魔法帝国
まほうていこく
正式題名は『MINDY WORLDⅡ 魔法帝国』である。『魔法帝国』とは民田直(当時はみんだ☆なお)が1986年から翌年に掛けて月刊OUTで連載していたパロディ漫画である。様々な漫画&アニメ&ドラマのキャラクターが登場するも普通に死亡退場する事もあり、それでいて人間社会の問題点を提議した特徴がある。
199X年、聖パノラマ学園で謎の教師、生徒の失踪や不番な出来事が相次ぎ、国家管理局はあるエージェントを派遣するも廃人となり、その後釜に8代目スケバン刑事・麻宮サキを派遣。そこには謎の美少女を教祖とする魔法帝国が現体制の転覆の為に暗躍していたのであった。
麻宮サキ 国家管理局(本作のスケバン刑事の所属は国家管理局になっている)に所属する8代目スケバン刑事。廃人となった前任者の後を継ぎ、任務を行う。そこでは恐るべき陰謀が待っていた。
謎の美少女 元聖パノラマ学園の生徒だったが、ある日使命に気付き、同士と共にフェナリナーサ降臨の受け入れ準備として魔法帝国による地球統一を志す。
原作とは逆に人間の可能性を否定している。
数々の犠牲を払い、遂に対決する教祖とサキ。しかし、国家管理局の機動隊員達によって教祖は危険因子として射殺される。その事でサキは国家管理局を辞める。そんな彼女に大徳寺B子は「彼女は何度でも甦るわ」と語りかける。
それらの行動に関係無くフェナリナーサは日々地球へ接近していく…。
本作はパロディの体裁を取っているが、描いている事は非常に真摯であり、人間社会の限界を語り、実際教祖の問い掛けに対し8代目サキは殆ど返す事は出来なかった。
フェナリナーサをノストラダムスの大予言に登場した「恐怖の大王」に例え、フェナリナーサの降臨=人間社会の粛清と言う解釈をし、バッドエンドを暗示する結末で幕を降ろす。
ラストのコマの「SOME DAY SOME TIME」が非常に皮肉の効いた言葉となっていた。