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拒食症

きょしょくしょう

拒食症とは、摂食障害の一種で、文字通り「食べることを拒否してしまう」状態のこと。

概要編集

医学的には「神経性やせ症」、「神経性食欲不振症(神経性食思不振症)」「神経性無食欲症」などといい、いずれも心理的要因・社会的要因・生物学的要因によって生じる、栄養拒否・それによって生じる痩せ症などの摂食行動の障害(摂食障害)という意味である。


具体的には、身体的には空腹を感じている、実際に栄養が不足し食事が必要な状態にもかかわらず、食べることへの不安や恐怖から摂食を拒否してしまう(また、少量でも食べたあと無理に吐いたり激しい運動でカロリーを消費し尽くそうとしたりする)状態である。

「自発的には全く食べられず、必要最低限のものを促されて口に含むのが精一杯」という重度のケースもあれば、低カロリーの食材など自分が認める限られた少数のものなら食べられる(※「許可食」と呼ばれる)ケース、世間一般では(かなり)少食なほうだがある程度どんな種類のものでも食べられるようなケースもあり、個人差が大きい。


発症は心理的要因(ストレス)によるところが大きいが、摂食に関連するストレス、特に本人及び周囲の過剰な痩せ礼賛や、体型についてからかわれるなどして「食べること、食べて太ること」に強い恐怖を感じて食べられなくなってしまう、という患者は多い。摂食行動とは無関係の理由で一時的にストレス性の食欲不振になり、そのまま長引いてしまう場合もあるが、数としてはそこまで多くない。

また比較的経過が長引く傾向にあり、慢性型に移行することもある。


抑うつなどの精神症状を抱えていたり(実際に精神疾患を併発することも多々ある)や、身体的疾患を合併したりすることは多く、心身に与える影響は大きい。消化器の不調や低体重による循環器・心臓疾患などのリスクは高く、衰弱死に至るケースも見られる。


摂食障害は大きく拒食症、過食症に分類される。拒食と過食は相反するもののように捉えがちだが、拒食症から過食症に移行する(あるいはその逆)、またそれを繰り返すケースは多々見られ、特に嘔吐型・排出型の過食症とは「極端なやせ願望」あるいは「肥満恐怖」などが共通し、病気のステージが異なるだけの同一疾患と考えられている。


アメリカでは平均体重の85%以下が拒食症に分類されているが、日本では80%以下とされている。


10代から20代の若い世代に多く見られるが、その中でも日本の小中学生での拒食症が増加傾向にあると報じられている。



関連タグ編集

摂食障害 過食症 ガリガリ


カーペンターズ:メンバーのカレン・カーペンターが拒食症(過食症も併発していたとされる)であった。

杉本沙織:食思不振症に伴う鬱血性心不全で亡くなったことが公表されている。

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