6月24日は何の日?
気分が悪くなったとき、動悸が早くなったりとかは?
球形プラズマ、蜃気楼、観測気球。あなたが写真に撮るとしたらどれ?
マンテル。チャイルズ=ウイッティド。その次は?
気分が悪くなったとき、目の前が真っ白になったり、ちかちかする光が見えたりした?
さっきからずっとあなたの後ろにいるのは誰?
幻覚や幻聴は? 自分の手の指が七本あるように思えたり、誰かがあなたの臓器を抜き取る相談をしている声が聞こえたりはしなかった? 螺旋アダムスキー脊髄受信体、って言葉に聞き憶えがある気はする?
概要
2001~2003年にかけて電撃文庫から出版された。
著:秋山瑞人、イラスト:駒都えーじによるライトノベル。全4巻。
OVAは、2005年2月から6月まで東映アニメーションより全6巻が発売された。
コミカライズは、カンノの作画により「電撃「マ)王」にて2007年10月号から2009年4月号まで連載された。
コミックは全2巻。
ストーリー
過酷な運命を背負わされてしまった少女、ごく普通の少年、偶然であってしまった二人。
夏休み最後の夜、学校のプールに忍び込んだ浅羽直之は、手首に銀色の球体を埋め込んだ不思議な少女『伊里野加奈』と出会う。
新学期、伊里野は浅羽のクラスに転校してきた。
他人とのコミュニケーションを苦手にしているらしい伊里野だったが、浅羽には心を開き、学校生活を通じ、親密になっていく。しかし頻繁に校内放送で呼び出され、時に不思議な「反応」を起こす…。
その現場にいつも現れ、窮地を救う謎の黒服の男・榎本。
伊里野は逃れられない宿命と重大な任務を背っているのか…!?
やがて、軍事基地拠点都市『園原』と、新聞部が解明を目指すUFO騒動は、特殊戦闘機『ブラックマンタ』とその操縦士および護衛部隊の存在を通じ、解明されていく…
いま、伊里野と浅羽のせつない“UFOの夏”は始まった…。
評価
2000年代初頭の諸作品のなかでもライトノベル及びミリタリーSFの傑作として名高く、現在でも支持者が多い。
当時は『新世紀エヴァンゲリオン』などのセカイ系ブームの真っただ中であっただけあり、本作もこれの影響が強い。
どこにでもいる男子中校生である主人公と、宇宙からの侵略に唯一対抗できる素質をもったパイロットであるヒロインが、出会い、絆を育みながらも、大人たちの思惑に翻弄されていくという、SFや風刺以外にも切ない恋愛小説としての趣も強い。
作家の大森望いわく、「何の取り柄もない平凡な男の子に訪れた“不思議のひと触れ”を通じて、『とっくの昔に終わっちゃったこと』に奇跡的な輝きを与える、シオドア・スタージョンやレイ・ブラッドベリ的な少年小説の傑作」。
関連タグ
電撃文庫FIGHTINGCLIMAX(家庭用IGNITIONにて、サポートキャラとして伊里野加奈が登場する)
- 『ラスト・レター』(1985年)
宇宙人との戦いの切り札として攫われたヒロインを追う主人公が「世界の果て」で追いついた時、彼女が選んだ道は…
そのラストに衝撃を受けて、オマージュとして本作を書いたとされる。
『恋歌』『夜想曲』『誓約』へと続く飛空士シリーズの第1作。犬村小六作で2008年刊。
戦争を背景に身分違いの男女の悲恋を描いたガガガ文庫発のラノベで本作との共通点も多い。ただし日常描写を主に描いた『イリヤ―』に対してこちらはガチの戦闘描写を交えた仮想戦記寄りな作品。