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86-エイティシックス-

えいてぃしっくす

『86-エイティシックス-』とは、安里アサトのライトノベル作品。2021年にはアニメ化もされた。
目次 [非表示]

2人は戦う。少女は"涙"と共に。少年は"死"と共に。


概要

原作:安里アサト、イラスト:しらび、メカニックデザイン:I-Ⅳ(アイフォー)によるライトノベル

第23回電撃小説大賞の大賞受賞作の他、「このライトノベルがすごい!2018」の文庫部門にて新作1位及び総合2位を獲得した。既刊は2022年2月時点で11巻。


フラグメンタル・ネオテニー

派生作品その1。原作者自身の手によるカクヨム連載作品。

スピアヘッド戦隊転属前の幼き日のシンの戦いの日々を描く。

電撃大賞受賞作品の大先輩とは第1巻(応募作)がクライマックスで、そこに至るまでの物語「第2巻以降は(良くも悪くも)作風が別物」という点が共通している。そのため、やはり同様に見方によってはこちらこそが真のエイティシックスと言えるかもしれない。

下記の通り、第10巻として書籍化された。


オペレーション・ハイスクール

派生作品その2。学園パロディ、以上。

…と言いたいところだが、カクヨムで原作者自ら執筆した公式作品(のコミカライズ)である。


各巻サブタイトル一覧

  1. (無し)
  2. ラン・スルー・ザ・バトルフロント〈上〉
  3. ラン・スルー・ザ・バトルフロント〈下〉
  4. アンダー・プレッシャー
  5. 死よ、驕るなかれ
  6. 明けねばこそ夜は永く
  7. ミスト
  8. ガンスモーク・オン・ザ・ウォーター
  9. ヴァルキリィ・ハズ・ランデッド
  10. フラグメンタル・ネオテニー
  11. ディエス・パシオニス
  12. ホーリィ・ブルー・ブレット
  13. ディア・ハンター

あらすじ

サンマグノリア共和国、そこは帝国の兵器『レギオン』による侵略を受けていた。しかし、それに対して共和国も同様の無人兵器を開発、かろうじて犠牲を出す事無く、脅威を退けていた。


……それは、あくまでも表向きである。


実際は共和国全85区画の外に『86区』が存在し、そこで『エイティシックス』の烙印を押された少年少女たちが日夜《有人の無人機》として戦っていた。


(※電撃公式より引用。ピクシブ百科事典用に調整)


主な登場人物

通称はレーナ。スピアヘッド戦隊のハンドラーを務める白銀種の少女。生真面目な性格で共和国の現状や腐敗した軍部に反発している。優れた指揮管制能力を持つ。情報の分析や洞察力にも長けており、特に4巻以降ではごく限られた情報からレギオンの進軍経路を寸分の狂いなく予測してのける(1つ2つ外したなどのレベルではなく文字通り完璧に)など、知能が異常発達する異能者をして「化け物」とまで評された。階級は少佐。1巻終盤のある作戦での規律違反の責任をとり、2,3巻では大尉に降格するが4巻以降は大佐に昇格している。


通称シン。旧スピアヘッド戦隊戦隊長兼元第一小隊長。当時の階級は大尉。

<アンダーテイカー>は共和国時代からのパーソナルネーム。

夜黒種と焰紅種の混血の少年で、仲間には「鉄面皮」と言われるほどの冷静沈着な性格。

死神の異名を持ち、致命傷を負った隊員の介錯と戦死した隊員の名をその機体の欠片に刻み弔う役目を背負っている。

類い稀な操縦技術を持ち、「どうせオワタ式なんだから攻撃力を高めよう(意訳)」と言う理由で高周波ブレードを用いた近接戦闘を主軸に生き延びてきたが、XM2に乗り換えても相変わらずである。

収容所で保護者代わりを務めていた元軍人の白系種の神父より生き残るための知識とあらゆる戦闘技術を徹底的に叩き込まれており、操縦技術もその賜物で、生身でも自分より大柄なダイヤやライデン、正規軍人すら瞬殺する強さ。加えて同世代の86よりも高い教養を有している。


第86独立機動打撃群

<>内はパーソナルネーム。旧スピアヘッド小隊出身者は共和国時代から引き続き同じパーソナルネームを使用する。


旧スピアヘッド戦隊副隊長元第二小隊長。黒鉄種の少年で当時は中尉。シンとは腐れ縁のような間柄で長い付き合い。よく気が利く戦隊の兄貴分。作中の描写からかなりの料理の腕を持つ模様。

