概要
非栄養物、特に壁材・土・紙など食物でないものを日常的に食べる症状。また、仮に食べ物であっても未調理であったり、食用氷のような栄養のない食感や温度だけであったりする場合を指す。
異嗜(いし)症、異味症、異常食欲とも。
ラテン語では「pica」といい、これはカササギという意味がある(カササギは何でも口に入れてしまうことから)。
異食症の有名な例に「土食」が挙げられるが、これは世界各地で食べられている文化があるため、土を食べることそのものが異食症となるわけではない。「その人の普段の生活において食べる習慣がないもの」が異食にあたるといえる。また、小さい子供が間違って口にしてしまった場合や、儀式などでごくまれに口にすることがあるときなどは該当せず、定期的・日常的に摂食していることが診断の基準となる。
本人が不安を感じて病院に受診することはもちろん、周囲が医師に相談したことで発覚する時や、栄養失調、消化不良による腹痛や腸閉塞など消化器系の症状、(金属の場合)鉛中毒などの症状が出て初めて発覚するという場合もある。
主な原因
→火を通していないジャガイモや小麦粉を食べるなどの異常行動が見られることもある。
異常を感じたら病院での受診が望ましい。
貧血が原因の場合、症状の緩和には数ヶ月かかることもある。
治療は、(身体に障害が出ている場合)栄養失調や合併症の治療が優先される。また、行動の修正をするための行動変容法(禁煙治療などに用いられる手法)を利用することもある。
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