概要
演:ピルー・アスベック(ハリウッド版)
公安9課のメンバーの一人で主人公・草薙素子の同僚。彼女と同様、肉体の大部分を機械化したサイボーグである。
メガネのような義眼がトレードマーク。元・陸上自衛軍レンジャー部隊「レンジャー4課」の出身で、この義眼は当時の名残であるらしい。『ARISE』では「眠らない眼」と呼ばれている。
ハリウッド版では序盤では生身の眼であったが、任務中の負傷により義眼となる。
素子に続くもう一人の主人公ともいえるキャラ。彼女との関係は、原作漫画版では単なる一同僚といった感じだが、劇場版『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』およびTV版『S.A.C.』シリーズでは明確に好意を抱いている様子が描かれている。
映画『イノセンス』では主役を務める。
9課結成前の時代を描いたOVA『ARISE』では自走地雷により殺された同僚について調査している中で自走地雷の出処が草薙素子であると知り第六演習場で交戦するも別勢力(同僚を殺した張本人である神崎大尉達)の襲撃を受け、一時的に草薙と共闘関係を結ぶ。
その後、上官であるソガ・カズヤ大佐が大戦中に犯したとされる「カルディス人大量虐殺」に関する戦犯容疑を晴らすべく、同じく大佐の部下であり同僚であるイシカワとボーマ、その他多くの有志と共に軍事データベース「パンドラ」へのアクセスを狙う大規模サイバーテロを行う。
このサイバーテロは草薙素子らの行動により阻止され、バトー自身も虐殺事件の真相を知って身柄を拘束されるも草薙素子の「部隊」へのスカウトを受けそれに応じている。
人物
性格はゴツイ外見とは裏腹にひょうきんで人間味に溢れている。職務中はよくトグサとコンビを組み、感情に流されがちなトグサを何かに付けて未熟者扱いしているが、そういう彼自身もしばしば激情に駆られる事が多い。
『S.A.C.』シリーズでは機械類に対し並々ならぬ愛情を注ぐ一面を持ち、特にタチコマ達に対しては単なる道具以上の深い愛着を抱いている模様。マンガ版によると、「バトーが特定の「フチコマ」を使用しているのは謎」だそうである。
タチコマは特定の一機を限定して使い、『SSS』ではウチコマは素子が乗り捨てたものを使用している。
一方、押井守の劇場版シリーズでは二作通して軽口や冗談こそ言うものの、クール且つストイックでハードボイルドなキャラクターとなっており、特に素子が失踪した後を描いた『イノセンス』では内面に虚無を抱えてよりニヒルな性格へと変化している。
『ARISE』では素子と出会った当初は彼女にかけられていた疑惑やソガ大佐の一件もあって頑固でひねくれた態度をとっていたが、真相が明かされた後は素子やトグサら他の仲間とも打ち解けて『S.A.C』に近い性格へと変化し、新劇場版においては素子と深い信頼関係を築いていった。
9課の訓練教官としても活動しており原作版や『SAC』では新人の教育を行っているほか、『2ndGIG』では新人の試験の際に試験官の一人として参加。本人はあまり気が進まない様子を見せているが、根本的には面倒見の良い性格ゆえ、素子の判断ミスで未熟な新人隊員が殉職した際には怒りを隠すこと無く声を荒らげて彼女を叱責している。
『SSS』では素子が失踪したため、組織改革された9課の新隊長に就くことを薦められたが辞退してトグサに任せたことが語られており、「個人的推論による単独捜査」でチームから離れて単独行動をとっている。しかし、教官職に専念するか新隊長となったトグサの下に付くかの選択を迫られている。
趣味は筋肉トレーニングで、色々な筋トレグッズを買いあさり、サイトーに「他に買うもんがないのかねぇ」などと評されている(もっとも彼はサイボーグなので、その目的は筋力増強ではなく、自分の義体のより効率的な動かし方を模索する一種の精神鍛錬であると思われる)。
『イノセンス』では愛犬家としての一面を見せており、自宅で雌のバセットハウンドを飼っている。しかし彼女の好物である犬丸食品のフレッシュタイプのドッグフードを買うため、近所で唯一売ってるコンビニを頻繁に利用していたことが仇となって、敵に罠を仕掛けられてしまったことも。
能力
銃撃戦・格闘戦などで素子に比肩する戦闘能力を有するほか、戦闘中に多人数の視野をハッキングするなど電子戦の専門家である一面も垣間見える(自らを”電子戦のプロ”と自称することもままある)。
それゆえに素子からの信頼は厚く、アニメ版等では彼女が動けなかったり不在だったりする事態において、代わりに陣頭指揮を任されることも多い。
拳銃は、映画GHOST IN THE SHELLでは.50口径のジェリコ 942FS、イノセンスではイタリア製Cz75コピー(タンフォリオ TA90)をベースとした40SWとS&W M59、SACでは.45ACP仕様のFN ハイパワー M7カスタムを使用している。
なお、原作漫画版では眼と右腕がサイボーグ化されているが全身義体ではない。08 DUMB BARTER 2030.5.2では草薙素子をからかった直後コップを投げつけられ、左上額を怪我した後「俺も全身サイボーグ化すっかな」などと考えている場面もある。
また、05 MEGATECH MACHINE 2[メイキング・オブ サイボーグ]では、部分サイボーグの例としてバトーが使用されている。
漫画版1.5や2にも登場しているが、全身サイボーグになった描写はない。
『イノセンス』では全身義体化サイボーグという設定で、いわば「生きた人形」とも言える状態にあり、これは当作のテーマを理解する上で重要な要素となっている。劇中ではハッカー・キムのゴーストハックによって右腕を損傷し、修復の際に一度のみ撃てる3連グレネードランチャーを内蔵したものと交換された。
余談
ネット上において、SACシリーズやイノセンスでの後ろ髪を束ねた外見が日本人の魂を持ったハリウッド最強のアクション俳優によく似ている(中の人も同じ)ことから、よくネタにされている。