戦闘では火力拘束での支援を得意とし、XM2乗り換え後は主砲にも機銃を装備している。


旧スピアヘッド戦隊元第三小隊長。翠緑種の少年で当時は少尉。通称セオ。少々口が悪い皮肉屋。絵を趣味にしており、戦隊員のパーソナルマークは彼が描いている。

戦闘ではワイヤーアンカーを用いた三次元機動戦を得意とする。そのためかXM2は標準仕様。


旧スピアヘッド戦隊元第五小隊員。月白種と天青種の混血の少女で当時は准尉。淑やかな性格でライデンと並んで料理上手。戦闘ではミサイルを用いた面制圧が得意。

…が、当然共和国時代はミサイルなど支給されないので本領発揮はXM2に乗り換えてから。


旧スピアヘッド戦隊元第六小隊長。瑪瑙種と金晶種の混血の少女で当時は少尉。シンに対して淡い恋心を抱いている。実は作者曰くバストは作中No.2

戦闘では狙撃に長け長距離砲撃仕様の機体を駆る。そのためアニメ版ではシン同様XM2乗り換え後も機体アセンが変わらないが、ちゃんとコクピットにHMDが用意された。


レーナが旧スピアヘッド戦隊解散後に指揮を執った部隊の戦隊長。女性ながらガタイが良く、軍服に収まりきらないほどの巨乳の持主。(もちろん作中No.1。)

レーナの指揮力を買って、異名になぞらえて「女王陛下」と呼んで付き従い、レギオンからの大規模攻勢ではその右腕として活躍した。

XM2は索敵能力に特化したタイプとなっている。


  • ダスティン・イェーガー<サギタリウス>

後に機動打撃群に加わった白銀種の元共和国市民。レーナと同い年。

幼少期にギアーデ帝国から移住した移民一世であり、正しい意味での敵性国民であるにもかかわらず人種を理由に迫害を免れ、同じ移民出身の同級生達がエイティシックスとして死ぬのを座視していた側だとして、その汚名を雪ぐために自ら志願した。アンジュに気を寄せている。


連邦でも外様扱いされる傭兵部族のリーダー格を務める壮年の男性。階級は軍曹。

遥かに年下のシンを隊長と仰ぎつつも、彼らだけに戦いを任せてられないとする善き軍人。


レーナの親友で知覚同調(パラレイド)の研究主任を務める白系種の少女。技術大尉、のち少佐。

理想を語るレーナに対し露悪的に振る舞うが、内心では幼い頃に周囲の圧力に負けた結果、エイティシックスの幼馴染一家や父親を破滅に追い込んだトラウマに苛まれている。


とある事情からエルンストに養子として匿われている少女。

10歳でありながら老成した喋り方と達観した価値観を持つが、根は年相応の子供。

シン達にあるレギオンの破壊を頼み、自身も当初はマスコット名義で、機動打撃群設立後はレーナの補佐官という形で従軍する。


  • ファイド

後述のスカベンジャーの1機。旧スピアヘッド戦隊以前からシンに付き従っている。例外的に高い知能を持ち、部隊の皆にも可愛がられている。

特別偵察任務の途中でシンを庇って大破したが、ギアーデ連邦によって回収された際にコアユニットの無事が確認された事から新ボディに載せ替えて復活する。


旧スピアヘッド戦隊

1巻にてシン達が所属していた部隊。東部戦線における歴戦のエイティシックスを集めた精鋭部隊……と言えば聞こえは良いが、実態は市民権返還の条件とした兵役満了を阻止するために激戦区へと送り込まれる処刑(される)部隊で、仮に生き延びても最終日に「特別偵察任務」と称したレギオン支配域への片道特攻が命じられる。もちろん、他の戦線にも似たような部隊(北部の場合は「スレッジハンマー戦隊」)が存在する。

以下の面々は、その特別偵察任務まで生き残れず全員死亡した。


  • カイエ・タニヤ<キルシュブリューテ>(CV:白石晴香)

第四小隊長を務める極東黒種の少女。階級は少尉。少年のような口調で話し、気さくな性格。戦隊で一番小柄だが、実はシンより年上。生身での戦闘力も持ち合わせており、原作4巻にて、ステゴロ大会で隊で一番大柄なクジョーを蹴り1発でKOし小隊長に就任した、というエピソードが明かされた。

