「いくら内部プログラムが優秀でも、あの旧式素材じゃ水に濡れた途端、アッという間にDEATH(死)DEATH(デス)ねぇッ!」
データ
地形:都市
特技:DEATHアナライズ、データ追跡ミサイル、レプリカリバー(武器)
指令:人類文明の破壊(邪魔な護星天使はデータスのデータを元に抹殺する)
趣味:データの違法コピー
概要
機械禦鏖帝国マトリンティス皇帝・10サイのロボゴーグの「鬼才ブレイン」によって開発されたロボット怪人。マトリンティス編最後のマトロイドでもある(本編最後の一般怪人はヒドラパーンヘッダーのロー・オ・ザー・リ)。
データスを解析して生み出された存在であるため見た目はそっくりだが細部のデザインは異なっており、頭部や腰、両肩、両手首、両足首等の金色の部分に海綿の意匠が見られる他、顔が機体上部にあるためデータスより若干頭身が高い。
更にデータスの顔に当たる胸部のディスプレイにはこれ見よがしに「DEATH」と書かれているのが最大の特徴で、しゃべり方も「です」になる箇所を「~DEATH!」と強調するクセがある。
ちなみにこのディスプレイは最初のうちはデータスと同じ顔が表示されていたが、程なくして「DEATH」に変わった。ニセモノということで分かりやすく差別化したものと思われる。
こんなヤツだがデータスを元に生み出された存在だけに護星天使に関するデータが満載で、護星界のテクノロジー、天装術、ゴセイジャーの攻撃パターン、果ては日常の嗜好までその全てが網羅されている。無論それは戦闘でも遺憾無く発揮され、ゴセイジャーが動くと同時に「DEATHアナライズ」で即座に相手の戦闘データを解析、それに相応しい戦法や武器で完璧に対抗と、まさしく対ゴセイジャー用に特化したマトロイドと言える。
データスはこの時マトリンティスの本拠地である機械要塞ターミネルに連れ攫われたのだが、ロボゴーグが消したのかその位置情報のデータが全く残っていなかった為、ゴセイジャーがターミネルの所在地を知る事は無かった。
劇中での活躍
サイボーグのブレドRUNを連れて破壊活動を行うメタルAはゴセイジャーが駆け付けたのを受け、巨大なミサイルを出現させると同時に国際平和会議の真っ最中である国際コンベンションセンターを爆破すると告げ、データスを渡せばミサイルのスイッチを渡しても良いと脅迫。大切な物を天秤に掛けられた状態の中、自ら人身御供になる決断をしたデータスはそのままマトリンティスに連れ攫われてしまう(ブレドRUNがミサイルのスイッチを押した上で渡した為にミサイルが発射されてしまうが、ゴセイジャー達はグランディオンヘッダーのゴセイダイナミックで迅速に撃ち落とした)。
攫われたデータスはターミネルの実験台の上で目を覚ますが、其処にいたロボゴーグが「護星界の未知の科学と、護星天使のデータ、真に興味深い。隅々までたっぷり研究させて貰うぞ!」と言い放ち、鬼才ブレインで徹底的にデータスを解析。斯くしてサロゲDTが作り出される事となる。
その後、データスが攫われた事に責任を感じていたハイドはマトリンティスが姿を消す際に必ずプラズマが発生する事に着目し、その反応を天知家のパソコンから探りまくって日登峠なる海岸にそれらしいプラズマの発生を確認。
一方、アラタもスカイック族の感性で空気の流れからマトリンティスが街を襲って人々の悲鳴が上がるのを感知。ハイドに日登岬へ行かせ、残りのメンバーで現場へ急行。ゴセイナイトも彼等と合流する。
「マトリンティスの僕になりやがれ!逆らうヤツはDEATHあるのみDEATH!」と街で破壊活動を行うサロゲDTの姿を見た4人は驚愕。何故なら街で人々を襲っていたマトロイドは攫われたデータスの姿をしていたからだ。
だが、サロゲDTは「オレの名は"イミテイションのサロゲDT"……データスから得た護星科学とデータを投入して作られた最新型マトロイドDEATH!」と自己紹介し、本物のデータスは既に用済みとなってメタルAに棄てられている事を告げた。
更に上記の台詞を発してデータスの生存が絶望的であるとしてゴセイジャー達を嘲笑うと、そのままゴセイナイトを含む5人相手に交戦。ゴセイジャーの武器や技、戦法、コンビネーション……その1つ1つをDEATHアナライズで即座に解析し、全てを躱した上で適切な戦い方や装備された武器でゴセイナイトを含む5人を圧倒する。
