概要
CV:山寺宏一 / 新垣樽助(ARISE)/ 鈴置洋孝(PSゲーム)
実写:チン・ハン(日本語吹き替え:山寺宏一)
公安9課に所属。9課のメンバーの中では唯一の妻帯者。
元警視庁捜査一課特務班の刑事。
元刑事ということもあり、情報収集能力、推察力、直感力に優れている一方、正義感の強さから犯罪に対して激情にかられる事も多い。
バトーとコンビをよく組むが、彼とはしばしば口論が絶えない間柄である。
メンバーの中では身体の義体(サイボーグ)化率が最も低く(通信のために脳の一部を少し電脳化している程度)、刑事であった事から戦闘経験も少ないために、超人揃いの公安9課の中では戦闘能力は高くはない。
本人もそれをややコンプレックスに感じているきらいがあり、『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』では隊長の草薙素子に「何故自分のような者を引き抜いたんだ?」と問う事があった。それに対し素子は「お前のような奴だからよ」と回答し、同様のユニットのみで固めることで生じる組織の硬直化を防ぐ意味からもトグサのような人員が入れられていることが語られている。
実際にトグサは刑事らしい情報収集と推理、更に元刑事という立場によるコネを生かして真相に近づくことに成功しており、トグサが居なかった場合は事態の解決が難しかった可能性がある。
また、『攻殻機動隊S.A.C』では第1話にて芸者ロボットの無力化に失敗し、人質を傷つけそうになった事から後日射撃場で腕を磨いていたが、トクサの長所は戦闘能力ではないことを少佐に諭されている。
上記のように義体化の程度は9課課員の中で最も低く、ほぼ生身であるが、作品によっては多少であるが義体化している。
『S.A.C SSS』では義体化をしているが程度は不明ではあるもののまだ少ない部類の模様。
原作漫画1.5においてはサイボーグ用の食事を買ったり生身では真似をしてはいけないと注釈のある事をしているが、サイボーグ食に関してはパートナーである(義体化率の高い)アズマをはめてその食事を必要とする任務に就かせてサイボーグ食を押し付けている事から自分用では無い可能性がある、真似をしてはいけないだけで不可能ではないことをしていることから実際の義体化率は不明である。
『攻殻機動隊S.A.C』では正義感の強さや人情家の面がより強調して描かれており、物語の根幹となる『笑い男事件』では9課が介入するきっかけを作る等、ある意味「もう一人の主人公」として活躍する。
『S.A.C SSS』では荒巻大輔の判断により9課の体制の変化と共に9課の隊長に就任している。
経験を積んだことで幾分落ち着いた性格となっており、バトーら先輩達や新人メンバーに対して的確な指示を出し9課を引っ張っている。
どの程度かは不明だが義体化している。
素子が9課に戻った後はどうなったかは不明だが、隊長職はそのまま継続していると思われる。
『SAC_2045』では9課解散後は民間警備会社に勤務している。
離婚している。
『イノセンス』ではロクス・ソルス社製新型ガイノイド「ハダリ」が起こした集団暴走事件をバトーと共に捜査しており、バトーと同じく本作の実質的な主人公の1人として活躍。
作中ではバトーやキムといった独特の死生観や人生観を持つキャラクターが多い中最もまともな(普通な)価値観を持つ人物である。
バトーとの専従捜査では「命がいくつあっても足りない」と漏らす程に振り回される描写が多いが結果的には最後までバトーのバックアップを勤め上げるなど相性は悪くない模様。
『ARISE』シリーズではborde1、3、4に登場。1,3では新浜署の刑事として事件にかかわっていくことになる。しかし刑事という立場上、元軍人や特殊部隊出身者が多い9課のメンバーと比較すると実戦経験には乏しく、上記の通りシリーズを通して義体化率は低い事から劇中でも主にバトーから「新米」「ド素人」と揶揄されるシーンが多く「ARISE」では「新人、新米」という描写が強調されている。
『border1』ではマムロ中佐殺害に繋がる娼婦殺しの事件を単独で追っており、素子がひそかに流した情報から第六演習場にたどりつく。そこで素子、バトー、(のちに荒巻、パズとも)と出会い、接点が生まれた。演習場のフェンスをよじのぼるのに手間取ってしまうなど、生身の一刑事らしい側面がうかがえる。ちなみに、派兵経験のあることが明かされている。