湿地帯に誘い込まれ、足を取られて身動きがとれない間に攻撃を受けて戦死。レーナが着任してから初の戦死者であり、物語のターニングポイントとなっている。


  • ダイヤ・イルマ<ブラックドッグ>(CV:石谷春貴)

第五小隊長を務める青玉種の少年。階級は少尉。ややお調子者で状況のしわ寄せを食らうことが多い。上記のステゴロ大会でかは不明だが、かつてシンに挑み瞬殺された事がある。レッカ救援に向かう途中、自走地雷型の特攻により戦死。


  • レッカ・リン<バーントテイル>(CV:石上静香)

第六小隊員。ダイヤの救援が失敗したため、脳を刈り取られる前に自決する。


第三小隊員。レーナ着任直前に戦死。


第一小隊員。緋鋼種の少年で隊のムードメーカー。特別偵察任務の直前に戦死、最後の死者となった。


その他の戦隊員

  • 第一小隊

  • 第二小隊
    • マシュー・ナナキ<ワルプルギス>
    • チセ・オーセン<グリフィン>(CV:小野将夢)
    • クロト・ヒニエ<マンティコレ>

  • 第三小隊
    • ミナ・シロカ<アルテミス>
    • ハリズ・センヤ<キャタナイン>
    • マイナ・ヤトミカ<マーチヘア>(CV:風間万裕子)

  • 第四小隊
    • ミクリ・カイロゥ<レウコシア>(CV:貫井柚佳)
    • トウザン・サシャ<ガンメタルスコーム>(CV:坂泰斗)

  • 第五小隊
    • カリヤ・ロウガ<ラ・ベート>
    • シュリ・ジリス<デンドロアスピス>

  • 第六小隊
    • オーチ・アントン<グラディアトル>
    • イオ・ドーダンセー<アルゴス>

その他の主要人物

サンマグノリア共和国

1巻、4巻、11巻の舞台。かつては自由と平等を標榜していたが、レギオンとの戦争で正規軍が壊滅したのを機に白系種以外の人種を「進化に失敗した劣等種」として非道な差別政策を行っていた国。倫理観を持ち合わせている者も多少は登場するが、それ以外は上から下まで差別感情と我欲にまみれた笑い話にもできないレベルの屑で愚物でド外道ばかり。


スピアヘッド戦隊の整備班長を務める壮年の男性。階級は中尉。

整備兵として、長年エイティシックスを見守っているが、無茶な駆動を繰り返し機体を壊しまくるシンをいつもどやしつけている。実は髪を染めた白系種であり、エイティシックスにされた妻子の市民権を取り戻す為に従軍したが負傷で後送されている間に徴兵された妻子が戦死したという過去がある。

大規模攻勢においては猛攻を受けるスピアヘッド基地からプロセッサーを逃がす為、他の整備員達と共に囮となって戦死する。しかし、死の間際に思ったのは妻子ではなく、家族を貶め死に追いやった共和国への憎悪であった…


  • ジェローム・カールシュタール(CV:三上哲)

レーナの上官で、階級は准将。数少ない正規軍人の生き残りであり、レーナの父親とは友人であったため、私的にも交流があり「ジェローム叔父様」と呼ばれ慕われていた。

共和国の腐敗を憂いつつも、絶望と諦観に心折れて現状を受け入れている。

レーナに対しても当初は遠回しに諦めるよう促していたが、「特別偵察任務」の撤回を巡る対立を経て決別する事となる。

しかし、レギオンからの大規模攻勢ではレーナに厳しい言葉を掛けつつも時間稼ぎのために先陣をきって戦いに臨み、碌に小銃も撃てないチンピラ以下の共和国兵でレギオン進軍を2日間遅らせるという偉業を成し遂げた。そして、炎上する首都で変わり果てた友人と再会する事になる…


  • ショーレイ・ノウゼン<デュラハン>(CV:古川慎)

