バトルオリオンシップ
ばとるおりおんしっぷ
オリオン座最強の戦士・オライオンが嘗てジャークマター用の決戦兵器として建造した大型宇宙戦艦。Space.32ラストで初登場。
艦自体は、333年前のドン・アルマゲ討伐時には既に完成していたのだが、中枢となるオリオンキュータマが見つからず未起動状態のまま眠っていた。そして未来よりやって来たキュウレンジャーとの共闘で建造者のオライオンが致命傷を負い死亡してしまうが、彼の役割を引き継ぐ為過去に残ったショウ司令がこの艦の身柄も引き継ぐ。
そして引き継いだ役割を一通り務めたショウ司令は、当艦の内装や操縦系統をかつて自分が乗って来たオリオン号の物へと改装。一緒に過去へ残ったチャンプの手を借り、自身を封印したコールドスリープ装置をブリッジ内部に設置した上でチキュウのとある地点(オライオンの亡骸を葬り墓を作った場所)の地下にバトルオリオンシップを隠させた。
更に未来、キュウレンジャーと邂逅する事になる精霊・エリスへこの地点を記すメッセージを込めたヤギキュータマを託し、現在のキュウレンジャーがバトルオリオンシップを手にする様お膳立てをした。
その理由は、過去の時代での戦いでオリオン号が修復不能のダメージを負ったのをショウ司令が悟っており、たとえ現在へ無事に帰還しても、宇宙船としてはもう限界と考えた事から。それに対応する為の手段が、この艦を実質オリオン号の後継艦とする事であった。
ショウ司令の予想通り、現在に戻って間もなくオリオン号を失ったキュウレンジャーはお膳立てに従いバトルオリオンシップへ辿り着く(ついでにコールドスリープ装置を解除、ショウ司令を現在へ帰還させた)。直後にカロー・マゲラーの連れて来たモライマーズ艦隊の攻撃で埋められ掛けたが、何とか地上にあるオライオンの墓に辿り着いたラッキーの強運により、遺品の棍棒からオリオンキュータマが出現。これに伴い誕生したオリオンボイジャーとドッキングした事で、遂にバトルオリオンシップは起動・発艦を果たす。
後継元と同じく、操縦パイロットはラプター283が務める。対ジャークマター用の宇宙戦艦だけあって豊富な武装を搭載しており、ブリッジ左右より放つ二連装対艦ミサイル『オリオンミサイル』は数発直撃させればモライマーズをいとも簡単に撃沈する威力を持つ。
オリオン号と同じく最後尾の『トリプル加速ブースター』による単独大気圏離脱、恒星間超光速ワープ航行も可能。心臓部『ビッグメインエンジン』のパワーと船体下部の『オリオンクローラー』4機により高い地上走破力を有する地上戦艦にもなる。
船体前方にドッキングしたオリオンボイジャー本体部(※キュータマ部分は分離、本体部から離れた真後ろ部分に収まる)からなる5連ビーム主砲『オリオン砲』が最大の武器であり、こちらはビッグモライマーズを一発で撃沈させる威力を誇るが、凄まじい閃光を発する為に対閃光防御が必須である(※簡略化されてはいるが、エネルギーチャージから発射(操縦パネルよりせり出すコンソールへキューショットを接続して発射トリガーとする)までの一連のシーケンスはどう見ても波動砲)。
更に、中枢部のキュータマコクピットへシシレッドオリオンが搭乗、そこからの操作により4体目のスペースロボ・オリオンバトラーへ変形する。此方もブリッジが直立してしまう為に動かす方も残っているメンバー(爺やの様な同行者を加えた)も注意が必要(ラプターやショウ司令等)。
もう一つの戦闘形態として巨大砲台オリオンビッグバンキャノンへの変形も可能だが、自力で発射する事ができない為、発射には他のスペースロボの協力が必要となる。
ワームホール理論の応用で拡張された船体内部には殆どのキュウボイジャーが格納でき、発進の際は右舷内部からリフトアップされ、一時的にオリオンボイジャーが消えた中央部で各々のキュータマコクピットを接続してのテイクオフとなる『セイザスクランブル』を行える。リュウボイジャーはその巨体の為船底前部(オリオンバトラーの両足間)から出撃する。
なおオリオンボイジャーの誕生状況から考えて、オリオンキュータマを出現させたキューエナジーにはオライオンが残した物とオリオン号が宿らせていた物が混ざった可能性が示唆されている。少なくともキュウレンジャー達はそう信じている様だが、それが事実だとすればバトルオリオンシップ(のコア)に生まれ変わったオリオン号はキュウレンジャーと共に戦える様になり、スティンガーに認められた“13番目の戦士”へなったと言う事になる。
モチーフの一つは『宇宙からのメッセージ』に登場する戦闘宇宙船・リアベ号で、かつそれを元に復元された船・リアベスペシャル(※続編に当たる『銀河大戦』に登場)。もう一つは『時空戦士スピルバン』に登場する超時空戦闘母艦・グランナスカと思われる。
本戦艦の装備の1つである『オリオン砲』はSpace.10にて、ダイカーン・モズマによってオリオン号が太陽へ急発進するという緊急事態に陥り、錯乱したショウの口からオリオン号の架空の装備として名が挙げられていたが、約20話をかけて本当に実現してしまった。