HAW206
えいちえーだぶりゅーにーまるろく
その大きさはタチコマの倍以上で、タチコマが全体的に丸っこいボディをしているのに対して、このHAW206は全体的に角が多い。
陸上自衛軍の主力戦車として運用されている18式戦車の開発を手掛けた剣菱重工が、6年の歳月と社運をかけて開発した新型多脚戦車で、初登場時は薄いベージュ色、陸上自衛軍に正式に採用されてからはミリタリーな深緑色となっている。
設計者は大学時代に同社にスカウトされた加護タケシ。
両腕にはマニュピレータと12.7mm×99mm弾を発射する12.7mm3銃身ガトリングガン、メインボディにはフレアディスペンサーとジャミング装置がある。
特にこのジャミング装置は本機の目玉と目され、戦車の天敵ともいえるレーザー照準の対戦車ミサイルの照準を様々な手段で妨害するだけでなく、逆探知して射手へと送り返す事も可能とする。
またサソリの尾に見える砲塔には、短砲身の120mm砲と発煙弾発射筒が装備されている。
更には鷹の目に使用する衛星とリンクすることもできるなど、高度な電子戦能力も有する。
その攻撃力は非常に高く、12.7mm弾を使用したガトリングガンの掃射はポッド部であれば30mmチェーンガンの掃射に耐えられるタチコマをポッド諸共蜂の巣にして破壊するほどの威力を有する。また120mm砲は1秒以内で180度旋回させることが出来る代物で、威力も18式戦車を一撃で撃破することができる(劇中での着弾シーンから砲弾には徹甲榴弾もしくは成形炸薬弾を使用している模様)。また短砲身の割には長射程らしく、劇中では高速道路の外壁を破壊して貫通した後そこからかなり遠くの山腹に着弾している。
また大きさに見合った高い防御力と重量を持つ。
タチコマの7.62mm弾は完全に弾かれ、12.7mm弾でも表面が黒く焦げて僅かにへこむ程度でまるでダメージにならない。
さすがに20mm弾は抜けるのか、衛星を介して射線を解析することで避けている。
またその巨体も相まってパワフルな機体であり、体当たりで高速道路の料金所を全壊させたほか、タチコマ5体に上り坂でワイヤーで引っ張られても動くことができる。
しかし素早い動きはあまり得意でないのか、足場が崩されるなどに弱く、可動部が多いため、可動部を絡めとる対多脚戦車兵器である短時間で硬化する粘着弾にも弱いのが弱点である。
SACの第2話『暴走の証明』に登場。
剣菱重工の演習ドームでの最終テスト中に軍の高官が見ている中で暴走を始め、他の戦車を破壊してドームから逃走する。搭乗者は3週間前に死亡した設計者である加護タケシの認識コードを使っている事しかわかっていなかった。正式採用を半ば検討していた軍は何者かのテロである時にのみ手を貸さず、剣菱のミスである場合は同社に責任を擦り付けようとする中で内務省はテロを予測して公安9課に出動を要請した。
公安9課はタチコマで戦車を追跡し、剣菱重工が詳細なスペックをほぼ公開しない為に苦慮したがトグサが戦車を暴走直前まで整備していた技師大場を取り調べた結果、実は戦車は大場によって死んだ加護の脳を戦車のAIに繋げていた事が判明。そしてそれを大場が行った動機は加護タケシの遺言であった。戦車の最終目的地は加護タケシの実家でありタケシの真の狙いは病弱な体で生んだ上に宗教的な理由で義体化や電脳化を許さなかった両親への復讐であった。
戦車はどうにか剣菱重工社長の決断で投入された対戦車用粘着弾とタチコマや素子らの奮闘により止められ、そして両親の一歩手前で脳を焼かれた為に停止した。
尚、タケシはあくまで両親が標的であった為か、それ以外の人間は傷つけていなかった(ただし色々と施設やらを壊していたのだが)。
その後、無事に正式採用されオリーブドラブ色に変更されたHAW-206は2nd GIGの第23話『橋が落ちる日』に登場。長崎の出島の難民と対峙していたが、難民側の発砲により出島に侵攻、しかし橋を落とされたことで海中に没した
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VS加護タケシ/多脚戦車HAW206(攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX)
第2話「暴走の証明 TESTATION」より。 ラストの一瞬が泣ける話でした。1,688文字pixiv小説作品