シンの兄で、通称レイ。年の離れた弟のシンを溺愛していたが、両親の死と戦時下の極限状態からシンを絞め殺しかけてしまい、そのまま和解することなく従軍する。

その中で視察中に乗機を撃墜されて戦地に残されていたレーナを救出しており、この出来事が彼女の原点となっている。

和解を願いながら5年前に戦死したが、レギオンへと取り込まれ《羊飼い》となった事でその願望は歪められ、「シンもレギオンへと取り込み傍に置こう」と探し続けている。シンもまた、彼の亡霊を倒そうと追い続けており、2人の決戦は1巻における大一番となる。


ギアーデ連邦

戦争の引き金を引いたギアーデ帝国が革命で倒れて成立した民主国家。2,3巻の舞台でレーナ達の現在の拠点。

先に言おう。上層部は頭のおかしい人ばっかである。革命家とその手足だったから是非もなしか。

とはいえ、シンとレーナの再会をドラマチックに演出するのに全力を尽くしたり、煙草休憩中に悪の大幹部ごっこをして遊んだりとお茶目な大人達でもある。


ギアーデ連邦暫定大統領。「善」に対する原理主義者要するに狂人

普遍的な正義や平等を実現できない国(人類)は滅んでしまえと本気で言い切れる人。


シン達が連邦で最初に所属した一〇二八試験部隊の部隊長を務める女性軍人。階級は中佐。

本作では…というか二次元では珍しく女性兵士らしい髪型の色気の欠片もないお方。

レギンレイヴの設計・開発者で本人もレギンレイヴを乗りこなせる。要するにこの人も狂人

擁護しておくと人外に空を奪われた元空軍なので足のついた戦闘機を、CV植田佳奈なのでうっかり開発してしまっただけかもしれない。テストパイロットを務めた元86たちに機体の不平不満を述べる概念が欠如していたこともつけ加えておく。

連邦におけるシン達の理解者であるが、その上で彼らに日常に帰ってほしいという自身の正義を彼らに押し付けることもいとわない。

どちらも「自身がシンたちと同じ世代の頃に恋人がレギオンとの戦いで戦死」して「もっと早いフェルドレスがあれば」と思ったことが原因と思われる。

そしてその恋人の出身は叩き上げの戦闘属領兵…つまり被差別民族の少年兵上がりであった。つまり、シンとレーナが恋愛的な意味で辿りかねない最悪(は今では《羊飼い》化なのでその一歩手前)の未来を辿ってしまった女性である。


連邦軍西方方面軍参謀長。グレーテとリヒャルトの同期で階級は准将。

口の悪いリアリストだが、「連邦には代えの効かない人間はいない。良くも悪くも」と彼もまた彼なりにシン達を気にかけている。むしろモルフォ討伐作戦が一度失敗した際には上層部の責任としてシンたちの撤退を提案したほどである。

かつて戦死したグレーテの元恋人とは彼女をめぐる恋敵にして友人だった。

とここまで書くと冷酷だが常識ある将官、キレ者の頭脳派に見えるが、若い頃はどっかのお人好しの死神さん同様の白兵戦キチ○イで、通称“人斬り蟷螂”あるいは“エーレンフリートの人斬り庖丁”。というか、部下の仇討ちに「十倍返し」を掲げて歩兵用装甲服で近接猟兵型とキャッキャウフフしていたので死神さん以上である。

シンが職業キャリア的な意味で辿れるかもしれない最高の未来…かもしれない。

共和国製ジャガーノートのレギオン側戦力評価が装甲歩兵扱いなので、名無しの86が乗ったジャガーノートと全盛期の准将なら多分准将のほうが強い。

軍事以外の面では、グレーテの結婚式場を薔薇で埋め尽くすサプライズを用意したり(なおその薔薇は遺体を回収できず空で埋葬された恋敵の棺桶へブチ込んだとの事)死神女王のアオハルな恋模様をからかったりファイドと「ぴ」だけで会話を試みたり(アニメ版)と、割とお茶目。


連邦西方方面軍第177機甲師団師団長。隻眼。階級は少将。

グレーテとは陸軍大学の同期だが、軍歴は一回り上なので「先輩」と呼ばれている。

シン達を「哀れな子ら」と呼ぶ一方で「戦場が産んだ化け物」として危険視しており、分散して運用した結果一般兵の悪評を生む原因を作った。

…のも事実ではあるのだが、その長い軍歴と将官としての立場から「兵士として完成され、戦場を忘れられなくなった者」の末路を幾度も見てきた、グレーテとは全く違うベクトルでのシン達の理解者でもある。