『border3』では先輩の刑事・水城ナオハルの死と、彼が素子の恋人で義体技師であるホセアキラの名刺を所持していたことをきっかけに事件に関わることとなった。
『border1』では自走地雷や陸軍のサイボーグ相手に動揺するなどの描写が多かったが、border3では連続爆破事件とクザン企業との関わりにすぐ気が付く、現場に残っていた弾丸から水城殺しの真犯人にたどりつくなど非常に有能な刑事らしい一面が描かれている。
ホセアキラを事件の参考人としてマークした際、恋人である素子からは反発を受け、胸倉をつかみあげられてしまうが、それでも毅然と己の意見を述べるなど刑事としての矜持は高い。
妻が出産を控えており、border3のラスト、破水を電話で聞かされた際には素子のスカウトの最中であるにもかかわらず慌てて走って去っていった。
『border4』において九課の一員として登場。父がすでに故人であることが明かされた。ツダ・エマに一時疑似記憶を埋め込まれ、操られてしまう。
性格
正義感溢れ情に厚い性格。卑劣な犯罪に対して怒りや憤りを見せたりすることが多く、SACでは表向き9課が解散させられた際に義憤から事件の黒幕を襲撃しようとしてバトーに止められたり、辞表を出してまで真実を明かそうとしたこともある。
実直なところもあり、罠に嵌められて逮捕された際は正々堂々裁判で戦おうとした。
敵味方含めてあまり普通とは言えない感覚を持つ人々が多数登場する本シリーズにおいて、常識的な人物であることから物語の狂言回しとしての役を担うこともある。
家庭
上述したように結婚しており、子どもも2人(長女と長男)もうけている。9課メンバーで唯一家庭が描かれているキャラ。家族仲は非常に良好で、毎日欠かさず連絡を取っており、子どもの寝顔を送ってもらっているなど溺愛している。
家族には民間の警備会社に勤めていると嘘をついており、罠に嵌められて裁判沙汰になった際も9課の事を隠し通した。妻も本当の仕事こそ知らないものの、多忙で危険な仕事をするトグサの事を理解し支えている。
『S.A.C SSS』では荒巻ができなかった家族に本当のことを打ち明けることをした模様。
しかし『SAC_2045』では離婚し、子供の親権は元妻が持っているという状況となっている。
『イノセンス』では人間と人形(ロボット)の関係について独自の哲学を持つ検死官ハラウェイに「子育てとは実は人形遊びの延長上のものではないか?」と言われ、「子供は人形ではない」と声を荒らげて激昂する一幕も。
銃
銃にこだわりを持っており、マテバ社製の競技向けリボルバーを愛用する。
作品によって扱うマテバは異なり、S.A.C.シリーズではM-2008(本来の名前はMateba 6 Unica)とM-2006M(本来の名前はMateba 2006M)スナブノーズ、劇場版GITSではM2007、イノセンスではM2007のバレル上下にマウントを付ける、バレル上部のウエイトが調整可能なる等の改造が施されたものになっている。
SSSでは公安9課の隊長という立場もあってか、マテバを携行していても9課の新制式採用拳銃であるオートマチックのセブロM10を使用している。とはいえ「こだわりは捨てたわけじゃない」らしく、実際自決を迫られた際には一瞬セブロを抜こうとするが、思い入れのあるマテバを取り出している。
ARISEではショートバレルのM2008を使用している。
実写版「GHOST IN THE SHELL」では撮影前にマテバ社は一度倒産しており、後に復活しているものの、元々アメリカ市場では希少でオリジナルの銃の入手が難しい為か後継かつ実用的となったチアッパ ライノへと変更されている。
なお、原作漫画においてはそこまでこだわりを持っていないようで、装甲バンでの移動中に少佐に使うの銃を変えるように言われて以降、マテバを使用していない。(なお、変更前の装備はマテバとオートマチックショットガンという少々微妙な組み合わせである)
ちなみにこれは完全な余談だが、ワイルドスピードX3 TOKYODRIFTの挿入歌であるTOKYODRIFTに、「Like a 公安九課 トグサ マテバ良い是非即採用」というこのことをネタにした歌詞がある。
その他
神山監督曰くトグサの正義が成長した先が荒巻の正義とのこと。
また、笑い男ことアオイはトグサの昔の姿を想像して形作られたという。
アオイの青臭い正義→トグサの成長途上の正義→荒巻の立ち枯れない正義
調査の際にタチコマが同行することは多いが、アニメ本編ではタチコマに搭乗したのはSSSの一度のみとなっている。