恐怖症

きょうふしょう

あれがこわい、これもこわい。

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概要

（限局性）恐怖症とは、ある特定のものや状況に対して日常生活に支障をきたすほどの強い恐怖を感じる精神疾患である。

対象を見聞きする、あるいは対象について考えようとすると、恐怖や不安といった心理的な反応に加え、めまいや動悸、ぞくぞく、むずむずするような不快感といった身体的な症状が起こる。

ひどい場合はパニックを起こすことがあり、実際にパニック障害と併発していることも多い。

なにかに不条理・不毛とわかっていながら恐怖を抱き、その考えが止められない症状としては強迫性障害とも類似する。

また、疾患として診断名がついているものではないが、一般人にはなんでもないことを過度に嫌悪する、忌避するようなことを「～恐怖症」ということもある。こちらは「恐怖癖」と呼ばれる。

これらの恐怖症は英語では一貫して「～phobia（フォビア）」という名称がつけられる。

フォビアの語源はギリシャ神話における恐怖と混乱を司る神「フォボス」。

恐怖症は『疾病及び関連保健問題の国際統計分類』（ICD）では不安障害の一種となっており、以下に細分されている。

幼少期の恐怖体験・トラウマが発症に関係しているケースが多く、時間とともに自然に落ち着く、克服する機会がたまたまあって回復することもある。

治療としては、主に精神療法の一種である曝露療法（恐怖の対象にあえて向き合わせることで少しずつ慣らしていく手法）や認知行動療法が用いられる。ただし、本人の生活において大きな障害になっているような場合を除いては、あくまで個性の一種、無理に治療・矯正するべきではない特性という見解もある。

※日本語名50音順。

日本語名	英名
悪魔恐怖症	Demonophobia
暗所恐怖症	Nyctophobia
異性恐怖症	Heterophobia
嘔吐恐怖症	Emetophobia
会食恐怖症	Deipnophobia
科学技術恐怖症	Technophobia
神恐怖症	Theophobia
雷恐怖症	Astraphobia
恐怖恐怖症	Phobophobia
巨像恐怖症 / 巨大物恐怖症	Megalophobia
嫌われ恐怖症	Misophobia
蜘蛛恐怖症	Arachnophobia
月曜日恐怖症	Lunaediesophobia
高所恐怖症	Acrophobia
孤独恐怖症	Autophobia
子供恐怖症	Paedophobia / Pedophobia
死恐怖症	Thanatophobia
事故恐怖症	Dystychiphobia
視線恐怖症	Scopophobia
死体恐怖症	Necrophobia
失笑恐怖症	Laughter phobia / Gelotophobia
集合体恐怖症 / 密集恐怖症	Trypophobia
銃恐怖症	Hoplophobia
醜形恐怖症	Cacophobia
13日の金曜日恐怖症	Friggatriskaidekaphobia
女性恐怖症	Gynophobia
先端恐怖症	Aichmophobia
対人恐怖症	Anthropophobia
男性恐怖症	Androphobia
長大語恐怖症	Hippopotomonstrosesquipedaliophobia
データ消失恐怖症	Diagraphephobia
道化恐怖症 / ピエロ恐怖症	Coulrophobia
動物恐怖症	Zoophobia
発言恐怖症	Glossophobia
汎恐怖症	Panphobia
飛行恐怖症	Aerophobia / Pteromerhanophobia
広場恐怖症	Agoraphobia
不潔恐怖症 / 潔癖症	Mysophobia / Germophobia
閉所恐怖症	Claustrophobia
忘却恐怖症 / 被忘却恐怖症	Athazagoraphobia
星恐怖症	Siderophobia
水恐怖症	Aquaphobia
目恐怖症	Ommetaphobia
幽霊恐怖症	Phasmophobia
恋愛恐怖症	Philophobia

低所恐怖症（低いところに恐怖を感じるのではなく、低いところから空や高い建物を見上げるような感覚に恐怖するもの。ネット上では主に「高いところに好んで居座る、他人を物理的に見下すことが好きなキャラクター」を比喩する言葉として使われており、実際のものとはずれている）
特定の数字に対する恐怖症（有名なものは4恐怖症/Tetraphobiaなど。日本では他に「9」が多い。海外のキリスト教圏では「666」や「13」などに恐怖を感じる人が多い）