に母親が亡くなってしまう。

アリアナと良好な関係であった次兄のアバーフォースがホグワーツを中退してでも妹の面倒を見ようとするも、弟をちゃんと卒業させるためにアルバスがアリアナの面倒をみることとなる。

しかし、アリアナは同年の夏、即ち母親の死から一か月にも満たない間に亡くなっている。

享年14歳、妹の早すぎる死に激昂したアバーフォースは兄のアルバスの鼻を折っている。


生前の姿はアバーフォースが営むホグズミードホッグス・ヘッド・パブの二階、居間のマントルピースの上に飾られた肖像画で確認できる。

金髪の可愛らしい少女だが、病弱だったためかうつろな眼をしているこの肖像画はホグワーツの必要の部屋へと通じる抜け道の出入り口となっている。

またアバーフォース曰く、病気さえ落ち着いている時は非常に優しく、共に山羊にエサをあげていたという。



悪意のある噂編集

断片的な事実を興味本位で繋ぎ合わせた上にでっち上げを付け加えた真実を歪曲した捏造記事を執筆することでお馴染みのリータ・スキーター

リータはダンブルドアの死後に製作した伝記『アルバス・ダンブルドアの真っ白な人生と真っ赤な嘘』においてアリアナがスクイブであると記した。

魔法力は優性遺伝であるため片親に魔法力があれば子供に引き継がれることが多いが、魔法力が引き継がれなかった所謂障害者であるとされたアリアナは母親から地下室に監禁されていた。母親のケンドラにとって、一家にスクイブがいることは恥だったのではないかとし、娘を世間の目から隠したのではないか、と憶測を述べたのだった。

また、同著では、二人の兄たちは妹がホグワーツに入学していない理由を聞かれたとき、「妹は体が弱くて学校には行けない」と答えるように母親に教え込まれていたとも記されている。


ダンブルドアの学生時代からの友人で会ったエルファイアス・ドージは同著を全面的に否定しているが、ロン・ウィーズリーの大叔母のミュリエル・プルウェットはアリアナはスクイブであったという説を大いに支持している。

というのもアリアナは病弱であるとされていたにもかかわらず、英国魔法社会唯一の病院である聖マンゴ魔法疾患傷害病院を受診していないことを癒者(魔法社会における医者)が訝しがっていたためだ。

またハリーの時代よりもスクイブに対する差別意識の強かった時代背景から、純血の魔法使いのパーシバルとマグル生まれの魔女のケンドラの子供からスクイブが生まれれば周囲はマグルを両親に持つケンドラの血筋を糾弾するのが目に見えていたためにこの説が支持されたのだろう。

加えてアリアナの死についてアルバスが沈黙を貫いていたことから、実の兄であるアルバス自身が足手まといのスクイブであるアリアナを始末した、つまり殺したのではないかという憶測まで蔓延する始末であった。


ハリー・ポッターはこの話を聞いた時、幼少期に魔法力を持つが故にマグルの伯母に階段下の物置小屋に監禁され、虐待を受けていた過去からアリアナに憐憫を覚えた。

そして尊敬している恩師ダンブルドアがそんな妹を殺したかもしれないという噂と、両親(ジェームズリリー)がゴドリックの谷でヴォルデモートに殺されたハリーにとって同じ村で愛する家族を亡くしたという共通点があるにもかかわらずそのことについて言及しなかったダンブルドアに対して強い不信感を抱く切っ掛けとなってしまう。



真実編集

アリアナの身に起きた真実については、次兄のアバーフォース・ダンブルドアがハリーたちに話してきかせた。

魔法族の子供は7歳までに魔法力が顕れるとされ、6歳までの間は魔法力が不安定な状態にある。

当時6歳だったアリアナは自宅の裏庭でその拙い魔法を使っていたところをマグルの少年三人に目撃されてしまう。

少年たちはアリアナの示した魔法に恐れ慄き、集団で乱暴を振るい、父親のパーシバルはその報復のためにこの少年たちを魔法で追い詰めたのだった。

なおこの乱暴(violence)という単語は原語ではレイプの可能性を秘めた言葉である。


アリアナに肉体的外傷や障害が残ったかどうかは定かではないが、彼女は精神的に深く傷付き、未発達の魔法力が抑制されてしまった。

これにより、魔法力をうまくコントロールできず、情緒不安定になると魔力の暴発を起こす体質が形成される。

父親のパーシバルは、この事実が知られてしまえば娘が聖マンゴ魔法疾患傷害病院に一生閉じ込められると考え、真実を語らぬままにアズカバンに収監され、『マグル嫌い』のパーシバル・ダンブルドアとして後に獄中死する。

そのため事件以前のパーシバルがマグルに対していかなる価値観を有していたのか、事件以降その価値観がどのように変動したのかはまったく不明である。

娘のためにあえて汚名を背負った夫の気持ちに寄り添い、そして娘を護るため、母親のケンドラはゴドリックの谷へと引っ越し、世間から娘を隠して暮らした。


その後起きた母親のケンドラの死も、アリアナの魔法力の暴走、発作が引き起こした殺人であった。

アリアナと親しく、妹が発作を起こしてもうまく宥められるアバーフォースがホグワーツにいたことと、ケンドラがもはや若い頃のように娘を制御できなかったことから、ケンドラはアリアナの発作に巻き込まれて死亡してしまう。

