牛型汎用破壊兵器ゼロ号
うしがたはんようはかいへいきぜろごう
ククルーガ「もうバレたか。こいつはジャークマターによって開発された、『牛型汎用破壊兵器ゼロ号』だ」
出身/ジャークマターラボ
身長/212cm(ヒカエオロー身長/58.5m)
体重/286kg(ヒカエオロー体重/789.4t)
装備/180mm猛牛火呑(カノン)、30mm猛牛魔震貫(マシンガン)、猛牛風米嵐(ブウメラン)
分類/ロボット兵士
アントン博士が設計したジャークマターの殺戮兵器。反則禁じ手待ったなしな、宇宙のラフファイター。チャンプのプロトタイプで、彼に取って事実上の兄弟に相当する。
シルエットこそチャンプと共通しているが、牛の骨格を思わせる白い装甲で無数の動力パイプを纏めた様な有機的デザインのボディを持つ。また眼に当たるセンサーは牛頭の首部分にある。
ボディは軽量ながら頑丈な牛型外骨格で構成され、ターゲットの生命反応をゼロにするまで半永久的に戦闘する機能を搭載している。
ロボレスをベースとしたあらゆる技テクニックをインストールされておりそれを活かした格闘戦が得意。格闘戦だけでなく、右肩に装備された『180mm猛牛火呑(カノン)』から放たれる破壊光線攻撃、腕に搭載された『30mm猛牛魔震貫(マシンガン)』による乱射攻撃、頭から発射するブーメラン『猛牛風米嵐(ブウメラン)』等飛び道具も満載である。
ツヨインダベー同様体内にキョダインロウのデータをインプットしているらしく、そのエネルギーにより全身の金属配列を暴走させる事で50m超の巨体に変形する機能もある。
同じくジャークマターラボ出身であるインダベーやツヨインダベー等の疑似生命体兵士と比べて破格の戦闘能力を持つが、量産性もある為一度に複数機の投入も可能。
確固たる意志を持ち感情溢れるチャンプとは正反対に、意思も感情も持たず使役者の命令に従い冷徹に標的を抹殺する完全な人型兵器である。この兄弟機の存在と生みの親の素性を知ってしまったチャンプのアイデンティティは著しく揺らぐ事となる。
ある目撃証言によると、ゼロ号が敵に猛進する様は、モー凄かったという。
Space.33、34
フクショーグン達が改造手術を受けた施設・ジャークマターラボに封印されていたが、キュウレンジャー相手に失態を重ね続けるアキャンバーとククルーガにSpace.33で発見される。
続くSpace.34でアキャンバーが起動、チャンプとほぼ同じ姿に偽装された上でククルーガの手駒となる。ククルーガが誘き出したキュウレンジャーの前へキュータマを連想させるカプセルで送り込まれ、チャンプの姿を活かしまともに攻撃出来ない相手へ攻撃を仕掛けるが、そこへ突如現れた戦士・ヤギュウジュウベエの看破と攻撃により正体を暴かれたので彼へと向かって行き交戦。かつて大破した際の影響で暴走する様になったジュウベエに迫ったが、何とか身体のコントロールを取り戻した相手のタックルを喰らい遠くへ吹っ飛ばされた。
その後、スティンガーやガルと会話していたジュウベエの前へ出現。ククルーガと共に相手を圧倒するも間一髪でシシボイジャーの攻撃に吹き飛ばされる。
そこから程無く復帰、スティンガーからの言葉によりヤギュウジュウベエの姿を解いたチャンプを加えたキュウレンジャーと交戦。ゼロ号はオウシブラック・サソリオレンジ・オオカミブルーと戦闘するも、暴走を仲間にフォローして貰いつつ戦うブラックに圧倒される。
そして同じく追い込まれたククルーガ諸共一所へ追い込まれ、インフィニッシュブラスト・オールスタークラッシュ・フェニックスエンドを喰らい敗北。
