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シンエイ・ノウゼン

しんえいのうぜん

シンエイ・ノウゼンとは、『86-エイティシックス-』の登場人物である。同作の主人公の1人を務める。
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プロフィール編集

所属サンマグノリア共和国軍東部戦線第一戦区第一防衛戦隊「スピアヘッド」(隊長)
階級大尉
身長約175㎝
誕生日5月19日
年齢16歳
出身地共和国首都リベルテ・エト・エガリテ
パーソナルネームアンダーテイカー
レギオン側識別名バーレイグ
CV千葉翔也

概要編集

86-エイティシックス-』の主人公の1人。

愛称はシン。「葬儀屋」を意味する「アンダーテイカー」をパーソナルネームにし、「死神」の異名をとる。


容貌編集

86-エイティシックス- シン


黒系の貴種・夜黒種(オニクス)と赤系の貴種・焰紅種(パイロープ)の混血で、黒髪赤目の端正な容姿をもつ。首には斬首の跡にも見える傷跡があり、空色のスカーフを首元に巻いて隠している。

ちなみに、髪の分け目は原作イラストでは中央、アニメではシンから見て左寄りに描かれている。


人物像編集

一人称は「おれ」。

普段は感情の起伏が少なく、仲間には「鉄面皮」と言われるほどの冷静沈着な性格。関係の薄い相手にはとことん無関心で、悪意を向けられようが華麗にスルーする。


非情だと思われがちだが本質は誠実かつ温厚で、フレデリカ曰く「お人好し」。仲間に対しては言動の端々に、不器用なりにも気遣いが垣間見える。

一方で年相応に頑固な一面ももつほか、沈着なようで沸点は案外低い部類らしい。


暇な時は趣味の読書に勤しんでおり、哲学書などの小難しい本まで読み漁る濫読家。

ユーモアも解するが、周囲の反応を見るにジョークのセンスはあまり無い様子。


足音を立てずに歩く癖があり、アニメでも足音が小さく表現されている。


ちなみにそっち方面の好みは大きければいいってものじゃない」(本人談)らしい。クレナは泣いていい。というかレーナも巻き添えな気がしないでもないが……。


人間関係(一部ネタバレを含みます)編集

両親がギアーデ帝国の貴族出身で自身も帝国貴族の血が濃い容姿であること、あまり多くを語らないが故に誤解を招きやすい性格、加えて後述の経歴や能力などもあり、共和国市民のみならずエイティシックスからも忌み嫌われ虐げられることが少なくなかった。

一方で人となりを理解する者達からは慕われており、類い希な戦闘センスも相まって、特にスピアヘッド戦隊の面々からは全幅の信頼を寄せられている。


我らが『死神』編集

死神」の異名は、所属していた部隊がいくつも全滅(軍隊用語ではなく文字通りの「全滅」である)する中で彼だけが生き残ってきた事と、最初に所属した部隊の隊長から受け継いだ「死んだ者の機体の破片にその名前を刻んで保管する」という習慣に由来する。

エイティシックス達は遺体の回収も墓を作ることも許されておらず、その死はただ忘れ去られていく運命にある。そんな中で戦死者達を行き着く先まで連れて行く「死神」の存在は、絶死の戦場に生きる彼ら彼女らにとって確かな心の拠り所だったのである。


しかしそれは、シンにとっては「誰も彼もが自分を置いて先に逝ってしまう」ことの裏返しでもある。また「連れて行く」「連れて行かれる」という関係性自体も主と従の構図であり、スピアヘッド戦隊でも多くの仲間に囲まれてはいたが真に対等な関係にはなれなかったと言ってよい。

当然ながらその重圧は察するに余りあるものであり、内心では喪失感と孤独感に常に苛まれ続けていた。


もうすぐ行ける、――兄さん編集

シンの内面において大きな比重を占めているのが、10歳年上の兄ショーレイ・ノウゼン(通称レイ)の存在である。

かつては中の良い兄弟であったが、開戦後に不当な扱いを受けた挙げ句に父も母も戦死したことで、精神的に追い詰められたレイは幼いシンに八つ当たりしてしまう(首の傷跡はこの際に付けられたもの)。その後は仲違いしたままレイは従軍し、その果てにレギオンに取り込まれてしまう。

後述の事情によって事の次第を把握したシンはレイを討つべく戦場に身を投じ、戦い抜いた先に志を貫徹する。しかし、兄を討つこと「だけ」を目的に生きてきたシンは、目的が果たされたことで完全に生きる意味を見失ってしまう


忘れないでいてくれますか?編集

置いて逝かれてばかりだったシンが初めて「先に行く」と言うことができ、生きる意味すら見出せなくなった自分に「(シンが)いてくれたから」と言ってくれた相手。

シンの在り方を追って戦い続け、遂にシンの元まで辿り着いたその人物こそ、他ならぬヴラディレーナ・ミリーゼだったのである


能力面編集

類い希な操縦技術と戦闘センスを持ち、生身でも自分より大柄なダイヤやライデン、正規軍人すら瞬殺する強さ。加えて同世代のエイティシックスの中では高い教養を有している。