その方向性の違いはシン達の社会復帰を諦観している点に表れており、彼らを分散運用したのも無茶な作戦に投入されて使い潰されるのを避けるため、敢えて分不相応な評価を与えるのが目的であった。

実際に彼らに特攻同然の任務を命じなければならなくなった際には彼らにそれを命じる役を引き受けるなど苦労人かつ汚れ役な人。

というかキチ○イしかいない連邦軍上層部名前付きキャラクター唯一の常識人

11巻での共和国派遣軍及び共和国市民避難作戦において、85区陥落直前に出発できた最後の避難民が連邦へ到着する時間を稼ぐ為、追撃する数万のレギオンを配下の一個連隊で3日に渡り足止めし玉砕する。


連邦で妹共に暮らす白銀種の少年。元帝国貴族だが、両親を亡くしている事もあって家庭の金銭事情は苦しいため、従軍を希望している。

シンとは特別士官学校の同級生として親しくしていたが、激化する前線で長距離砲兵型の砲撃を受けて戦死。


  • キリヤ・ノウゼン<ペイルライダー>(CV:上村祐翔)

帝国時代にフレデリカの従者を務めていた青年。シンとは遠縁の親類に当たるが、互いに面識は無い。

フレデリカにとっては優しい兄代わりであったが、連邦軍との戦いの中でいつしか正気を失ってしまい、フレデリカの死亡偽装を見て絶望したところをレギオンに捕らわれ《羊飼い》となる。

レギオンに取り込まれた彼は、作中随一の超兵器・電磁加速砲型〈モルフォ〉を駆り、主を殺された怒りと殺意を無差別に振りまく事となる。


ロア=グレキア連合王国

王家に異能を引き継ぐ北の大国。5,6巻の舞台。国の上層部は(絶対王政ゆえの前時代的な部分はあれど)連邦に比べてかなりまとも。だが1人の王子がその印象すべてをぶっ壊す勢いの狂人


  • ヴィークトル・イディナローク<ガデューカ>

ロア=グレキア連合王国第5王子。愛称はヴィーカ。18歳の若さで南方方面軍総司令官を務める。機動打撃群の連合王国での作戦に際し中佐としてレーナの指揮下に入り、以後エイティシックス達と行動を共にすることが多くなった。

知能が異常発達するが、代わりに倫理観を失う異能「紫晶」の継承者。亡くなった母に会うために、母の遺体から(勝手に)取り出した脳の構造を元にして人工知能マリアーナ・モデルを開発した。この人工知能はレギオン制御システムの原型となっており、エイティシックス迫害の遠因となった人物の一人(シン達もレーナも、本人もそのことは微塵も気にしていないが)。またこれにより、王族の遺体を損壊したとして王位継承権を剥奪されている。

これだけだとただのサイコパスのようだが、一般的な倫理観について理解はできずとも逸脱しないよう気を遣ったり、自身の部下たるシリン達や臣下に対する王族としての責任感は相当しっかりしていたり、幼馴染を大事にしたりと完全に外道というわけでも無い。

戦闘では専用にカスタムされたバルシュカ・マトゥシュカを駆り、自ら最前線まで赴く。AI補助が前提の多重ロックオンシステムをすべて手動で、しかもAIより速く正確に操るというシンとは別ベクトルのバケモノ。


  • レルヒェ

ヴィーカに付き従う少女。常に軍服姿で帯剣までしている。彼女を含め、ヴィーカの指揮する部隊にはシリンと呼ばれる少女兵が数多く所属しているがその正体は…


  • ザイシャ

ヴィーカの副官。野暮ったい眼鏡をかけた小柄なドジっ子。日常生活では全く頼りにならないが、任務は何故か完遂する。情報の処理・解析を得意としているような描写がある。

ちなみに「ザイシャ」はヴィーカがつけた「子ウサギちゃん」という意味のあだ名であり、登場からそこそこ経過しているにもかかわらず11巻現在でも本名不明のまま、生真面目なレーナすら本名を呼ばない(長い上に連合王国民以外には発音しづらい名前で本来の愛称はローシャ、ということは判明している)。

