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「いつも給食のおっさん、給食のおっさんと馬鹿にしくさって!! 先生どもにバカにされ、貴様らのような餓鬼にまでバカにされながら給食を毎日運んでいたんだっ!」


「きょうからおれが学校の支配者だっ!! 関谷さまといってみろ!!」


「おとなは人間でガキは動物よ! だからおとながガキを生かすも殺すもかってよ!!」


概要編集

パン屋兼学校給食の納入業者であり、『漂流教室』における悪役。38歳。


人物像編集

未来世界で漂流する以前は小学校の生徒達から「優しい給食のおじさん」と評されている程の人格者であったが、それは常識に縛られた現代社会で生きるためのポーズに過ぎず、実際の本性は傲慢かつ暴力的で非常に幼児性の強い「大きな子ども」であり、抑圧された環境下では暴走しやすい一面がある。

その反面、自身が不利な状況になると漂流前の態度を装って命乞いする等、本質的には小悪党と言える。

日頃から学校の生徒や教員達を目障りに思っていたらしく、文明や社会が崩壊した未来世界で漂流した途端に今までの鬱憤を晴らすかのごとく、「給食代はまだ貰ってない」という理由で全員分の給食を独り占めして給食室を占拠、「おとなは人間で、ガキは動物」と豪語して生徒達を暴力で支配し、自分の身を守る為ならば生徒達を未来生物と戦うための特攻隊に仕立て上げて平然と捨て駒にする等、これ以上にない程に性根の腐り果てた人間の屑。

これらの凶行は「汚い大人」というよりは「駄々をこねたガキの屁理屈」に近いものである。


このように、「大人」を自称するわりには、事ある毎にそれを盾にして自分より格下と見た者達に対し高圧的に振る舞い、子供達を虐げる事を「大人がガキを生かすも殺すも勝手」と主張して微塵も悪びれず、さらには自分の失態を素直に認めなかったり、返り討ちにあったりすると直ぐに逆上したり、目につけた相手をネチネチと恨み続けたりする等、言動の端々に見せるその短気ぶりや幼稚さが見え隠れしている。

また、「給食のおじさん」としての立場を「大人」として唯々諾々と従いながらも、漂流後に自らの立ち位置に不満を爆発させた様子から見ても、実際は関谷の方が「子供」ではないかと思わせる面が多くあり、大人としての自覚や人望が無い卑小な人間である事を窺わせている。


「学校が未来にタイムスリップした」という事実を信じようとせず、外の世界は「荒廃した現代」と決めつけ、「そのうちアメリカ軍が助けに来てくれる」という幻想を抱いている。

なお、中盤では未来生物に襲われて一時的に幼児退行したものの、あるキッカケで正気に戻った。


最期編集

終始暴君気取りで学校の支配者となっていたが、校舎が未来生物に襲撃されて窮地に陥ると、ほとんどの食糧を持って一人で逃亡。

おかげで終盤では子供達はいよいよ極限状態と言えるレベルでの食糧不足に苦しめられることとなり、ついには死んだ人間を焼いてその人肉を食べるというおぞましいことを仕出かす者まで出てしまった。

しかし、最終的には食糧も尽きてどうしようもなくなったのか、ユウちゃんが現代へと帰還しようとした途端に再び学校に戻ってきて、往生際悪くユウちゃんを妨害しようとしたが、同じく未来世界で漂流していた大人である馬内守也に顔面をつかまれて両目を潰された上、そのまま地面に後頭部を何度も打ちつけられ、更に追い打ちをかけるように首を絞められて死亡という彼の醜悪な人間性に相応しい因果応報な末路を辿った。

正確には生死不明であるが、馬内が現代に帰還した後に「殺した」と発言している。

仮に生きていたとしても両目を潰されている以上まともに生きることはできないどころか、関谷を助けようと考える人間は誰1人いない可能性が高い。



ドラマ版編集

原作における「関谷久作」ポジションという形で、関谷則子という女教師へと設定変更されている。

こちらも子供を見下す大人ではあったが、原作とは違い、ローン地獄や一部の生徒による嫌がらせで日頃から溜まっていた鬱憤が荒廃した未来に漂流してしまったせいで爆発したというものであり、根っからの悪人ではない。

最後は主人公達に情けをかけられる形で生き残った。


余談編集

生々しすぎる人物描写からモデルになった人物が存在するのではないかと推察されていたが、漫画家の寺田ヒロオとの共通点が示唆されている。

かつてはトキワ荘の重鎮として慕われていた人格者だったが、時代に取り残され理想を他者に押し付ける老害と化し、他の人気漫画を「子供に悪影響」と批判していた。

藤子不二雄の自伝的漫画「まんが道」の後日談「愛…しりそめし頃に」では「恐怖魔人ゾンビラス」という漫画の連載停止を訴える寺田が描かれている。

漂流教室の作者である楳図かずおは『週刊少年サンデー』および小学館発行の雑誌で寺田ヒロオの作品とニアミスしていた時期(関谷久作の年齢設定とも一致する)があるため、作品が非難の対象にされていた可能性が高く、明言はされていないが寺田に対する悪印象を反映したのではないかと推察されている。


関連タグ編集

漂流教室

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