機体データ
型式番号 | 不明 |
---|---|
所属 | ジオン公国軍 |
全高 | 7.8m |
全長 | 6.2m |
全幅 | 23.8m |
推進機関 | ガスタービン・エンジン |
最高速度 | 85km/h |
武装 | 30mm連装機関砲 |
搭乗人数 | 2名+輸送兵員10名/20名 |
概要
「キュイ」とは、『機動戦士ガンダム』第20話「死闘!ホワイト・ベース」および『劇場版 機動戦士ガンダムⅡ』に登場する、ジオン公国軍の架空の戦車。TV放映時の設定画稿では、架空の兵器カテゴリである「揚兵戦車」とされている。
ファーストガンダム本編で僅かに登場するのみで、後年制作された映像作品や漫画、ゲーム等で登場することも珍しいが、インパクトあり過ぎる珍妙なフォルムと、よく考えなくても何に使うのか分からない珍兵器として、ファンの間では時折話題になる。ネタ込みでゲリラ戦用兵器、タンクデサント専用車両や特攻兵器などとも言われる。一部の暴徒鎮圧用車両に構造が似ているとの指摘もあり、下記『虹霓のシン・マツナガ』ではそれに近い用途で使われている。
車体解説
本体と思しき部分は上面に連装機関砲のターレットを装架した塔のような形状で(まさに砲塔)、そこから左右にキャットウォークが長く伸びた構成。本体下および左右両端の特徴的な🍙おにぎり形履帯(キャタピラー、クロウラー)で走行する。
ガスタービンエンジン駆動と伝えられているが、元は月面兵器とする説もあり、後年の『MSV-R』でも月面で使用されている描写があるため(下記)、無酸素環境で駆動できる電気モーターなどを積んでいる車両もあるのだろう。
搭乗兵員数は映像では左右キャットウォークに5名ずつ、砲塔上に2名の12名程度に見えるが、操縦人員数は不明で、乗員数は計20名とする資料もある。本体前面には視察窓のようなスリットが設けられており、この部分に操縦手が搭乗していると思われる。兵員は砲塔付近に直立するか、左右キャットウォーク部分にしがみつく形で車体外部に搭乗し、本機から飛び立って白兵戦を行っている。
キャットウォーク前面には搭乗兵を保護する装甲板が設けられているが、その上部には間隙が設けられており、本来はここをガンポートとして乗車戦闘を行う歩兵戦闘車のような使い方が想定されていたのだろう。本機の機関砲の火力は限定的で戦力にはならないとされるが、現行の歩兵戦闘車において30mm機関砲は標準的な武装である。
活躍
劇中ではランバ・ラル隊に2両配備。走行中のギャロップ前面ハッチから発進した。砲火を加えつつホワイトベースに肉迫、パーソナルジェットを背負い小火器で武装した兵員がキャットウォークより直接飛び立って、空中浮揚している船に乗り込み白兵戦を仕掛けた。しかし兵員全てが飛び立つ前に1両が履帯に被弾、残された1両は歩兵がホワイトベースに乗り込む支援射撃をギーンのザクと共に行っていたものと思われる。しかしこの戦闘で撃破か放棄されたようで、後のクラウレ・ハモンの復讐作戦時には戦力として数えられていなかった。
漫画『MSV-R 宇宙世紀英雄伝説 虹霓のシン・マツナガ』では、反乱分子鎮圧にランバ・ラルの部隊が使用している。「前方投影面積がデカすぎる」とのツッコミに答えたのか、この機体は左右のキャットウォークを後方に折りたたんで走行し、兵員降車時に左右に展開させる構造だった。
漫画『MSV-R アクショングラフィック編②』ではU.C.0079年に実施されたルナタンクの砲撃試験時、月面にぽつねんと1両置かれていた。劇中描写から戦闘指揮車ないしは着弾観測車両として用いられていたようである。
バリエーション
宇宙用キュイ
『機動戦士ガンダム第08MS小隊 宇宙世紀余話 パイロット編2 ランバラル&黒い三連星』(1996年)に、ノーマルスーツ姿の兵士を搭載した姿で多数登場。履帯は廃され、本体後部に4基、他にも複数のノズルを装備する。また、左右キャットウォークの基部下には、ミサイルランチャーのような装備も見える。ルウム戦役時にランバ・ラル大尉がゲリラ戦で用いたとされる。
ガンダム関係の著作も多いことぶきつかさは、同機に「キュイッヘ」と名付けることを推奨している模様。(参考)
立体化
立体化には比較的恵まれており、以下が存在する。
- 森永製菓、食玩「機動戦士ガンダム コーヒーキャラメル」ノンスケール (参考)
- B-CLUB、ガレージキット「ジオン公国軍 揚兵戦車キュイ」1/100スケール
- バンダイ、「HCM-pro ホワイトベース討伐隊セット」1/200スケール (参考)
- バンダイ、食玩「機動戦士ガンダム マイクロウォーズ2 キュイ&パイロット」SD化形態 (公式)(参考)
関連イラスト
- 9月1日は「キュイの日」。