このことから、アリアナにはオブスキュラスを抱えたオブスキュリアスである疑惑がある。


ケンドラの死亡時、長兄のアルバスはホグワーツ卒業を控えた7年生、次兄のアバーフォースは5年生。

アバーフォースは妹と良好な関係であり、アリアナの発作を宥めることが出来る唯一の存在だったため学校を中退してでも妹の面倒をみようとする。

両親を失いダンブルドア家の家長となったアルバスはそれに反対し、決闘で全てを解決しがちな弟にせめて学歴を残させるため、妹の面倒を引き受けた。

しかし、学生時代神童と持て囃されたアルバスにとっては、外の世界で活躍する機会もなく妹に縛り付けられる生活は不満そのものであった。

今まで面倒を見てくれた母親を図らずも殺してしまったこと、長兄に疎まれていることが、次兄から優しいと称されたアリアナにとってどれほどまでの苦しみを与えたのかは想像に難くない。



死因編集

アリアナの面倒を引き受けたアルバスだが、やがて同じゴドリックの谷に暮らす魔法歴史学者で学生時代に交流を持ったバチルダ・バグショットの大甥、ゲラート・グリンデルバルドに出会う。

アルバスは自分と同等の実力を持つ同世代の魔法使いと初めて出会い、仲を深めるにつれグリンデルバルドに魅了され、二人の野望を叶えるために妹のアリアナの世話を怠るようになった。

そしてグリデルバルドとの旅に出るに当たってアリアナをどうするのかで弟アバーフォースと揉めることになる。


アバーフォースが自分たちの夢の邪魔になると考えたグリンデルバルドは彼にクルーシオ(磔の呪い)をかけたことで、アルバス・アバーフォース・グリンデルバルドの三つ巴の乱闘がゴドリックの谷で引き起こされた。

目の前で繰り広げられる恐ろしい決闘にアリアナは発作を起こし、最終的にアリアナは三人の決闘の流れ弾により死亡する。

アルバス曰く、誰の放った魔法によってアリアナが死んだのかは不明であるが、アルバスは終生ゲラートが誰が殺したのか把握していたら、もしもそれがアルバス自身だったらという恐怖に苛まれていた。




疑惑編集

この事件の後アルバスと決別したグリンデルバルドはクリーデンス・ベアボーンを利用し、オブスキュラス事件を引き起こしている。

アリアナを通じてグリンデルバルドが精神的に抑圧された者の魔力を利用するというアイデアの着想を得た可能性がある。

アリアナは死亡する直前に発作を引き起こしており、まだ若かったとはいえ決闘者としての実力の高い三人の魔法使いたちを圧倒する力を目撃したゲラートがその力を利用することを考えた可能性は高い。

もしくは、アリアナの発作を元々知っており、マグルたちを殺すためにアリアナを旅に連れて行こうとしていた可能性すら考えられる。


また、ダンブルドアを殺せる者の存在は、アリアナをはじめとするダンブルドア家の闇が決して過去のものではないことを示唆している。


老賢人の秘密編集

盲目的な愛と野心に溺れたことでアリアナを喪ったこと、それはアルバス・ダンブルドアにとって終生の悔恨になった。

そして特定の誰かを愛しパートナーにするようなことも、学校以外での権力を求めることもしなくなったのである。

ダンブルドアは生前のアリアナに強い愛情を向けてはおらず、リタ・レストレンジに妹を愛していたかを問われたダンブルドアは「愛してはやれなかった」と答えている(吹き替えでは「十分とは言えなかった」と柔らかい表現になっている)。


みぞの鏡(Erised Mirror)の一件でハリーに望みを問われたアルバスが語った「私が鏡を見るとウールの靴下を持っているのが見える」というのは、ハリーも感づいていた通り嘘であり、アルバスにとって最大のトラウマに触れた質問であった。

鏡がアルバスに見せる望みは両親も妹も健在で、弟とも良好な関係にある幸福な家族と共に映る自分自身の姿であった。

つまり、アルバスはハリーと同じものを実は鏡に見ていたのである。

ただしハリーは物心ついた頃から両親がおらず母方の伯母夫婦の虐待を長年受けていたからこその『望み』であるのに対して、ダンブルドアは過去の己の行為に対する後悔から来る『望み』となっている。


分霊箱と化していた死の秘宝である蘇りの石を手に入れた際、アルバスは我を忘れてその力を行使しようとする。

これはかつての家族を蘇らせ、姿を見て、言葉を交わすためであった。

しかし分霊箱の防衛魔法によりアルバスは全身に激しい呪いを受ける。

セブルス・スネイプの治療により、なんとか腕にのみ呪いを留めることに成功するも、呪いが時間によって全身に広まることは止めることはできず、この時点でアルバスの余命は残り一年となった。


関連タグ編集

ハリポタ アルバス・ダンブルドア アバーフォース・ダンブルドア

オブスキュラス  トラウマ

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