余談だがヴィーカの婚約者はヤロスラーヴァという名前で、その愛称は…


ヴァルト盟約同盟

山岳地帯に建てられた国家。7巻の舞台。資源には乏しいが、国民皆兵政策をとっているため軍事面は非常に強い。世界で初めてフェルドレスを実用化した国でもある。


  • オリヴィア・アイギス<アンナマリア>

XM2用の新装備「アルメ・フュリウーズ」の教官を務める軍人。階級は大尉。艶やかな長い黒髪と碧い瞳をもち、戦死した婚約者と同じ香水をつけている。

混血だが青玉種の異能の血統であり、「3秒先までの未来を見る」異能を有する。シンと渡り合うほどの技量を持つ白兵戦特化のオペレーターで、国土の地形の関係で防衛戦が多いレギオンとの戦闘を「中途半端で食い足りない」とか言っちゃうヒト。要するにこの人も狂人


レグギード征海船団国群

ギアーデ連邦の北に位置する、冷たい海に面した小国。11個の船団国からなる連邦制国家。8巻の舞台。

作中世界の海洋に棲息する≪原生海獣(クジラ)≫と呼ばれる謎の生命体に対抗しこれを狩ることを国是としており、高い海軍力を誇る。1つの家門、1つの街でそれぞれ船を有し、1つの氏族(=1つの船団国)で正解船団1つを形成する。船団全体を家族と捉え、艦隊司令を父母、各艦長を兄姉、船員を弟妹とする独自の文化をもつ。

登場する人物は、正直他の国々とは比べものにならない素晴らしい人格者揃いである。


  • イシュマエル・アハヴ

船団国群合同海軍、征海艦隊≪オーファン・フリート≫旗艦ステラマリスの艦長を務める翠緑種の男性。階級は大佐。海の男らしい豪快な性格だが、エイティシックス達のことを気にかけている。


  • エステル

ステラマリスの副長を務める女性。階級は大佐でイシュマエルより年上だが、征海艦隊の習わしに従い彼を兄上と呼ぶ。イシュマエルと同様エイティシックス達を気にかけ、クレナの話を聞き励ましたりしていた。フルネームは不明。


フェルドレス

個別記事が存在する機体は、詳細をそちらで参照のこと。

本作の主役メカで、ヴァルト盟約同盟が初めて開発し実戦投入した有人多脚装甲兵器。

「戦闘車両と歩兵の複合」がコンセプトの汎用型陸戦兵器である。

同盟が旧ギアーデ帝国軍の15個戦車師団を撃退したことで脚光を浴び、各国で開発・運用が始まる。だが実際には従来型戦闘車両と比べ機動力と運動性勝り火力と装甲に劣る中途半端な存在であった。


しかしレギオンとの戦争によって各国の物的・人的被害が膨大となっていった結果、そのコンセプトが必要な人員と戦線に投入する資源を削減したい各国の思惑と合致、航空戦力の無効化もあり戦場の主役となった。

有人機であるがゆえに個々の性能ではレギオンに劣るため、戦術と物量で辛うじて対抗できている状態にある。


ギアーデ連邦にとっては、「フェルドレス」の名はレギオンら無人多脚装甲兵器と区別する意味合いもある。


ネーミングは英語の「バトルドレス」のドイツ語読み。


M1A4ジャガーノート

サンマグノリア共和国工廠開発の欠陥兵器。動く棺桶未満なアルミの棺桶


XM2レギンレイヴ

ギアーデ連邦開発。M1A4とは全くの無関係だが実質的な後継機で、“使いこなせれば”強力な最新鋭機。

ただし、搭乗者の安全が二の次なのは変わらず、元エイティシックス達もジャガーノートと呼んでいる。


スカベンジャー(M101バーレット)

フェルドレスではなくジャガーノートの補給支援機。正真正銘の無人機だが、搭載されているAIは単純な命令しかこなせない。

しかし戦場で残骸を漁る姿からスカベンジャー呼ばわりされている。


その他のフェルドレス

兵器そのものの説明は主役機の節を参照。こちらは主に各国の主力機体を記載する。


ギアーデ連邦

M4A3ヴァナルガンド

連邦軍の主力。全長6.5m、全高2.9m。複座式で第3世代。フェルスインゼル陸軍工廠開発。

120 mm滑腔砲と12.7 mm重機関銃2丁を装備し前面装甲は600mm圧延鋼板相当、八脚による巡航速度も時速100キロ近く、斥候型や近接猟兵型であれば充分に圧倒可能な人類最高峰の機体である。重装甲ゆえの鈍重さと有人機であることそのものが弱点となって総合力は戦車型レギオンにやや劣るが、統制をとった連携と人海戦術で戦線を維持している。シンたちの入隊前の時点で第三期改修型が最新モデル。


