概要
正式タイトルは『ルパン三世 Sweet Lost Night ~魔法のランプは悪夢の予感~』。
2008年7月25日放送。
ルパン三世のTVスペシャルは1990年の『ヘミングウェイ・ペーパーの謎』以降、毎年7月下旬(もしくはは8月上旬)に放送されるのが定番となっていた(番宣などにおいても「金曜ロードショー」の本作放送当時のナレーターであった坂上みきが「今年もルパーンの季節がやって来た!」などとネタにするなど)が、夏の放送としては現時点では本作が最後となっており、以降のテレビスペシャルは秋や冬など放送時期が流動的となる。
2020年1月10日にはYouTubeの「TMSアニメ55周年公式チャンネル」にて本編の無料配信(21時からのプレミア配信→アーカイブ配信)が行われる。
あらすじ
今回の不二子のおねだりは・・・アラビアにあるという、何でも願い事が叶う「魔法のランプ」。もちろん盗み出すことに成功し、追ってくる銭形も何とか振り切り無人島へ辿り着いたのは、午後の7時になろうとしている頃だった。
ルパンは早速ランプをこすってみると、なんと魔人ではなく妖精が出現!妖精はルパンに語りかける・・・「願い事を叶えてあげる。その代わり、残りの人生の半分をいただくわ」。突然ランプから赤いレーザービームが出て、ルパンの後頭部をちくりと刺した・・・午後7時ちょうどのことだった。
空を見上げるルパン。しかしなぜか朝になっている。時計を見ると・・・午前7時。困惑するルパンに追い打ちをかけるような不二子の剣幕も、なぜだかさっぱり分からない。そのとき、突如武装した男たちがルパンに「ランプを渡せ」と要求してきたが、そこへやってきた次元と五ェ門になんとか救出される。
次元の話により、どうやら午後7時から午前7時までの記憶がなくなっているのだと理解したルパン・・・そう、記憶を失った真相は「謎の女」と「魔法のランプ」が握っているのだった。
テレビ画面には武装一味率いるガーリック大佐が映し出され、不二子を人質にランプをよこせと言ってきた。もちろん不二子の仕組んだ罠だとは知っていながらも、ガーリック大佐の指示した列車に乗り込むルパン。すると隣にドリューと名乗る女性が座ってきた。
案の定、不二子と大佐がランプを奪うために襲ってきた!なんとか逃げたルパンがドリューに歩み寄ると、そこにいたのはなんと「ランプの妖精」だった!逃げようとするドリューに事情を聞くルパン。しかしまたしてもガーリック大佐の攻撃が始まり、次元は被弾、五ェ門は潜水艦の中に閉じこめられてしまう。
彼女の話によると、ランプはアイヒマン博士が作った「記憶のスキャナー装置」だという。そしてドリューも博士によって3年間の記憶を奪われており、その記憶を取り返すために博士のいいなりにされていると告白した。しかしいったい何のためにルパンの記憶を盗もうとしたのか?
そして明くる午前7時。またしても昨夜からのルパンの記憶はきれいに消えていた。そして3度目・・・その時、ドリューは記憶消去について衝撃の事実をルパンに告げる。ルパンに残されたのは残り数時間。ルパン達は急いでアイヒマン博士の研究施設へ向かうのだが・・・。
一方、銭形はルパンを執拗深く追いかけていた途中、スマトラ島のジャングルで遭難事故に遭い、頭を強く打ってしまったために記憶喪失になってしまう。一人称が「ボク」になり、口調や性格も完全に少年のように豹変し、自分が誰なのかもわからず一人彷徨い歩くのだった・・・。
メインメンバー
・ルパン三世(キャラクター) CV:栗田貫一
ご存じ大泥棒。
今回は不二子のおねだりである「魔法のランプ」を盗むことに成功するが、記憶を失うという理解不能な状況に悩まされることになる。
不二子のおねだりのため奮戦して危機に陥ったルパンの救援すべく登場。今作では被弾したりと結構な苦労人として描かれている。
今作では彼女がアラビアにあるという、何でも願い事が叶う「魔法のランプ」をルパンにおねだりしたことからストーリーが始まる。
いつも通り、1$マネーウォーズやアルカトラズコネクションと同様にお色気担当(画像例として1$マネーウォーズにおける強制脱衣※磁力装置による不二子のブラジャーの強制脱衣)。
毎度のようにルパンからお宝だけ貰う算段であったが、見事に大失敗。終盤ではヘリコプターに宙吊りにされた末、不二子を救助しようとした五ェ門に服を全て斬られた後にロープを斬られてプールに落下、全裸の状態で爆撃の中を逃げるという憂き目に逢う。
今回もルパン達を裏切って痛い目を見ており、ロープでおっぱいが隠れているだけの状態に追い込まるされるという刺激がつよいシーンを提供してくれる。
斬鉄剣の使い手。今回は珍しく潜水艦の中に閉じこめられてしまう。
ご存じICPO。
ジャングルの遭難事故で記憶喪失になった末、幼児退行化してしまう。
当初はジャングルの遭難事故で記憶喪失状態で発見されたという状況から、世界各地で多発していた神隠し事件に巻き込まれたと思われていたが、担当医からは「事故による記憶喪失で、事件とは無関係」とあっさり否定された。
ゲストキャラ
- ドリュー
CV:田中美里
本作のヒロイン。ランプから現れた謎の女性の正体であり、ランプの秘密を知っている。
- ガーリック大佐
CV:銀河万丈
本作の悪役であり、裏社会では戦争屋と呼ばれ恐れられている男。その二つ名の通り銃火器から戦闘ヘリなどあらゆる武器の扱いに長けている。
- アイヒマン博士
CV:佐々木敏
記憶を操作できるランプを作った張本人の博士。
- アダム
CV:萩原聖人
行方不明となっているドリューの兄。
余談
ゲストキャラのうち、アダム役の萩原聖人とドリュー役の田中美里は「冬のソナタ」(の日本語吹き替え版)でも共演しており、また銭形警部を演じる納谷悟朗の弟である納谷六朗がゲスト出演している。なお「ルパン三世」のアニメにおいて、納谷兄弟の共演は本作が最後となっている。
今作でもお色気担当である不二子が衣服を失うことになるが、これまでのように敵によって強制的に衣服が破壊されるのではなく、味方である五ェ門に(ルパン一味を裏切ってお宝だけ貰おうとしたことへのお仕置きも込めて)服を全て破壊されるという珍しいパターンとなっている。(トワイライト☆ジェミニの秘密における強制脱衣※鞭による不二子のブラジャーの強制破壊。)
銭形は記憶喪失になってしまった関係上、あまりストーリーに関わっていないが、完全に記憶を喪失したことで一人称が「ボク」になるなど、ルパンや五ェ門を唖然とさせるほどの衝撃的な変貌を遂げる。銭形の記憶喪失は後年のPART520話でも描かれているが、こちらは別の意味で驚くべき変貌を遂げている。