これらは幼少期のシンを保護していた白系種の神父から、せめて少しでも生き延びるためにとありとあらゆる戦闘技能と知識を叩き込まれたため(ちなみにその神父もまた元軍人であり、と見紛う程の筋骨隆々の体躯とパワーを持つ)。


一方で戦闘に関すること以外は割と雑であり、料理の腕前は卵の殻が入っていたり味付けがいい加減だったりとお察しレベル

一応フォローしておくと、壊滅的に苦手というよりは単に雑なだけであるほか、何故か包丁の扱いだけは上手らしい。


戦闘スタイル編集

高周波ブレードによる白兵戦を得意とする、傑物揃いのエイティシックスの中でも(恐らくは)唯一の人物。シン以外の人間はまず使わない武器なので、高周波ブレードは事実上の専用装備と化している。


動く棺桶未満のM1A4ジャガーノートで白兵戦を挑むのは一見自殺行為とも取れるが、これは機体がどうあがいてもダメすぎるのでならば攻撃力極振りして少しでも生存性を上げる合理的な思考によるもの(言い換えれば、こんな発想ですら合理的になってしまうジャガーノートである)。

必然的に弾幕を掻い潜って懐に飛び込まなければならないが、M1A4がそんな機動に耐えられる筈もなく、特に足回りの損傷は深刻。出撃に整備が追いつかないので、スピアヘッド戦隊ではなんとシン専用の予備機が2機も用意されている


XM2レギンレイヴに乗り換えてからも機体レイアウトは共通。

共和国時代はシンぐらいしか使い手がいないブレードが杜撰な兵站管理のおかげで生産され続けたので替刃には困らなかったが、兵站が仕事してる連邦ではやはり生産数が絞られているのか、あっという間に使い潰して整備班から文句を言われる場面がある。

足回りを酷使するのも相変わらずで、高機動戦用に駆動系が強化されている筈のレギンレイヴですら過負荷で悲鳴を上げるほど。裏を返せば、シン達の戦場はそれだけ過酷ということでもある。


異能編集

本作の人類はそれぞれの人種ごとに、何らかの異能を持った個体が生まれることがある。

シンもまた異能者であり、本来は母方の血筋に由来する「血族間での意思疎通」という異能を有していたが、先述の事情で死にかけた際に「死者の声が聞こえる」という唯一無二のものに変化している。

この異能によってシンはレギオンの位置を察知することができ、これを利用して過酷を通り越して処刑場も同然の戦場を生き残ってきた。スピアヘッド戦隊の面々が待機中は比較的気ままに過ごせているのも、シンの異能によって哨戒の手間を省けているためである。

一方で能力の制御ができておらず、趣味の読書は前線から聞こえ続ける死人の声から気をそらすためでもある。恐らくは異能の負荷によってたまに糸が切れたように深い眠りに落ちることがあるほか、「位置はわかっても機種までは判別できない」「稼働停止状態のレギオンは感知できない」といった弱点もある。

また奇襲がほとんど通用しないことから、レギオン側からも識別名「バーレイグ」として目を付けられている。


余談編集

メタ的な裏設定として、シンをはじめとするエイティシックス達のフルネームは「漢字で表記できる」という法則に従って命名されている。彼の場合「シンエイ」は「真瑛」、「ノウゼン」は「凌霄」であることが明かされている(参考)。

ただし、これらはあくまで作者自身の「縛り」のようなものであり、作中世界観上はアルファベット表記(日本語で書く場合はカタカナ)が正しい。これは他の登場人物達も同様である。


関連イラスト編集

シンエイ・ノウゼン


関連タグ編集

86-エイティシックス-

ヴラディレーナ・ミリーゼ ライデン・シュガ クレナ・ククミラ アンジュ・エマ セオト・リッカ フレデリカ・ローゼンフォルト


搭乗機

M1A4ジャガーノート XM2レギンレイヴ


カップリング

シンレナ



オーディン:恐らく設定上のモチーフの1つ。ちなみにレギオン側識別名「バーレイグ」はオーディンの別名である。


2021年春アニメにて、同じく作中の主人公の1人である「シン」繋がり。こちらは史実に基づいているので作風は真逆。

シン・アスカ別作品の主人公にしてパイロットである「シン」繋がり。黒髪赤目で白兵戦を得意とする点も共通。

デュオ・マックスウェル別作品で「死神」と呼ばれるパイロット繋がり。性格や立ち位置的にはむしろこっちの方が近いが、本質的にお人好しという点は共通する。また、乗機が白兵戦を得意とする点も同じ。

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