ロア=グレキア連合王国

バルシュカ・マトゥシュカ

主力の有人式フェルドレス。全長7.0m、全高2.7m。王属技術院第六工廠製開発。主戦場は氷雪地帯。

雪原に合わせて五対十脚の太く短い鉤爪の脚部をもち、安定した姿勢から一撃必殺を狙う。

また、環境のせいで本来軽量型レギオンを露払いすべき歩兵の運用が困難なため、フェルドレスとしては規格外の重武装と多重ロックオンシステムを擁している。

そんな武装は長砲身125mm砲、7.92 mm同軸機銃、14 mm旋回機銃、40 mm擲弾発射機×8。

ヴィーカ専用機「ガデューカ」は主砲を155mm砲、同軸副砲を7.62mmに変更している。


アルカノスト

無人半自律式フェルドレス。全長4.2m、全高1.8m。王属技術院第六工廠開発。

華奢な胴体に五対十脚の長い脚部をもつ。

武装は短砲身105mmガンランチャー、14mm重機関銃。

小型軽量を突き詰めてレギンレイヴ以上の運動性を得た一方、装甲はお察しであり生存性は極めて低い。制御用コアユニット「人造妖精〈シリン〉」はレギオンと一部似通った手法で作られている。

行動不能になったバルシュカ・マトゥシュカの搭乗者を保護するため、〈シリン〉が機体を譲渡し操縦を交代する場合がある。


ヴァルト盟約同盟

Mk6ストレンヴルム

全長4.5m、全高3.5m。ヤーセン第三工廠開発。主戦場は山岳地帯。

山岳地帯での機動性を確保すべく四脚に胴部の折りたたみ式補助脚、さらにグリフォンの翼と尾のようなスタビライザーを搭載している。

加えて一対の滑空翼によって極低空飛行を可能とし、迅速な戦線展開からの機動防御を行う。熟練者なら滑空翼を用いた跳躍や急制動によるトリッキーな戦闘機動を行える。

武装も取り回しを重視した短砲身105mm散弾砲or40mmガトリング砲、両肩のパイロンに高周波ランスorワイヤーアンカーを選択式で装備する。

一方で山岳地帯で軽い機体で激しい機動を行うために、パイロットは装甲強化外骨格を着用しなければならない。居住性も悪く、光学スクリーンではなく網膜投影で視覚を確保している。


ノイリャナルセ聖教国

機甲五式ファ=マラス

聖教国軍制式フェルドレス。全長7.0m、全高2.9m。聖教宮鍛冶殿兵杖塔開発。

主戦場が白紙地帯(火山灰が降りしきる死の大地)と言う特殊な環境なため、火山灰に足を取られないことを優先して接地面積の広い鳥の翼のような八脚を採用している。

武装は120mmライフル砲、主砲同軸12.7 mm機銃、旋回式12.7 mm機銃。

重装甲高火力のコンセプトは連邦のヴァナルガンドに近いが、技術力の問題で総合性能は一段階劣る。

また、兵員不足が深刻な聖教国の事情により生存性を重視した設計となっており正面装甲の増加に加えて、主砲の機関部や弾倉すらコクピット前方に配置している。


機甲七式リャノ=シュ

機甲五式が管制する無人機。親機同様の接地面積の広い四脚。全長3.2m、全高1.6m。

武装は106 mm無反動砲×6、照準用12.7mmスポッティングライフル。

前方投影面積と装甲材の削減を図った急造品で、機動性・運動性は劣悪。

実質的な小型自走砲で、待ち伏せ射撃を主とした運用がなされる。

と、思われていたが…


レギオン

ギアーデ帝国が開発した生産から戦闘まで全自動で執り行う完全自立無人戦闘機械

帝国は既に滅亡したが、それでも止まることなく全世界への侵攻を続けている。

本来であれば経年で構造図が自壊して自動停止するようになっていたのだが、人間の悩を取り込む事でそれを克服し、同時に知性を得てより凶悪な兵器となって人類に牙を剥く。


詳細はレギオン(86)を参照。


コミカライズ

86-エイティシックス-

本編1巻のコミカライズ版で、ヤングガンガンにて連載された。作画は吉原基が担当。単行本は全3巻。


86―エイティシックス― ―ラン・スルー・ザ・バトルフロント―

本編2巻からのコミカライズ版で、マンガUPにて連載中。作画は山﨑博也が担当。既刊は2021年6月時点で1巻。


86-エイティシックス- オペレーション・ハイスクール

作者が番外編としてカクヨムに不定期連載している「学園86(86-エイティシックス- オペレーション・ハイスクール)」のコミカライズ版。月刊コミックアライブにて連載中。作画は染宮すずめが担当。既刊は2021年9月時点で2巻。


