概要
旧約聖書『創世記』において、蛇(サタン)の誘惑により、禁じられていた「知恵の木の実」をとって食べるという人祖アダムの罪に由来する。
原罪の本質とは、神に等しき善悪の知識を得る「知恵の木の実」を口にした事で、何が善か悪かを自分で決めるという「自らを神」とする事、すなわち『神への反逆』である。
彼の犯した罪により、アダムとイブはエデンの園を追放され、またその罪は子孫である人類全体に影響を及ぼしている。彼らの息子であるカインの時点で殺人が起こった程である。
原罪によって人類は神との親しい交わりを失っており、それにより肉的・霊的な死のために苦しみを味わい、さまざまな罪も犯してしまう。
キリスト教においてはイエス・キリストの義と恵みのみが人類を原罪から救うとされる。
ユダヤ教やイスラム教においても人類に罪を犯しやすい性質があることを勿論みとめるが、基本的に原罪という形で実体視はせず、アダムの罪によって(原)罪が人類に備わった、ともしない。
ユダヤ教神学者のうち、原罪を認めるのはごく少数派である。イスラム教に至っては皆無といってよい。
西方教会と東方教会の違い
原罪は西方教会(カトリック、プロテスタント)で強く説かれるが、東方教会(正教会)ではそうでもない。
アダムが罪を犯し、それにより罪と苦しみが子孫である人類にもたらされたことは認めるが、「原罪」という形で受け継いだ、とはしない。
引き継がれてしまったのは、人間の「神の似姿」としての側面のうち、アダムの罪によって破損された「神の像」であり、「神の肖」が失われてしまった状態である。
これにより、人間には生まれつき不完全ながら神を求める心(神の像)はあるが、その完成(神の肖)は存在しない。
後者は信仰とそれによる救いによってのみ回復される。
関連タグ
キカイダー:『善』を象徴する良心回路、そして最終的に『悪』を象徴する服従回路を組み込まれて『人間』になってしまった人造人間。ちなみにコラボ先がモロに創世記のオマージュだったりもする。
ビースト(fate):それぞれが原罪を体現する存在。