「もう終わりDEATHか?ならばトドメDEATH!」と勝ち誇るサロゲDTだったが、そこへデータスを救出したブルーが駆け付け、プレッシャワーで不意打ちをして来た為に一瞬怯む。始末されたと思っていたデータスが生きていた事に驚くも、全員揃った所で敵ではないと高をくくり「1人と旧式ロボットが増えたところで同じ事!キサマらの攻撃はすべてお見通しDEATH!」とスーパーゴセイジャーとなった5人に向かって啖呵を切る。
だが、サロゲDTのDEATHアナライズに対し、ブルーがカモミラージュによって全員の姿を入れ替える事で行動パターンとデータベースのミスマッチを誘発させられ、データの解析と対応が全く役に立たない状況に陥ってしまう。更に「この偽物めーっ!」と叫ぶデータスからパンチの連打とアッパーカットのコンボを喰らい、空中から放たれたスーパーゴセイジャーとゴセイナイトのミラクルゴセイナイトダイナミックを受け敗北。
その直後、メタルAの放ったビービネイルによって「今度こそキサマらの運命はDEATH!」と叫びながら巨大化する。
これに対してゴセイジャー側からは「旧式」と罵っていたデータスハイパーが先陣を切って立ち向かい、本物と偽物の一騎討ち。
DEATHアナライズで対抗するサロゲDTは互角の攻防を繰り広げつつも、データスの背中にミサイルを撃ち込み「オレと互角に渡り合うとはキサマ、やるDEATHな!だが所詮旧式!進化したオレは超えられまい!!」
だが、爆炎の中から現れたデータスは無傷であり、逆に押さえ付けられてゴセイアルティメットの機関砲とゴセイグランドのミサイルをお返しとばかりに撃ち込まれてしまう。
「オレの計算と違うなんて…!」と困惑するサロゲDTに、データスハイパーとゴセイジャーは「イミテーションのお前にデータスは超えられない!」、「オレ達の友情パワーは数字なんかじゃ計れねェんだよ!」と叫び、アルティメットストライクとデータスダイナミッククラッシュを放つ。
護星天使と!そのサポーターが!!
悪しき魂に天罰を下す!!
「オレが…DEATHするとはァァアアアッ…!!」
一方、今回の戦いでハイドとデータスの「仲間の絆」が生み出す計算を超えた結果を見せつけられたメタルAは、「仲間」という存在により固執するようになる。そして同時にそれは、記憶を失ってもその本能だけは失わず、機を窺っていたサイボーグのブレドRUNの策略に陥り、自身を破滅へと導く切っ掛けになることを彼女は未だ知らなかった……。
余談
作中の設定にもある通り、メインのモチーフはデータス。マトロイド共通の「海洋生物」は海綿で、デザインを担当した酉澤安施は「データスの情報を吸い取る事から水を大量に吸収するカイメンをモチーフにした」と語っている。名前の由来は映画『サロゲート』。「DT」はデータスが由来。
サロゲートは身代わりロボットが発達した近未来を描いた作品であり、これがデータスの偽物という設定に繋がったものと思われる。ちなみに2010年1月初公開で、悪しき魂たちの元ネタになった作品の中では最も新しい作品である。
なお海綿はもっとも原始的な形態を持つ動物とされる一方、サロゲDTは最新のマトロイドという点で対比になっている。
カイメンをモチーフにした戦隊怪人は『科学戦隊ダイナマン』のカイメンシンカ以来27年ぶりである(ちなみに、あちらの所属組織も帝国となっている)。
関連タグ
研究のアバウタ:同作品に登場した別組織の、ゴセイジャー達の戦力データを分析した上で苦戦させたものの、想定外の戦い方に敗れた怪人つながり。
ゴビース:『星獣戦隊ギンガマン』の怪人で、こちらも相手の技や戦法を完コピして対抗して来るが、倒され方も一緒である。
ATMグルマー:14年後に登場した周辺機器(こちらのモチーフはATM)をモチーフにした怪人で、しかも声はデータス役の宮田氏が務めている。ついでにコイツの登場回放映日にYouTubeの東映特撮チャンネルにて『ゴセイ』42話(と41話)が配信された事でシンクロニシティが発生。X(旧Twitter)で闇堕ちデータスというワードがトレンド入りしてしまった。