直後、ヒカエオローのエネルギーで巨大化。同じく巨大化を果たしたククルーガと共にキュウレンオー・リュウテイオー・ギガントホウオー・オリオンバトラーと交戦。しかし攻撃は悉く相手の連携に潰され、逆に反撃を畳み掛けられて再び追い込まれる。
そして最後は、バトルオリオンシップに戻ったオリオンバトラーを中心に全キュウボイジャーのキューエナジーを結集した必殺フォーメーション技『オリオンビッグバンキャノン』をククルーガ諸共喰らい爆散した。
Space.39
悪の人格を電子頭脳『アントンブレイン』へ移していたアントン博士本人が再生産、同じく博士自ら改造したカロー・メカマーダッコに戦力として貸し与える。
ペルセウス座星系・惑星ゲムでメカマーダッコがチャンプの暴走回路を起動するリモコンを使い彼を暴走させた後、それへ加勢する形で登場。他のキュウレンジャーを蹴散らした後メカマーダッコと共にチャンプの脇を抱え込み、ジェット噴射での飛行で彼を博士の元へ連れ去ってしまう。
その後、博士の作った『異世界発生装置』の影響でキュータマが使えなくなるも、博士の施設がある古城に自力で辿り着いたキュウレンジャーを迎撃すべく強襲したメカマーダッコをラッキー達に任せ、掻い潜ったスティンガーがチャンプを完全開放した為、これに憤った博士の命令で2人に嗾けられる。
そして、異世界発生装置が停止した事でキュータマを使える様になったキュウレンジャーに対し、メカマーダッコと共に屋外で交戦。ゼロ号はサソリオレンジ・オウシブラックと戦うが、2対1の状況を不利と判断した博士は2体目のゼロ号を投入する。
これに対し、オレンジはイッカクジュウキュータマを使いサソリオレンジイッカクジュウアームにチェンジ。ゼロ号の片割れをドリルを用いた突進攻撃やリーチの長い攻撃で圧倒する。一方のもう片割れも、ブラックが使ったロケットパンチに怯み成す術無く追い込まれてしまう。
そのままメカマーダッコと一所に追い込まれた所へインフィニッシュブラスト・オールスタークラッシュを合わせた一撃を撃ち込まれるも、直後にメカマーダッコから盾にされてゼロ号達のみ直撃、敗北。
直後に2体とも巨大化する物の、援護に駆け付けた他のキュウレンジャーが乗るバトルオリオンシップからオリオンミサイルを喰らって怯み、その隙に合体・変形したスーパーキュウレンオー・オリオンバトラーと交戦。猛牛火呑で集中砲火を浴びせるもスーパーキュウレンオーは肩のバズーカ砲を自律砲台として射出、それからの砲撃で反撃されてしまう。
結局何も出来ないまま、その流れでスーパーキュウレンオーファイナルブレイク・オリオンダイナミックストライクの合体技を喰らい2体纏めて爆散した。
Space.41
ドン・アルマゲの潜伏先であるミナミジュウジ座星系・惑星サザンクロス突入作戦を決行する為にペルセウス、カシオペア、ケフェウス、アンドロメダの4つのキュータマでバリアを破壊しようとするキュウレンジャーを妨害すべく既に巨大化した状態で登場。
ミナミジュウジ座の4つある衛星の1つにガルを中心としたスティンガー・チャンプ・ハミィ・スパーダが操縦するスーパーキュウレンオーと交戦するも、難無く圧倒された後スーパーキュウレンオーファイナルブレイクを喰らい爆散した。
Space.42
惑星サザンクロス内の地上防衛戦力として、巨大化した個体がモライマーズロボや巨大ツヨインダベーに紛れて出現。しかし惜しみ無くスペースロボを繰り出すキュウレンジャー相手には足止めできず、ギガントホウオーから必殺技を喰らい軽く片付けられた。
