検索する際はアオイ・攻殻機動隊又は笑い男で検索するのがよい。
概要
2024年2月1日に発生した、セラノゲノミクス社社長アーネスト瀬良野(セラノ)誘拐と、その後のウイルスプログラムをばら撒くという手口を使った、マイクロマシンメーカー6社に対する脅迫、もしくはこのサイバーテロによる事件、通称「笑い男事件」の犯人。
本人が「笑い男」と名乗ったのではなく、事件後に世間やマスコミが命名した。
犯人と言っても上記の事件全てをやったのでは無い。アオイが犯人なのはアーネスト瀬良野誘拐事件だけであり、それ以外はこの事件に乗じた警察上層部や政府内部の一派が名を騙って起こしたものである。
恐るべきハッキング技能を有しており、瀬良野誘拐事件では一瞬のうちに自分の顔を見た人間・カメラ全ての顔の記録をリアルタイムに笑い男マークに書き換え、その気になれば光学迷彩を使うことなく電脳化した人間からは一切自分の姿が見えないようにしてしまうこともできるほど。
バトーと対峙した際、瞬時に彼の目をハッキングして「俺の目を盗みやがったな!?」と唸らせた場面は名シーンである。
フルネームは「葵 孝(アオイ タカシ)」。
人物像
若者らしい、未発達な・青臭い・実力が伴っていない正義感を持っており、これが事件へ向かわせた動機である。物語開始時点(2030年)の頃には巨大な悪に敗れ挫折を経験したためか、どこか悟ったような態度を見せている。
趣味は読書とネットダイブ。普段は図書館司書の仕事に勤めており、既に時代遅れのメディアとなった膨大な数の本に囲まれて名作を読み漁る生活をおくっている。
まだ学生だった6年前の2024年、ネットの片隅で電脳硬化症の特効薬・村井ワクチンと医療用マイクロマシンに纏わる国家的陰謀を糾弾するメールを発見し、その内容で義憤に駆られ、誘拐事件を引き起こした。
自らを電脳化の権化と称しており、電脳硬化症への恐怖も抱いている。これも犯行の動機の一つだという。
素子曰く「頭でっかちで自分が嫌いなタイプ」とのこと。嫌いなわりには二人のやり取りに嫌悪感は感じられなかった。会話の際にも膨大な情報から仕入れた過去の名言や比喩を多用している。アオイの思想もそれらに感化されている部分が多かった。ここらへんが素子の言う「頭でっかち」であろう。
荒巻大輔は特A級ハッカーの技術を高く評価しており、なんと公安9課のレギュラーメンバーにならないかと誘われている。ただしアオイは「野球が苦手だから」と言って辞退している。もしかしたら9課所属の凄腕ハッカーとして、その活躍を見れたかもしれない。もったいない・・・。
なお、最初に事件を起こした人物ではあるが、オリジナルの「笑い男」ではない。
より厳密に言えば、「笑い男」とは電脳硬化症の特効薬・村井ワクチンに纏わる秘密を利用した陰謀のために政府内部の一派が、アオイの犯行と世間の騒ぎに便乗する形で作り上げた、初めから実体的なオリジナルが存在しない虚像の犯人である。
アオイは「強いて言うならば」と前置きした上で、自分の正義感を駆り立てた最初の「村井ワクチンとマイクロマシン療法を比較検討した論文で武装した糾弾メールを作成した何処かの誰か」こそがオリジナルの「笑い男」であると言えなくもないと語っている。
神山監督はトグサの若かりし頃の姿を想像して描いたと発言している。現に中の人は同じであり、アオイの感情に触発されたトグサはあわや党本部へ乗り込んで黒幕を襲撃する寸前まで行っていた。
アオイの青臭い正義からトグサの成長する正義を経てやがては荒巻の立ち枯れない正義へと至るとのこと。
アオイ=団長?
S.A.C第11話「亜成虫の森で PORTRAITZ」において、トグサが潜入した授産施設でアオイも偽装潜入していた。ここでは「団長」と呼ばれることもあるが、場面によってまちまちであり、アオイと「団長」が同一人物なのかは不明である。
授産施設退去時に仲間にあてたメッセージ
「You know what I'd like to be? I mean if I had my goddamn choice, I'd just be the catcher in the rye and all.」
の訳は
「僕が何になりたいか知ってるよね? 僕の馬鹿げた選択は、ただライ麦畑で遊ぶ子供達が(崖から落っこちないよう)捕まえる人になりたい、それだけなんだ」
であり、「ライ麦畑でつかまえて」からの引用である。
外見
物静かでおとなしい雰囲気を感じさせる。灰色の帽子に青いフード付ジャンパーと灰色のズボンで身を纏っている。図書館では赤いハンチング帽が置かれていた。
笑い男マーク
一文字書きで描かれた、帽子を被った人の輪郭ににこやかな笑顔をしたマーク。
周囲に記されている英文
「I thought what I'd do was, I'd pretend I was one of those deaf-mutes」
の訳は「僕は耳と目を閉じ口をつぐんだ人間になろうと考えた」である。