86―エイティシックス― フラグメンタルネオテニー

本編10巻のコミカライズ版で、月刊コミックアライブにて連載された。作画はシンジョウタクヤが担当。単行本は全2巻。


86―エイティシックス― 魔法少女レジーナ☆レーナ ~戦え!銀河航行戦艦サンマグノリア~

アニメ版BD/DVDの特典小説である番外編のコミカライズ版。月刊コミックアライブにて連載中。作画は染宮すずめが担当。


テレビアニメ

2020年3月23日にテレビアニメ化決定を発表。同年12月22日には放送時期が発表されている。

また、2021年3月27日のAnimeJapan2021内において、分割2クールでの放送であることが発表・判明されている。

第1期は2021年4月から同年6月までTOKYOMXとちぎテレビ群馬テレビAT-Xに加えてBS11とか日本テレビ系列局のごく一部などにて放送された。

第2期は2021年10月から上記の同局にて放送されたが、後半は制作遅れから特番や総集編を挟むこととなり、最後2話(第22・23話)は2022年3月に放送された。


制作スタッフ

監督石井俊匡
キャラクターデザイン川上哲也
シリーズ構成大野敏哉
音楽澤野弘之KOHTA YAMAMOTO
CG制作白組
CG監督吉田裕行
美術監督野村正信堀越由美
背景美峰
色彩設計安部なぎさ
撮影監督岡﨑正春
編集三嶋章紀
音響監督明田川仁
アニメーション制作A-1 Pictures

主題歌

オープニングテーマ

「3分29秒」〈1−11話〉

歌:ヒトリエ 作詞・作曲:シノダ / 編曲:ヒトリエ


「境界線」〈12話-23話〉

歌:amazarashi 作詞・作曲:秋田ひろむ


エンディングテーマ

「Avid」〈2−11話、23話〉

SawanoHiroyuki[nZk]:mizuki 作詞:cAnON./作曲・編曲:澤野弘之/歌:mizuki


「Hands Up to the Sky」〈4、6、8、10話〉

SawanoHiroyuki[nZk]:Laco 作詞:cAnON./作曲・編曲:澤野弘之/歌:Laco


「アルケミラ」〈13話-22話〉

歌:リーガルリリー 作詞・作曲:たかはしほのか


「LilaS」〈23話〉

SawanoHiroyuki[nZk]:Honoka Takahashi 作詞:たかはしほのか/作曲:Hiroyuki Sawano


その他

AnimeJapan2021内において、TOYOTA86に本作品のラッピングを行った、「86」繋がりの痛車「エイティシックス号」が発表された。

エイティシックス号は、2021年3月28日から3月31日までアニメイト池袋本店にて展示された。


商品展開の一つとして、バンダイからは異例ともいえるキャラクタープラモデルがリリースされることになった。ジャガーノートおよびレギンレイヴといった作中のメカだけでなく、フィギュアライズというレーベルからレーナも立体化されたりしている。


関連動画

アニメ化決定映像


第一弾PV


第二弾PV


第三弾PV


関連項目

電撃文庫 少年兵 ミリタリーアクション 2021年春アニメ 2021年秋アニメ


コラボタグ

Fate/Eighty-SixFateシリーズ


電撃文庫関連

  • キラプリおじさんと幼女先輩:同じ回の電撃小説大賞で受賞した同期作品。
  • ソードアート・オンライン:電撃文庫のエースの先輩かつ展開繋がり。上記の通り「第1巻がクライマックスで第2巻以降は良くも悪くも作風が別物」、「第1巻以前の物語がネット小説として後に連載され書籍化」という商業展開が共通している。

同時期の作品


作風・展開


航空戦力封殺繋がり


外部リンク

特設サイト

アニメ公式サイト

アニメ公式Twitter

Wikipedia

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