以後も他の巨大個体と共に複数機が登場しているが、スペースロボ達の合体技・トリプルブレイク等によって撃破、一掃されている。
また通常サイズの一機が、アントンブレインを運ぶ役となっている。
Space.44
アントンブレインを運ぶ機体が再登場。ダークプラネジューム生成の最終実験を行うカラス座系・惑星ベローナに現れたキュウレンジャーに対しブレインを運んで登場。ナーガの煽てに乗りダークプラネジュームについて雄弁と語るブレインの後ろで拍手をしたり、身動きが取れない博士に代わってジェスチャーをして話を分かりやすくしていた。
直後、アントンブレインが呼びだしたボスワームへと加勢。電子頭脳を抱えながらシシレッドオリオンやサソリオレンジイッカクジュウアームに挑むがまるで敵わず、崖壁を穿ちながら死角より攻撃して来るサソリオレンジイッカクジュウアームには一方的に翻弄され、更にはタイヨウカメレオングリーンからは目晦ましのフラッシュ光を浴びせられる。結局キュウレンジャーがボスワーム諸共止めを刺す所を辛くも逃れ撤退した。
Space.47
ツルギの身体を介する形でプラネジュームを摂取、身体を完全に蘇らせようとするドン・ツルギの元へ向かおうとするキュウレンジャーを迎撃するジャークマターの大軍隊に紛れて無数出現。
最早チャンプには『吾輩の出来損ない』と一蹴され、次々と撃破されて行く物の、その凄まじい物量でキュウレンジャーを消耗させていき戦闘不能に追い込んで行った。
しかし程無く、完全に身体を蘇らせた上でプラネジュームの吸収能力を得たドン・ツルギ=アルマゲは最早ジャークマターも用済みと判断。描写はされていないが、ゼロ号達を含めた大軍隊は戦闘不能になったキュウレンジャー諸共プラネジュームと化して吸収された。
結局、『手っ取り早く全てを支配する力』が欲しかったアルマゲにとってゼロ号を含めたジャークマターの存在はこの程度の扱いだった。しかしこの判断を下した結果、最終的にアルマゲは自身の首を絞める事となる。
アントン博士「ワシのことを『バカ』と言ったか!?宇宙一の頭脳を持つワシを『バカ』と‼︎(ゼロ号の)身体を貸せぇぇ!!」
役職/科学者(ジャークマターラボ担当)
出身/ジャークマターラボ
身長/220cm(ヒカエオロー身長/60.7m)
体重/297kg (ヒカエオロー体重/819.7t)
装備/インダベード・レイ
分類/サイボーグ博士
Space.45に登場。
アントンブレインが自身を運んでいたゼロ号の頭部に融合接続、変貌した戦闘形態にして、宇宙のマッドサイエンティストの真の姿。ブレインの隙間から生じたコードが髪の毛の様に逆立っており、その下に常にせせら笑っている様に見える大きな口が生じていて目鼻の無い面構えとなっている。
ゼロ号の豊富な武装や巨大化機能を扱えるのに加えて、口から放つ光線『インダベード・レイ』を浴びせた対象に特殊マスクを被せてインダベー化し、意のままに操る能力を持つ。これで民間人同士を相打ちさせる、敵の身内を人質に取る等の卑劣な戦法も可能。
しかしブレインに宿ったアントン博士自身は、接続したゼロ号の性能は熟知しているも元が戦闘要員でない技術者故に戦闘センスは無く、総合的な実力は低い。
チキュウで弟・次郎との再会を果たした小太郎を始めとしたキュウレンジャーの前に姿を現したが、“宇宙を破壊した自らの功績を後世に轟かせる”と言う明らかな矛盾のある野望を聞いた小太郎が「バカなの?」と返した事でアントンブレインが激昂。この姿へと変貌する。
