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概要

地球連邦軍教導団の青年将校を母体とする反乱軍・ニューディサイズが使用した大型特殊モビルスーツ

ドイツ語で数字の「2」を意味する「ツヴァイ」の名が示すとおり、X(ゼク)シリーズ2番目の機体で、ゼク・アインに倍する性能を謳い文句とする、大火力と高機動性を兼ね備えた実戦本位の大型MSである。

後背部に接続された大型推進ブロック(バック・パック及びテール・スカート)や増加ブースターによって、全高27.44mに対して前後幅40.32mと非常にずんぐりとした体形になっており、従来のMSと比較して人型というよりは怪物的ともいえる異様な形状を持つ。その鈍重そうな見た目と150トンを超える全備重量からは考えられないほど動きは軽快であるものの、AMBAC機動が有効に作用するわけではなく、人型のMSとしてはある程度の格闘戦ができる以上のメリットは薄い。これは、連邦のMS技術者がRX-78の成功経験からあくまでもMSの高性能化・大出力化にこだわった所謂「MS信仰」に囚われていたためで、ジオン公国系技術者がこのクラスになるとモビルアーマーの設計に移行していったのとは対照的である。

両肩にマニピュレーターを備えたサブアームが2基ずつ計4基が設置され、武器の支持・操作などメインアームの補助に用いられる。両肩上部のラッチはゼク・アインの倍の計4基に増加、その他機体各部にハードポイントを備え、ゼク・アインと共通の各種オプション兵装を装備できる。中でも、ゼク・アイン第2種兵装のビームスマートガンとディスクレドームは標準装備とされ、遠射戦能力に秀でる。また、前部スカートアーマー部にミサイルポッド3基、バックパックのラッチに大型クラブを多数装備する(使用時はサブアームで取り出す)など実弾武装も充実しており、サブアームも含めた6本の腕部で大型クラブを一斉発射する様子が、本機体の特徴的な姿として挿絵などにも描かれている。

ただ、機体性能は高いものの、重武装と高機動の両立を図った結果として「行き着くところまで行ってしまった量産機に汎用性を取り戻し、新世代の汎用量産機を目指す」ことをコンセプトとした筈のXシリーズは2機種目である本機体で早くも再び行き着くところまで行ってしまい、MSの進化の袋小路から抜け出せない状態であることが浮き彫りとなった。また、ポテンシャルを引き出せるパイロットが限定される程度には操作が複雑で、この面でも汎用性を目指したXシリーズの目的を踏み外してしまっている。よって、本機は厳しい見方をすれば、機体としては高性能でも本来の機体コンセプトに対して若干の破綻をきたしている失敗作と言えなくもない。

それを受けて、Xシリーズ計画はもう一度汎用性を見直しゼク・アインより小型でバランスの良い機体を展開する方向性が示され、そのコンセプトに沿った機体であるゼク・ドライ(ドイツ語で「3」の意味)の開発が検討されていたのだが、ニューディサイズ動乱においてペズン基地が崩壊し、ニューディサイズも壊滅してしまったため、プロジェクトは頓挫してしまい、Xシリーズも発展のないままに終わってしまった。

劇中ではトッシュ・クレイが月面都市エアーズ市への降下の際に搭乗したほか、地球軌道上の最終決戦ではシャトル護衛のために数機が出撃。その中にはジョッシュ・オフショーの乗った機体もあったが、ALICEシステムが発動したSガンダムに地球へと放り投げられ、大気圏で燃え尽きた。

余談

「ガンダムセンチネル」雑誌掲載時は所謂ラスボスに相当する扱いであったが、別冊化された際に小説の内容が再編され、最後の強敵として大型MAゾディ・アック」が追加された為、扱いや活躍が変更されている。

発想の元がデザインしたカトキハジメ本人かは不明だが、単独の設定画で見ても「ゼク・アインより巨大」で「倍の性能がある」機体である事が解る記号として、下腕部などにゼク・アインと同型のパーツを使用してサイズ差を強調したり、同パーツの搭載数を増やしたり(肩のウェポンラックをゼク・アインの2個から倍の4個、脛部プロペラントタンクの個数をゼク・アインの2個から3個という具合)といったデザインがされている。これは、従来の巨大MSやMAのデザインが比較対象が無ければそのサイズ差を表現できていないことに対するアンチテーゼ・提言を含めている、との意をディレクターのあさのまさひこ氏などは匂わせている。

発表当時は「カトキ版ジ・O」という評価もあった(後に初期HG版Ζガンダムの説明書にカトキハジメが描いたジ・Oが掲載されている)。

この「倍の装備を持っているので、見るからにデカそう」というコンセプトと、ヌリカベ風の体型は、後の「ザメル」「ヤガランデ」等の元になっている。

バリエーション

RMS-141 ゼク・アイン

RMS-143 ゼク・ドライ

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