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回避性パーソナリティ障害

かいひせいぱーそなりてぃしょうがい

批判や恥をかくことに対する極端に強い不安や恐怖から、人とのコミュニケーションやリスクを負う場面を避けようとするパーソナリティ障害のこと。
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概要編集

自分の意見を批判されたり、笑われたり、またそれによって恥をかくようなことを非常に恐れるあまり、他者とのコミュニケーションや、一人で意見を述べるなど目立つような行動(つまり、恥をかくリスクがあるような行動)を避けようとしてしまうパーソナリティ障害のこと。

不安性パーソナリティ障害とも。


同じく他者との接触を避ける傾向があるスキゾイドパーソナリティ障害が「他者に関心がないため交流を取る必要がない」と考えているのに対し、こちらは内心では他者との親密な関係の構築や積極的な自己表現を望んでいるものの、不安のあまりそれに挑戦することすら恐れている状態である。

極端な引っ込み思案の一種ともいえる。


内気物静か臆病といった普通の人にもあるような性格傾向との違いは「日常生活に支障を及ぼす」というところにある。


原因は明らかになっていないが、子供の頃に虐待いじめを受けていたことを訴える患者が多いとされる。また、保護者から「~すべきだ」「~できてあたりまえだ」「普通、常識」「他の子は出来るのに何でうちの子だけ...」というような、子供の言動をコントロールしようという期待の押し付け、非難や過剰な躾を受けたことにより、自分の行動や選択に自信が持てなかったという人も多い。

また、これらのような家庭(学校)環境に加え、社会的な要因や遺伝も関係すると考えられている。先述の「内気」、「臆病」というような元々の本人の性格、気質(パーソナリティ)のほか、社交不安障害のような不安障害(パーソナリティとは別に感じている不安)と合わさることでパーソナリティ障害に移行するとも考えられている。


コミュニケーションやそれが行われる場を避けようと、受験就職活動の場において他人の目を気にして実力を発揮できなかったり、自身の行動について少しでも批判的な意見を聞くと即座に辞めてしまったりする人も少なくない。このような行動は不登校ひきこもりとも密接に関係するといえる。

自意識過剰、思い込みの強い面もあるため、自分が攻撃されている(今後される)かもしれないと思うあまり他者に攻撃的になってしまうこともある。


判断の目安編集


精神疾患の診断として広く用いられているDSM-5による基準によれば、社会的抑止、不全感、および否定的評価に対する過敏性の広範な様式で、成人期早期までに始まり、 種々の状況で明らかになる。以下のうち4つ(またはそれ以上)によって示される。

  • 批判、非難、または拒絶に対する恐怖のために、重要な対人接触のある職業的活動を避ける。
  • 好かれていると確信できなければ、人と関係をもちたがらない 。
  • 恥をかかされる、または嘲笑されることを恐れるために、親密な関係の中でも遠慮を示す。
  • 社会的な状況では、批判される、または拒絶されることに心がとらわれている。
  • 不全感のために、新しい対人関係状況で制止が起こる。
  • 自分は社会的に不適切である、人間として長所がない、または他の人より劣っていると思っている。
  • 恥ずかしいことになるかもしれないという理由で、個人的な危険をおかすこと、または何か新しい活動にとりかかることに、異常なほど引っ込み思案である。

また、このような特徴に複数当てはまる人は回避性パーソナリティ障害の可能性が高いと言える。

  • 両親や保護者が躾に厳しかった(毒親だった)
  • 感受性が鋭く否定、批判、非難、反対意見、排除を怖れるあまり、人との接触を避けようとする
  • 自分が好かれている、排除されないと確信しないかぎり、人との交流をもとうとしない
  • 自尊心が非常に低く、恥をかいたり、笑われたり、排除されたりすることを怖れるあまり、関係づくりを控えようとする
  • 社会のもとでは、「他人からどう思われているのか」という心配にいつも心を奪われている
  • 「自分は(相手に)ふさわしくない」との思いから、人との出会いにおいても過剰に遠慮していしまう
  • 自分は社会人として不適格である、魅力に欠ける人間である、他の人よりも劣っている、などと考えている
  • 新しく何かを始めることを極端に嫌がる
  • 自分が活躍できる、好かれていると確信した時は、意外な積極性を発揮する。

深刻な事態に陥る前に不安な方は自己判断せずお医者さんへ


回避依存症編集

回避依存症とは、自分の身に降りかかるかもしれない「傷つくこと」から必死に逃れようとする心理状態のこと。回避性パーソナリティ障害と似た傾向を持つが本質的には異なる。


「症」とあるが病気や障害の一種ではなく、主に恋愛にまつわるコラムやインターネット上の会話の流れで用いられることが多い。


「傷つくこと」を恐れるという意味では同じであるが、回避依存症の人には「他者(恋人、配偶者)の言動をコントロールしようとする」「浮気など相手が傷つく行動を繰り返しながら、それを非難されることを嫌う」「突然連絡が取れなくなったり、金品を要求してきたりする」というような行動が見られる。自己中心的、他者に対し攻撃的・支配的であり、いわば「自分の快のためなら他者がどうなってもいい」という思想の持ち主を、「他者との密なコミュニケーションを自分の身勝手な欲求のために利用し、相手を愛することを避ける」と解釈し、「回避」という言葉で表現していると考えられる。


関連タグ編集

孤独 ぼっち 不安 心配 コミュ障

スキゾイドパーソナリティ障害反社会性パーソナリティ障害(サイコパス/ソシオパス)…他者とのコミュニケーションを避ける、他者との親密な関係が構築できないといった特徴が類似する

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