怒りに任せてキュウレンジャーを圧倒、猛牛火呑の一撃を浴びせて変身解除に追い込んだ所で、いつの間にか周りに集まっていたチキュウ人達を言葉で煽り、キュウレンジャーへの反感を再燃させ袋叩きにしようとする。しかし自分達の向けた反感を跳ね除け、数多くの困難を乗り越えて来たキュウレンジャーを見て来たチキュウ人達からは既に反感が無くなっており、逆にアントンゼロが石や棒を投げ付けられて袋叩きに。加えて次郎からも「バカはおまえだ!チキュウからでていけ!」と言われた事でショックを受け堪らず逃走する。
その後、自身を侮辱した腹いせとしてインダベード・レイを民間人へ無差別に浴びせてインダベーに変え、チキュウ人同士で相打ちにさせようとする。それに反応して現れた小太郎達キュウレンジャーの前であらかじめ捕らえていた次郎を見せ、直接インダベード・レイを浴びせインダベーにしようとする。
だが次の瞬間、スティンガーに尻尾を伸ばされて弾かれた上に次郎を奪還されてしまう。こうしてアッサリ優位を失った上で(※インダベー化した民間人はガル・ハミィ・スパーダの使ったオヒツジ・コイヌ・ハトキュータマで動きを止められ無力化された)キュウレンジャー達と決戦、ありったけのインダベーとツヨインダベーを差し向けるが最早相手にはならず悉く返り討ちにされる。アントンゼロはコグマスカイブルーと交戦するも戦闘経験の差で成す術無く圧倒された上、間髪入れず追撃して来たサソリオレンジからキュースピアで刺された所をオウシブラックのロケットパンチでスピアごと押し飛ばされる。
直後にキュウレンジャーはオールスタークラッシュの発動体勢に入り、アントンブレインの往生際が悪い命乞いも一蹴して発射。勿論避ける事も出来ず直撃、敗北。
程無くゼロ号の機能で巨大化するも、旗色の悪くなったアントンブレインはゼロ号を捨て宇宙に逃亡しようとする。だがそれを逃さないスカイブルーの操縦するキュウレンオーに追い付かれたアントンブレインは捕まえられた後地表へと投げられてしまう。
最後は待ち構えていたオリオンバトラーの棍棒でアントンブレインがバッティングされ、ゼロ号の土手っ腹に直撃。お互いに機能停止のダメージを受けて崩れ落ち、爆散した。
『敵に属した兄弟機と戦い合う』と言う仮面ヒーロー物の宿業をチャンプに背負わせたゼロ号だが、チャンプが彼等と同じブラックヒーローである事と中身の人から、ゼロ号にはあのダークヒーローを重ね合わせた人も多いと思われる。
ちなみに身長はチャンプよりも少し高く、彼へ瓜二つな偽装時の姿と比べて若干シルエットに違和感がある。
『牛型汎用破壊兵器』と言うネーミングにやや猫背気味の立ち方等、明らかにエヴァンゲリオンを意識している点がある。チャンプ役の大塚明夫氏が、エヴァと浅からぬ関係のガイナックス名作アニメで重要な役を演じていた縁からか。
アントンゼロのモチーフは発明家ニコラ・テスラが考案した共振変圧器、テスラコイル。
高周波・高電圧を発生させることができ、都市伝説として米軍と共同で行った極秘のレーダー不可視化実験フィラデルフィア計画に使われたと言う。
チャンプ(キュウレンジャー):兄弟機。 アントン博士:設計者。
ツヨインダベー、インダベー(インダ):同じくジャークマターラボ出身の疑似生命体兵士。
バラキング、イミテイションのサロゲDT:過去の戦隊にて同じく味方側の人物を改造したと偽って製造された怪人(最も後者はすぐにネタ晴らししているが)。
メカゴジラ(初代):偽装された状態で登場し、本物の攻撃で正体を暴かれたロボットでデザインのヒントになっている。
アナザーライダー同じくヒーローを歪めた存在だがアナザーライダーが本家仮面ライダーのパクリなのに対して牛型汎用破壊兵器ゼロ号はチャンプの本家である。